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『月の滴』と猫と僕  作者: 洸夜 真琥


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6話 猫の図書館

『月の滴』に住むようになって数日が経った。

町にも慣れて来て1人で買い物も行けるようになったけど、相変わらず帰り方はまだ分からない。


「今日はお店やすみか、どうしよう、まだ行ったことがない場所に行ってみようかな」


出かける為に、キッチンの前を通り過ぎると、ネロがいるのが見えたから、外出する事を一応、伝えとこうと思って、声をかける事にした。


「ネロ、ちょっと出かけてくるよ」

「ツカサ、わかった」

「買い出しあるなら、ついでに買ってくるよ?」

「んー、大丈夫」


そんな事を言ってたら、コムギがやって来た。


「あら、ツカサお出かけ?」

「うん、今日は店も休みだし、まだ行ったことがない場所に行ってみようかと思って」

「そうなの?なら私も一緒に行くわ!」

「いいの?」

「私もいた方が、色々説明も出来るでしょ?それにデートみたいで良いじゃない!」

「じゃあ一緒に行こうか」

「ちょ!ちょっと待って!……僕も行く!」

「ん?ネロも行くの?」

「コ、コムギが知らない場所があるかもしれないだろ……デート……だなんて……僕もまだ……」


最後の方は聞き取れなかったけど、ネロも一緒に行ってくれるみたいだ。


「じゃあ今日は3人でお出かけね!準備してくるから、少し待ってて!」


コムギの準備が終わると、俺達は店を出た。


「何処から行こうか、行ったことない場所って言ったけど、何処に行ったら良いか……」

「そうね、じゃあ今日は町の西側から行ってみる?」

「西側……うん、案内頼むよ」

「じゃあ、行きましょう!」




「ここら辺かしらね」


ネロとコムギが連れて来てくれたのは、広々とした芝生の公園があって、その芝生の上ではベンチに座ってお喋りをしている猫や、日向ぼっこをしている猫もいる。小さな子猫もいて、芝の上で追いかけっこして遊んだりしていた。公園の横の方には、少し大きい建物が建っている。


「こんな所があったんだ」

「あっちにある建物は図書館よ」

「図書館なら、迷い人の事が書いてある本とかあるんじゃないかな?」

「あっ!そうよね!ツカサ、行ってみましょう」


ネロの提案で俺達は図書館に向かった。


図書館の中は殆ど俺のいた所と変わらないけど、凄く気になると言うか、俺がいた図書館には無かったものがあった。


「ねぇ、アレって」

「ん?あれ?」

「あの真ん中のでっかいヤツって」

「キャットタワーの事?」

「あ、やっぱりアレってキャットタワーなんだ」

「そうだけど?」

「?」


コムギとネロが何か変なのか分からないって顔をしている。


「俺のいた図書館にキャットタワーなんてなかったから、しかもあんなに大きいヤツ見た事ないよ」

「え、そうなの?」


そこには、図書館の真ん中に、天井まで届く大きさの巨大なツリー型のキャットタワーがあった。よく見ると、途中に何個も休憩場所があって、そこで本を読んだり、寝ている猫が見える。


「凄いね……」

「そうかしら?」

「ツカサの所にはなかったの?」

「俺のところには、こんな大きいの無かったよ」

「へえ、そうなんだ。とりあえず本を探してみましょう」


みんなで手分けして探す事にした。

本棚に並ぶ本を見ると、微妙に何処かで聞いたことがあるような題名の本があったり、やたらと魚について書いてある本が並んでいる場所があったりした。


いくつか見て回ったけど、いまいちよく分からなかったから、コムギのところへ行ってみる。


「何かわかった?」

「こっちには無いわね」

「ネロはどうだろう」


俺とコムギはネロを探して、本棚の間を歩いていくと、ネロが一冊の本を開いて読んでいるのを見つけた。


「あ、ネロ!何か見つかった?」

「コムギ、ツカサ。少しそれっぽいのがあったから今、読んでみてたんだ」

「本当!どんなこと書いてあるの?」

「ちょ、ちょっと待って」


コムギがグイッと顔を覗かせたから、ネロは驚いて仰け反っている。


「コムギ、ネロが読んでくれるから待とうよ」

「わかった」

「んと、この本を書いた人の友人が迷い人で、その人と過ごした時の事を書いてある見たい」


内容の殆どは過ごした日々の事のようで、ネロはパラパラと読み飛ばして、最後の方を読み始めた。


「最後の方は、なんか友人の様子が最近違うって書いてあって、最後に別れを言いに来たって」

「それで?」

「うん、それから友人には二度と会えなかったって書いてある……」

「それだけ?」

「うん、それだけ」

「それじゃあ、結局なんで会えなくなったかわからないじゃ無い!」

「ちょ!コムギ声が大きいよ!」

「あ、ごめん」

「でも、確かにこれだけじゃ分からないね、他に何か手掛かりないのかな……」


ネロから本を受け取りパラパラと中身を見る、最後のページをまくった後、ふと気づいた。

作者が書いてある……


「これって誰か調べられないかな?」

「どれ?あ!作者名、確かに調べたら本人に聞けそうよね!」

「じゃあ、図書館の人にきいてみる?」

「そうだね、事情を話せば作者について何か教えてくれるかもしれない」


俺達は、カウンターにいる図書館員さんに聞きに行った。


「すみません、この本の作者の人について知りたいんですけど」

「はいはい、あら、あなた人間ね珍しいわね〜」

「はい。あ、あの、この本の……」

「ああ、作者ね。ちょっと本を見せてもらえる?」


俺が本を差し出すと、メガネをかけた三毛猫のおばさんは作者名を見て、何やら調べ始めた。


「うーん、この人はもう亡くなった方みたいね」

「え、そうなんですか……」

「ええ」

「せっかく直接話を聞けると思ったのに……」

「何やら事情がありそうねぇ……」

「俺、迷い人で帰り方を知りたいんです」

「迷い人……あ、こちらの方のご家族が本の寄贈もされてるわね」

「連絡とか取れないですか?」

「うーん、そうねぇ、こちらから連絡を入れてみて了承をい頂けたら、会えるかもしれないわ」

「ありがとうございます!」

「じゃあ、連絡ついたら教えから」

「はい」


俺達は、図書館のおばさんにお礼と、連絡先を教えて図書館を出た。

よろしければ是非、ブックマーク、評価をお願いいたします!


他にも、投稿しておりますので、ちらも読んで頂ければ幸いです♪


感想も頂ければ幸いです。

これからもどうぞ宜しくお願いします。


最後まで読んでいただきありがとうございました!

少しでも楽しんでいただけたなら嬉しいです!

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