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宿屋の娘は聖女と呼ばれ転生す  作者: 紅羽夜


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422/464

第422話「笑い話」

 切り傷を治す。

 完治したのに回復魔術を使い続けると、魔術をかけている皮膚が次々細かく切れ、出血を始めた。

 回復魔術を使いすぎてできた傷は、回復魔術を使っても極端に治るのが遅くなったり、最悪治らないといった場合もあった。

 サラティスも基本的に同時使用は三つまでで、それ以上はやらないようにしている。

それに治療範囲が広い時にしか同時使用はしない。それこそちょっとした切り傷は複数発動する意味がない。

 あくまでサラティスの判断によるが、傷に対して重傷、中等傷、軽傷と分けそれぞれ魔力など調整して治す。

 今思えば、あまりにも魔術に対して無知であったからこそ思いついた手法だとなと思う。

 元々はレクスルが身体強化魔術を二つ使ったらどうなるんだ、という素朴な疑問の話題が出た。

 それを聞いてネイシャは思いついた。

 回復魔術をたくさん使えばその分早く治せるのではないかと。

 この時は魔力の量を増やせば治癒速度も変わるなど知らなかった。

 そして、自分やレクスルが怪我した際練習した。

 やりすぎて、肩の皮膚がぐずぐずになり一ヶ月近く水浴びが沁みたのも今となっては笑い話になる、いい思い出だ。


「私の場合、やりすぎる程魔力が持たないと思うからそこは大丈夫ね」

「おい」

「何でしょうか?」

「生憎今、あたし達はそんな持ち合わせがない」

「べ、別にお金なんていらないですよ

「サラティスさん。魔術の技法はとても価値のあるものよ」

「だから、代わりといっちゃなんだがな。何かあった時明痕ノ常に依頼しな。それで相殺させてくれ」

「……それでよろしければお願いします」


 依頼しなければいいだけである。

 それから四人は肉を食し、そんな彼女達をサラティスは眺めつつ、まったりと雑談を始まった。


「ところでお前は何で泊まりなんだ?お前の服って制服ってやつだろ?サボりか?」

「馬鹿ねゴネシスは。この時期は学期末で長期休暇よ」

「んだと。まぁ、見るからにいい子ちゃんだからサボりはねぇか。で、何しに来たんだ?」

「私は魔獣に興味がありまして。せっかく長期の休みなので一度来てみようかな」

「なるほどな、いい趣味してんじゃないか」

「低階層安全。魔獣見れる」

「皆さんは魔獣駆除の練習ですか?」


 ギルドの駆け出しだとさっき言っていた。

 安全に訓練できるのでうってつけだろう。


「ふふ、惜しいわ。確かに訓練できてるけど、魔獣駆除じゃないわ」

「次の依頼のためにだな」

「サラティスさん、ギルドに所属しても直ぐに全ての依頼を受けれはしないのよ」


 それはそうであろう。

 実績や信頼が大切である。

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