第452話「ケイトの告白」
怪我をして出れないなどの事態にならな限り負けるとは思わない。
それに対して目の前の少女はどうだ。
頭が良いのは噂がいくつも出回って知っている。
同じリステッドでも兄の方であったのなら、もしかしたら格闘でも負けはあるかもしれない。
だが、妹の方である。
そのか弱い腕は直ぐにへし折れそうで、垂れる水滴でさ映えそうな綺麗な顔に拳が一度でも当たれば、大惨事であろう。
「分かってんのか?女子だろうが手加減されねぇんだぞ」
「ふふ、怖いですか?」
「あ?分かった。いいか?お前が負けたら校庭の真ん中で、皆が見てる前で頭下げろよ」
「ええ。いいですよ」
「……」
ゲルダマは舌打ちを残し去って行った。
「サラティスさん、大丈夫なの?」
「それより、マレランネさんは大丈夫ですか?殴られたりなどは?」
「ありがとう。彼はすぐかっとなるのだけれど、私には手を出したことないわ」
「最低限の理性はあるのですね」
ケイトを殴った様子を見るに、生意気なことを言ったサラティスだ。直ぐに殴ってもよさそうなのに悪態をつくだけで手は出さなかった。
「それよりも、事情を聞いても?」
ゲルダマは密会と言っていたたが、明らかに密会ができる場所ではない。
だが誤解させるだけの雰囲気がある。
そもそも二学年のケイトと、五学年のマレランネは如何にして紡がれた縁なのか。
「分かったよ。ここで話すのあれだから、学習室入ろうよ。いいですよね?マレランネさん」
「ええ」
空いている学習室に入り、三人は椅子に座る。
「彼女は五学年のマレランネさん。レクスライ領の貴族なんだ」
ですわー。
「サラちゃんは知ってると思うけど、レクスライ領は薬草が有名なんだよ」
サラティスは頷く。
「でね、薬草について蔵書館で調べ物してだんだ。マレランネさんは薬草に詳しくて、おすすめの本とか、薬草の知識を教えてくれたんだよ」
「あー。なるほどですね」
理解した。
密会は完全に誤解であると。
「因みにケイは何故薬草を?」
「えっとね……」
ケイトはここで言い淀む。
「サラティスさん、ケイト君は薬草を調理に使えないかって挑戦してるのよ。それで、私も薬草でそんなことするなんて聞いたこともなくてね。面白そうだから、色々薬草について教える代わりに結果をケイト君から教えて貰ってるのよ」
「あら、ケイ。そんな面白そうなことして、何で言ってくれないんですかー」
いくらでもアドバイスするし、どこまで付き合うのに。
「せっかくなら、美味しいの作ってサラちゃんを驚かそうって」
「あら、ケイト君いいの?」




