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『月の滴』と猫と僕  作者: 洸夜 真琥


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15/16

15話 会いたい想い

山さんの話が一通り終わると、俺は一番聞きたいことを聞いた。


「彼に会えますか?」

「あえ………よ」

「!」

「………だよ」


山さんが口を開くのと同時に、今日一番の大きな花火が大きな音と共に上がった。

花火が消える時には俺達も話を終えていた。


「お話し、ありがとうございました」

「うん、僕も君と話せて良かったよ。まだ数日はこの町にいるから、聞きたいことがあれば訪ねておいで」

「はい」


山さんにもう一度お礼を言ったあと、俺は二人に帰ろうと言って、神社を後にした。

店への帰り道。俺が黙ってしまったので、コムギもネロも気を遣ってくれたのか口を開かなかった。


店はまだ鍵がかかっていた。

コムギが鍵を開けなが口を開いた。


「マスターまだ帰って来てないのね」

「そうみたいだね」

「今日は疲れたわね、ツカサもゆっくり休むのよ」

「うん」

「おやすみ」

「「おやすみ」」


俺達は階段を上がり、それぞれの部屋に入っていった。


部屋に一人になると俺は一気に体の力が抜けたみたいに、床に座り込んだ。

さっき山さんから聞いた話を思い出す。

あの時、俺が聞いた質問に山さんは、


「会えるよ」


そう言ったんだ。

何処かで諦めていて、どうせ今回もきっと会えないって思っていたから、山さんが言った一言が信じられなかった……


「会える……いるんだ……俺以外の人が」


じわじわと実感が湧いて来くる。

場所も教えてもらった。少し遠いらしいけど、マスターにお願いすればきっと行かせてくれるだろう。


「明日、マスターに話をしてみよう」


その日は、中々眠れなかった。



次の日の朝、朝食はマスターが作る様になっていたので、話をする為に少し早く起きてキッチンへ向かった。


マスターは既にキッチンにいて料理の準備を始めていた。


「マスター、おはようございます」

「おやツカサおはよう、今日は早起きだね」

「はい、ちょっとマスターに話したいことがあって」

「ふむ……大事な話しみたいだね。まだ朝食まで時間があるから、そっちのテーブルで聞こうか」


食事用のテーブルに向かい合って座ると、俺はマスターに昨日あったことを話し始めた。


「うむ。それでツカサは会いに行きたいんだね」

「はい」

「わかった。ツカサの知らない場所だから、行き方なんかを調べないといけないだろうから、具体的に必要な日数を決まったら教えてくれたら良いよ」

「いきなりこんな事言ってすみません」

「大丈夫、心配しなくていいよ。元々そう忙しい店ではないからね。ちなみにツカサは一人で行く気なのかい?」

「一応そのつもりです」

「コムギが一緒に行きたがりそうだけどね」

「……やっぱりマスターもそう思いますか?」

「うん、あの性格を考えるとね」


マスターと俺はクスリと笑った。


「コムギ達には内緒にしてもらえませんか?遠いし、何日も店を休むことになるので……二人にもお店にも迷惑かけちゃうから」

「僕は迷惑だなんて思わないよ、でもいいのかい?」

「はい。別に帰ってこないとかじゃないので」

「そうだね。よしじゃあ朝食の準備をしようか」

「手伝います」

「ありがとう、ではサラダの準備をお願いしてもいいかな?」

「はい」


朝食の準備が終わる頃、ネロとコムギが起きて来て俺が手伝っていることに少し驚いたようだが、早く目が覚めたから手伝ってるといえば、すんなりと信じてくれた。


その後、昨日の事が気になったのか、ネロもコムギも何かを聞きたそうにチラチラ見てた。

そしてお昼の休憩の時。


「ねえ、ツカサ」

「何?」

「山さんの話なんだけど、会いに行くの?」

「……考えてる。場所が遠いって言ってたから」

「そうね……決めたら教えてね!」

「……」

「でも、びっくりしちゃったわ!ツカサ以外に人がいたなんて」

「でも、確かに昔はいっぱいいたなら一人くらいいてもおかしくなかったよね」

「そうよね、でもこの辺りにいないんだもの、てっきりもう誰もいないかと思ったのよね」

「うん」

「ツカサもとりあえず良かったわね」

「……うん」




それから直ぐのお店が休みの日に、俺は山さんに会いに行った。


「こんにちは山さん」

「こんにちはツカサ君。来るかなって思っていたよ」

「俺、会いに行こうと思ってるんです」

「そうかい」

「それで、詳しい事を聞きたくて」

「うん、そうだね……ツカサ君」

「はい」

「僕と一緒に行ってみるかい?」

「え、山さんと?」

「うん。君と話したら僕も彼に会いたくなってね。どうせなら一緒に行ったほうがいいんじゃないかな?君も知らない場所に一人で行くのは大変だろう」

「是非お願いします!」

「じゃあ準備が要るだろうからね、5日後で良いかな?」

「大丈夫です」

「じゃあ、5日後にここに来てくれ」

「わかりました」


俺は店に戻ると、マスターに話をして準備をこっそりと進めた。

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他にも、投稿しておりますので、ちらも読んで頂ければ幸いです♪


感想も頂ければ幸いです。

これからもどうぞ宜しくお願いします。


最後まで読んでいただきありがとうございました!

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