第363話「確認に行きましょう」
「つまり今から目ぼしい人材を集めろってことですか?」
「半分はそうだな。普通は同世代や、分別のつく大人だからな、見つけてスカウトするのは。ガキを見つけて育てるなんざ気の遠くなることはしねぇ。たぶんセクド様も早いっていうだろうけどな。サラティス様にはきっと人を見る目がある。こいつだってのと出会ったら将来使用人として雇う選択肢があるってことは頭に置いておいて損はねぇ」
「それか孤児院の子ですかね」
「だめとは言わねぇが、全員を孤児院で固めるのはダメだ」
「何故です?」
「サラティス様は貴族だ。社交の場で舐められる。一流の使用人を雇うことができない。金がないだ、人望がないだ、貴族の品格がないと陰で言われるぜ」
「私としては言われた所で気にしないのですが、避けた方がいいってことですよね?」
「らしいぜ。まぁ、俺は貴族じゃねぇから、レザクターの旦那かアレシア様から聞いたことを偉そうに言ってるだけだがな」
「ところでこれからどうしましょうか?」
「ひとまず、一度騎士の所へ行って本当に孤児か確認した方がいいな。行方不明届けが出てるかもしれねぇし」
「そうですね」
「それで問題ないのであれば、晴れて連れて帰れるな。あ、騎士に話を通すのと、一筆欲しい」
「ん?どういうことです?」
「帰りは俺とヤーミーだけだろ?」
「何か問題あります?」
「……そうだよな。サラティス様が一緒なら問題ない。だがいない。関所で誘拐だと疑われる可能性あるだろ?」
「あー。まぁ、そうなのかもしれないですね」
サラティスからすれば見知った顔であるが、見る人が見れば凶悪な誘拐犯に見える風貌なのは事実だ。
「ヤーミーさ……」
「サラティス様」
「何です?」
「もうこいつは他所様じゃねぇ。さん付けで呼ぶのはダメだ」
「……ヤーミー。これからあなたを家に迎える準備をしに行くので一緒に来てくれますか?」
「うん」
三人は騎士団本部に向かった。
入口の騎士がすぐさま対応し、応接室に案内された。
ダヴァン曰く、この対応はサラティスが貴族だからであろうとのこと。
「サラティス殿、お久しぶりであります」
「あ、メノス副隊長さん、お元気そうで何よりです」
「知りあいなのか?」
「はい。学園にヴォルゲドが迷いこんだ時に避難誘導してくれて」
「ああ。なるほどな」
理解した。
サラティスは貴族の中では、特別視される程ではない。
王都には侯爵、公爵家の人間も多いのだから。
だが、仲良しな友人はそうはいかない。
副隊長が避難のために駆けつけるのは至極当然だろう。
「本日はどのような用件で?」
初めにサラティスはダヴァンはリステッド家の料理長であり、あのフィーナにも食事を振る舞ったこともある信用のおける人物であると紹介した。
「なるほど、孤児を引き取られると……。分かりました。届けがないか確認してくれ」
「は」
隣に座っていた部下が立ち上がり、部屋を出ていった。




