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異世界の王女は現代で異世界の夢を見るか  作者: うあこ
第三章 二人の王女と異世界探検
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侵入不可領域

侵入不可領域


 各々がスタート地点である、セントラル中立区域付近まで戻った来た。ここからアビスカルドの首都までのルートは1つしかない。中心に近い場所にある首都まで、およそ20マス。

「本来、アビスカルド領は入ることはできぬ。環境は過酷で、気性の荒い奴らが多いからの。わしの記憶を元に再現しておる」

そう言えばカルミラは吸血鬼だったなと今更ながらに思い出す。

「なるほど、だからルートが1つしかないのか」

「多分チャレンジも魔の森と同じく過酷なんだぞ……」

『こわい』

あまり入りたくはないな……だがそうも言っていられない。まぁ死にはしない、死ぬほど痛いかも知れないけど、努力はしよう……

「まぁまずは私の手番よ」

サイコロを転がす。出目は『4』。

景色が変わる。ひび割れた大地には草一本生えていない。カラカラの大地があるのみだ。

『チャレンジマス!』

『襲い来る魔族を撃退せよ!』

カルミラのように黒い衣装に身を纏う吸血鬼や、鱗に全身覆われたリザードマン、果てはうさ耳の女の子までいる。

「あの獣人?の女の子まで襲ってくるんだ」

魔族とはそこまで好戦的なのだろうか。

「ゲームの仕様じゃろ。戦争以降は喧嘩を吹っ掛けてきたりはよくあるが、本格的に争う事は禁止されておるでのう」

「色々と決まり事ができたのよ、戦争が終結した時にね。草案を作ったのも、なんと当時の賢者だと言われているわね」

戦争を境に、言葉の壁を無くし、お互いに歩み寄れるように様々な制約を課し、生活しやすいように仕組みや魔道具を作っている。何者なのだろうか、賢者という人は。

そう言ってる間にも魔族たちがフィオナに今にも襲いかかろうとしている。

「まぁ、これくらいなら!」

石の槍を放ち、リザードマンを吹っ飛ばす。更に眩い光を放ち、吸血鬼が苦しみだす。獣人の女の子は腕を回し、グルグルぱんちをフィオナにお見舞いしているが、頭を押されて届いていない。漫画のようだ……

「そういえば、メイジスケルトンやリッチは杖を使っていたけど、フィオナは使ってないね」

「杖ではないが、腕輪をしておるんじゃ。袖に隠れて見えんじゃろうが」

よく見ると、フィオナの腕からチラッと光る物が見えた。あれが腕輪なのだろう。

「杖のように、魔法を強化する魔道具なんだぞ」

杖の役割は魔法の強化らしい。あれかな、INTを上げる的な。

リザードマンと吸血鬼はその場に崩れ落ち、獣人の女の子は涙目で白旗をあげた。何のためにあの子は来たのだろうか……

『CLEAR!』

『魔族たちを退けた!魔族たちはお金を落としていった!プラス6万R!』

「結構大きい額ね、目標に大きく近付いたわ!」

綺麗な笑顔で喜ぶフィオナ。見ていると俺まで嬉しくなる。

「じゃあ俺の番だね」

サイコロを転がす。出目は『5』。

景色が変わり、簡素な建物が建ち並ぶ村の中に移動した。それなりに活気はあるらしく、多種多様な魔族が歩いている。大きな魔物らしきものを抱えて建物の中に入っていく魔族たちがちらほら見える。

「ここはザルド村じゃ。魔族の主な収入源は、アビスカルドに生息する凶悪な魔物の素材による売却益になる。魔物は各村や街で捌かれて1度中央にある首都に集められるのじゃ」

「貴重な素材が多くて、魔道具に使われたり薬の材料になったりするわ」

「強力な魔道具を作るには欠かせないんだぞ」

それぞれから説明を聞き、上手く経済が回っているんだなぁと感心してしまう。

『チャレンジマス!』

『魔物の解体に挑め!綺麗に解体できたら成功!』

「また無茶な……」

当然解体なぞやった事がない。

「まぁ教えてやるからやってみるんじゃ。何事も経験じゃぞ?」

ほれ、と解体用のナイフを受け取る。運ばれてきた解体する魔物は、大きな牙の生えたイノシシのような姿をしている。

「クレイジーボアね。荒れ狂ったように突進してきて、避けようとすると凄い反応速度で追ってくるらしいわ」

「すごく器用なイノシシなんだね」

猪突猛進という言葉は、このイノシシには通じないらしい。俺はカルミラに都度聞きながら、ナイフを入れていく。

綺麗に皮を剥ぎ、骨と骨の間にナイフを丁寧に入れていく。

「おお、いい調子じゃ」

時間をかけ、丁寧に丁寧に……

「出来た!」

とても時間はかかったが、比較的綺麗に捌く事が出来た。

「よくやったぞ、弟子よ」

「ありがとうございます師匠!」

冗談のようなやり取りに、ルッカが腹を抱えて吹き出した。

『CLEAR!』

『無事に捌ききった!手間賃としてお金を受け取った!プラス5万R!』

資金はマイナス8万Rなので、増えてもまだマイナスなのだが、それでも嬉しい。

その時、それまで背後に佇んでいたマグノリアが颯爽と捌いた魔物の前に行き、じろじろと眺めている。

「なんとも不味そうなお肉ですこと。こんなの人間の食べるものではないわ!」

吐き捨てるようにそう言うと、なんとそのまま地面に叩き落とした!

「汚物は消毒ですわ!」

「えええ!」

『マグノリアがお肉をダメにした!弁償金として2万Rを支払った!』

「ダメだこりゃ」

食べ物を粗末にしては、いけません。

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