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異世界の王女は現代で異世界の夢を見るか  作者: うあこ
第三章 二人の王女と異世界探検
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マグノリア

「次の目的地だぞ!」


 再びドラムロールと共に、全員の前に表示された地図に書かれた地名が点滅を繰り返す。そして点滅が止まり、ひとつの地名が表示される。


「アビスカルド……魔族領の首都ね」


「魔王が直接治めておる都じゃの。それ以外の街になると、先程も言ったが魔王の力も届かん事がある。好戦的なのもおる、気をつける事じゃの」


 目的地がアビスカルドである以上、魔族領に入るのは決定だ。どうか危ない目には会いませんように、と祈ることしか出来ない訳だが。


「妾の旅の共はお主か」


 背後から誰かに話しかけられて、ビックリしながら振り返ると、そこには漫画で見るような綺麗な茶色の縦ロールに、煌びやかな水色のドレスを身にまとったお嬢様が立っていた。


「何をぼさっとしていらっしゃるの?私をエスコートなさるのでしょう?しっかりして頂けないと困りますわ」


 やれやれと扇子で口元を隠しながらそう言うお嬢様を見て、事態を理解した。


「もしかして、マグノリア……さん?」


「様でしょ!立場ってものをわきまえなさい!」


 貧乏神のマグノリアだった。でも、おかしい。マグノリアはルッカに憑くはず……


「凪、ごめんなんだぞ」


『身代わりのカードを使用しました!ルッカの身代わりとして、凪にマグノリアが憑いた!』


「なんで俺なの!?資金に余裕のある人にして欲しかったな!?」


「ランダムなんだぞ……」


 絶対偏ってると思う、こういうゲームのランダムって。


「よし、振るんだぞ!」


 ルッカがサイコロを振って進む。アビスカルドはミルヴァン小王国とは正反対の場所なので、自ずと引き返す事になる。


『イベントマス!』

『穴に落ちそうになっていた小人たちを助けた!お礼を貰った!プラス6万R!』


「あれ、金額多くない?」


「ゲームが中々進まん事もあるでの、調整しておる。後半になればなるほど、少しづつ増減する金額の幅がおおきくなっていく仕様じゃ」


 なるほど、確かにこれなら逆転の可能性だって見えてくる。運次第なのがアレだが。


 続いてフィオナがサイコロを振り、同じように来た道を戻る。イベントマスに止まり、マイナス4万Rという結果に終わった。


「これ本当に目標達成できるのかしら……」


 運次第では永遠にこのゲームの中に閉じ込められるのでは?という指摘に俺は震えた。怖すぎる。


 俺の手番、サイコロを転が……そうとして、マグノリアに奪われた。


「え、ちょ」


「わたくしが振って差し上げますわ。わたくしの有難い心遣いに咽び泣きなさい」


 高笑いしながらサイコロを転がすマグノリア。サイコロまで勝手に振られるのか。出目は『1』。


「急いでもロクなことありませんわ、これで正解なのですわ〜!」


 この貧乏神が凶悪すぎる……。周りの景色は、小さな小人たちの集落のようだ。


『イベントマス!』

『お腹を空かせた小人たちに料理を振舞った!感謝の印として2万Rと、アイテムを貰った!』


 ここで初めてのアイテムカードを手に入れた。内容は、後のお楽しみという事にしておこう。


「なんとまぁ小さな集落ですこと。こんな集落では娯楽なんてとても望めませんわ!」


 あちこち集落の中を歩き回っては小人たちを怯えさせている。が、気にする素振りもなくあちこち覗いていると、ふいにこちらを振り返った。


「ここにお店がありますわ!お買い物をさせていただきますわ!」


 マグノリアが何かを手渡す仕草をして、代わりに何かを受け取った。


「便利そうなものを買ってきましたわ!感謝しなさい!おーほっほっほ!」


 背を反らして扇子で口元を隠しながらこれまで以上に高笑いをする様子を見て、はぁとため息が漏れた。


『マグノリアが勝手に買い物をした!』

『アイテムを手に入れた!代わりに5万R失った!』


 現在資金マイナス8万R……厳しい、厳しすぎる。だが一気に2枚もアイテムカードを手に入れた。これで逆転を狙うしかない。


 とにかく、マグノリアがいるだけで一気に勝機が遠のく。早くおさらばする為にも、誰かが目的地に到着し、尚且つ自分が最下位を回避する必要がある。


『ぼくのばん!』


 イーリンが元気にホワイトボードを掲げる。一人称ぼくなのか。性別とかあるのかな……のほほんと考えていると、イーリンがサイコロを転がして移動していた。イベントマスに止まり、4万Rを獲得する。


「イーリンは順調だね……」


「優勝の大本命じゃの」


「豪運過ぎるんだぞ……」


「まぁまだ勝負は分かりませんわよ」


 4人それぞれの感想が口から零れる。現在までに獲得した資金は圧倒的である。


 ルッカの手番、サイコロを振り、来た道を戻る。イベントマスで4万Rを獲得した。その後、アイテムカードを使用しながら5巡ほどかけてスタート地点であるセントラル中立区域付近にまで、資金が増減しながらも全員が戻ってくる事ができた。ここからアビスカルドの首都を目指す事になる。


 ちなみに、道中で派手にマグノリアに散財され、アイテムカードがまた1枚手に入ったものの、資金はマイナスに転じていた。キツイ……


途中経過


目的地 アビスカルド首都


フィオナ  資金18万 アイテム1

凪  資金マイナス8万 アイテム2

イーリン  資金32万 アイテム1

ルッカ  資金16万 アイテム1

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