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異世界の王女は現代で異世界の夢を見るか  作者: うあこ
第三章 二人の王女と異世界探検
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地獄絵図

フィオナの出番、張り切ってサイコロを転がす。出目は『4』。

「不味いわね、中々差が縮まらないわ」

ルートによっての目的地までの距離がじわじわと効いている。俺は魔の森を抜けた以上、他のルートと危険度は大差ないはずだ。


 景色が移り変わる。どこかの関所のような場所にフィオナが立っている。

「グラン王国領とミルヴァン小王国領との国境じゃな。犯罪歴のあるものや、企てるような輩は魔道具によって判別されて渡れなくなっておる」

便利だな魔道具。平和の維持の為には必要なのだろうけど。


『イベントマス!』

『国境を無断で抜けようとするならず者を捕まえた!プラス2万R!アイテムを見つけた!』


「これは……」

フィオナがアイテムを見て驚いている。

「何かいいアイテムでも出た?」

「ふふ、秘密よ」

聞いたが教えてはくれない。まぁわざわざ手札を教えたりはしないか。


 次は俺の番だ。サイコロを転がす。出目は『2』。そう連続でいい数字は出ないか。


 景色が小人族の街から広い牧場のような場所に移る。そこにはたくさんの羊のような、ちょっと違う生き物がいた。

「ヴァリアントシープじゃ。一匹ずつ微妙に色が違うじゃろ?一匹として同じ色のヴァリアントシープは存在しないと言われておる」

このヴァリアントシープ、温和な性格なのか大人しく牧草を食べている。

「すごく大人しいね。魔物ではないの?」

「魔物ではないわ。魔物とは、人に危害を加える生き物をまとめた呼び方で、それ以外は生物と分類されているわ」

「ヴァリアントシープはミルヴァン小王国領の一部にしか生息していないんだぞ。小人たちは育てて毛を分けてもらってるんだぞ」

共生関係を築けているようだ。羊から毛を貰って糸を紡ぐ姿を想像するとホッコリするな。


『イベントマス!』

『小人と一緒にヴァリアントシープの毛繕いをした!お手伝いのお礼を貰った!プラス1万R!』


 1万Rだけかーとすこしガッカリする。周りはアイテムも入手し始めている。少し出遅れているのかもしれない。


 続いてイーリンがサイコロを振る。出目は『4』。

イーリンのいる場所がお城の中に変わる。豪華絢爛な刺繍の入った家紋のような模様のある幕が飾ってある。

玉座には王冠を頭に被った貫禄のある、いかにも王様であろう男が座っていた。


『イベントマス!』

『功績を打ちたて、爵位を得た!男爵位の称号と、プラス3万R!』


「爵位ってなんか意味があるの?」

「多分特にないんだぞ」

無いのか……。だが、イーリンは心なしか偉そうにふんぞり返っているように見える。ちょっと嬉しかったようだ。

「ちなみにリュクシア王国ではバカ高いお金を納めることで爵位が買えるわ。そしてリュクシア王は娘に激甘よ」

リュクシア王の娘とはすなわちマグノリアの事だ。金を集めて、そのお金で娘は贅沢三昧していると……滅びないか?大丈夫か人間。


「2以上で森を抜けるんだぞ……2以上、2以上……」

必死に祈りながら、手番となり現れたサイコロを転がすルッカ。


『1』


 現実は無情だった。もう残念がるとかでもなく、無表情になっている。


『チャレンジマス!』

『洞窟の奥にいる、要救助者を助け出せ!』


 森の中、ルッカの目の前に岩山に空いた大きな洞窟がある。

「絶対クリアしてやるんだぞ」

1ターン休みになっていたルッカはここで遅れを取り戻そうと必死の顔で洞窟の中へ入る。腰からハンマーを取り出すと、ハンマーが一気に大きくなる。

「頑張って!大きな怪我だけはしないように気をつけて!」

俺はなんとか無事にイベントが終わる事を祈った。

「大丈夫なんだぞ!危なくなったら出来るだけ即死出来るようにするんだぞ!」

全然大丈夫じゃなさそう。


「全部ぶっ叩いてやるんだぞ!」

両手でハンマーを担ぎ、いつでも殴れるように警戒しながら進む。


 すると奥から物音がして、ルッカが一瞬ビクッと固まるがすぐにハンマーを正面に構える。

「いつでも来るんだぞ!」


 現れたのは、ローブを纏った骸骨。杖を持っている。

「メイジスケルトンじゃな。魔法を使うが、骨じゃし物理で殴ると一瞬じゃな」

メイジスケルトンが魔法を使おうと杖を掲げて呪文を唱え出す。が、ルッカは魔法が発動する前に前に一気に駆け出すと、まとめてハンマーで吹っ飛ばした。

「おー、すごい!」

「楽勝だぞ!」

相手が良かったのもあるだろうが、あっさり勝てて良かった。大怪我だけは避けて欲しい。


 更に奥へ進むと、洞窟内を照らしていた壁掛けの松明がふっと消える。

「あの松明ってどういう仕組みなの?洞窟にはある物なの?」

人の手の入っていなさそうな洞窟だ、松明の火が自然と燃え続けるはずはない。

「おそらくゲームの仕様じゃろう。本来は松明なぞないからのう」

流石にそうだよな、と納得しているとルッカの目の前を何かが横切るのが見えた。真っ暗でなにも見えない。ルッカは腰の工具入れのようなものから懐中電灯のような道具を取り出すと、前方を照らした。

「出てこいだぞ!」


 影から姿を現したのは、明らかに生物では無さそうな、ふよふよと浮かぶ亡霊だった。

「おー、リッチじゃな。久しぶりに見るのう。見た目通り物理は無効じゃ。ご愁傷さまじゃのう」

「こんなの聞いてないぞー!」


 リッチが大きな杖を掲げ、火の槍を放ち地面が溶ける。水の玉を打ち出し壁がえぐれる。そして雷を落とし、岩が焦げる。

「ルッカーーー!!」


 とても見せられる映像では無かった。


 3巡目終了


フィオナ 残り16マス 資金18万

凪 残り10マス 資金13万

イーリン 残り16マス 資金19万

ルッカ 残り14マス 資金8万

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