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『月の滴』と猫と僕  作者: 洸夜 真琥


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12/13

12話 祭りの準備(後編)

今日で祭りの準備は最終日。

本当は、コムギとネロが行くはずだったんだけど、この世界の祭りは初めてだし、山さんの話みたいに、迷い人の事を何か知ってる人に会えるかも知らないからって、今日も俺が行きたいって二人にお願いした。


「じゃあ、私も行くわ!」

「ネロはどう?」

「別に良いよ、二人で行ってきて」

「ありがとう」


俺とコムギで神社に向かった。

公園の横を通ると、今日は公園の方でも祭りの準備をしてるみたいで、舞台とかで店の準備をしてるのが見えた。

神社の鳥居をくぐった先に、昨日まで無かった櫓が組んである。


「なんか、ああいうのを見るとお祭りって感じがするね」

「そうね!なんかワクワクするわね!」


そこへ、ザッザッっと草履の音がして、神主のサツキさんがやってきた。


「こんにちは」

「「こんにちは」」

「今日も手伝いに来てくれたのかい?」

「はい」

「ありがとう、若い人は神社なんてあまり来ないからね。君たちが来てくれて嬉しいよ」


「そう言えば、ここの神様ってどんな神様なんですか?猫の神様って聞いたんですけど」

「ここの神様かい?そうか、君は迷い人だから知らないいんだね。ここの神様は確かに猫の神様だね、この辺りに住んでいる猫達が幸せに暮らせる様に見守っているし、この世界を作った神様って言われているね」

「そうなんだ!」

「え、コムギも知らなかったの?」

「えへへ」

「はは……若い人はあんまり興味がないんだろうね」

「サツキさんは神様に会ったことありますか?」


自分で言って、何言ってるんだろって思ったけど、この世界ならもしかしたら神様にだって会えるんじゃないかって思って思わず聞いてしまった……


「うーん、私はお会いした事はないねぇ。修行を積めばもしかしたらいつかお会いできる日も来るかも知らないけどね」

「やっぱりそうですよね……」

「君は神様に会いたいのかい?」

「はい……もしかしたら帰り方とか、どうして迷い人が来るのかとか教えてもらえるかと思って……」

「……そうかい……そうだ!神様には会えないけど、さっきこの世界を作ったのがここの神様だって言っただろう、神様についての書物があるよ。読んでみるかい?」

「本当ですか!?是非見せて下さい」

「じゃあ祭りの間は忙しいから、祭りが終わったら訪ねておいで」

「はい!ありがとうございます!」


「あ、そうそう今日の手伝いだけど、境内の横の方に行ってごらん」

「わかりました」


俺とコムギはサツキさんに言われた場所へ向かった。

そこには、3人の捩り鉢巻きをしてはっぴを着たお爺さん達が大きな声で言い合いをしていた。


「そうじゃねえ!こっちじゃろ!」

「何だ!この間はこっちだって言ってたじゃねえか!」

「俺はこっちだと思うんだかなぁ〜」


何だか声がかけづらくて、コムギを見ると、コムギは腰に手を当てて息を吸い込んでいた。

俺は咄嗟に耳を塞いだ。


「ストープッ!」


お爺さん達がビクリとして止まったあと、こっちを見てきたので、俺はちょっとコムギの後ろに下がってしまった。


「な、なんじゃ?」

「誰だお前さんたちは」

「びっくりしたわい、危うくあっちに行きかけた」


落ち着いた、お爺さん達が


「私達、サツキさんに言われて祭りの手伝いにきたんです」

「あー、なんか手伝いが来たっちゅうとったな」

「あのチャラチャラしたヤツの紹介じゃろう、ユキちゃんにええカッコようと張り切って受けよったからな」


ロイさんの事だよね……


「それで、お爺さん達は何揉めてたんですか?」

「おお!そうだった!」

「この神輿に結ぶこの飾りなんだが、毎年色が変わってな、今年は何だったかと」

「じゃから、ワシは青だと言っとるじゃろ!」

「いや!黄色だ!」

「緑じゃなかったかの〜」


またお爺さん達が揉め始めたので、コムギが慌てて為に入る。


「お、落ち着いて下さい」

「ちょっとちょっと!ストップ!もう!そんなのサツキさんにでも聞いたら良いじゃないの!」

「おお!そうじゃそうじゃ!」

「ならお前さん達聞いてきてくれ」

「もう!しょうがないわね、ツカサ!サツキさんに聞きに行きましょう」

「うん」


俺とコムギはサツキさんの所へ行き、事情を話した。


「やれやれ、いつもあの人達はそうなんですよ。まぁ、私の父の友人でアレこれやってくれて助かってはいるんですけどね……なにぶん元気すぎて」


苦笑いをしてサツキさんは答えてくれた。


「飾りの色でしたね、今年は赤ですよ……」

「赤……」

「みんな違うじゃない」

「頑固で煩いですが、良い方達なので」

「分かりました。ありがとうございます」


俺達はお爺さん達のところへ戻って報告した。


「聞いてきました!」

「で、何色だって?」

「赤です!」

「「「……」」」


お爺さん達はスッと神輿の周りに行くと、何もなかった様に作業を開始した。


「そら、飾りつけを始めるぞ!」

「ほれ!お前さん達も手伝え」

「これをそっちじゃ!」


なんか、手伝う前から疲れた気がする……


俺とコムギは時折り始まるお爺さん達の言い合いを諌めつつ、手伝いを頑張った。


明日は祭り本番か、楽しみだな……

よろしければ是非、ブックマーク、評価をお願いいたします!


他にも、投稿しておりますので、ちらも読んで頂ければ幸いです♪


感想も頂ければ幸いです。

これからもどうぞ宜しくお願いします。


最後まで読んでいただきありがとうございました!

少しでも楽しんでいただけたなら嬉しいです!

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