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『月の滴』と猫と僕  作者: 洸夜 真琥


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16/16

16話 猫の神様

山さんと一緒に行くことを決めてから、マスターにはいつ出発するかを伝えたけど、ネロとコムギには

内緒で少しずつ準備をしながらも、なるべく普段通りに過ごした。


「そう言えばツカサ、サツキさんのところに行くんじゃなかったの?」

「あ、そうだった……いつ行こうかな」

「マスターに相談してみたら?」

「うん、そうする」


サツキさんに、神様について書いてある書物を見せてもらうんだったな……

山さんの話ですっかり忘れていた。

俺はマスターに相談しに行った。


「マスター」

「何かな?」

「あの、神社のサツキさんのところへ行きたいんです。あ、その……あそこへ行く前に……」


最後はコムギ達に聞こえないように小声になったが、マスターにはちゃんと聞こえたようだ。


「ああ、分かったよ。明日のお昼からでも行ってくるかい?」

「ありがとうございます!」


俺がお礼を言うとマスターはにっこりと頷いてくれた。



次の日、お昼ご飯を食べた後、俺は早速神社へ向かった。

社務所へ着くと、扉を開けて中に声をかける


「すみませーん!」


奥の方から足音が聞こえると同時にこえが帰ってくる。


「はーい!」


現れたのはユキさんだった。


「あら、あなたツカサ君じゃない。祭りの時は手伝いありがとね!」

「あ、いえ」

「今日はどうしたの?」

「あ、先日サツキさんに神様についての書物を見せてもらえるって言われてたので……どうかなって」

「あら、そうなの。じゃあちょっと上がって待ってて」


そう言ってユキさんは中に案内してくれた。

別の部屋へ案内されてそこで待っていると、サツキさんがやって来た。


「ああ、ツカサ君。神様の書物見に来たんだね、今ユキに持って来させてるからお茶でも飲んでて」

「ありがとうございます」


そう言って、サツキさんはお茶を入れて出してくれた。


「お祭りどうだった?」

「あ、楽しかったです。お店も色々あって、参加する人多いんですね」

「この町のみんながほとんど集まるからね。神事の方も見たのかい?」

「はい。凄く雰囲気が変わってちょっとドキドキしました。巫女舞とか綺麗で不思議で……俺、あの時目が合った気がしたんですけど、普段のユキさんと全然違うんですね」

「そうかい、もしかしたらツカサ君はユキに降りて来た神様と目が合ったのかもしれないね」

「え!ユキさんの中に神様入ってたんですか!?」

「ちょっとお父さん!何適当な事言ってるのよ!ツカサ君、信じてるじゃないの!」


俺がサツキさんと話していると、手に紙束をいくつか抱えたユキさんが入って来た。


「え〜、でもあり得るかもしれないじゃないか〜。それに神降ろしが出来る巫女なんて評判になったら面白いぞ」

「まったく……」


どうやらユキさんの中に神様が入ったと言うのは冗談だったようだ……


「はい、ツカサ君これが資料とか残ってる書物ね。お父さん、ちゃんと説明してあげてね」


そう言って、ユキさんは部屋を出て行った。


「わかってるよ〜……最近ちょっと冷たいんだから、反抗期なのかな?ねぇツカサ君どう思う?」

「え、いや……どうなんですかね……あは」


凄く答えづらい事を聞いて来たので誤魔化してみた後、ユキさんが持って来た資料に目をやる。


「うーん、じゃあこれみながら説明するね」

「はい」


サツキさんはとりあえず一冊の本を手に取り、開いて説明を始めた。


「この世界を作ったと言われる神様なんだけど、元々は何処か別のところから来たと言われているんだ」


中には文字と場面を表している絵が描いてある。


「ずーっとずーっと昔、ある日一人の神様がこの地にやって来た。でも誰もいないその地に神様は寂しくなってしまい、別の世界で住むところをなくした猫を連れて来て一緒に暮らし始めたのが始まりとされているね」

「別の世界って何処なんですか?」

「うーん……具体的に記されたものは無いんだけど、こっちの資料には迷い人がいた世界だったとか書いてあるのもあるよ」


そう言って、サツキさんが別の資料を見せて来た。

そこには、神様らしき猫が、人間ぽい形の人と向き合っている絵が描いてある。


「神様は行き場をなくした猫だったとか、誰かの想いの塊だとか色々説があるみたいだね、だからこの世界には想いの渦が現れるとも言われるんだ」

「想いの渦ですか……」

「ツカサ君は想いの渦や声の話は聞いてるかな?」

「あ、はい。マスターから聞きました。俺も一度、声を聞きました」

「うん。あれもなんで現れるのか分かってないんだ。他の世界に繋がってるのか、この世界の誰かの想いなのか……」

「神様が別の世界から来てるなら、その世界と繋がってるような気はしますね」

「そうだね、神様が元々いた世界が何処か分からないけど、もしかしたらツカサ君がいた世界なのかもしれない……でもそう言った話はあるみたいだね。やはり迷い人と、なんらかの関係があるんじゃないかって考える人はいたみたいだね」


それから、サツキさんから資料を読んでもらったり説明をしてもらいながら時間を過ごした。


一通り説明してもらうとサツキさんは、来客で呼ばれて行ってしまった。暫く一人で見ていたが、はっきりとした事は特に分からなかったが、神様が大事にしていたと言われる縁の場所があるらしい事は分かった。

そのうちそこにも行ってみようかな……


俺は、ユキさんにお礼と、サツキさんにもよろしく伝えて欲しいと言って、神社を出るとお店に帰った。


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他にも、投稿しておりますので、ちらも読んで頂ければ幸いです♪


感想も頂ければ幸いです。

これからもどうぞ宜しくお願いします。


最後まで読んでいただきありがとうございました!

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