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異世界の王女は現代で異世界の夢を見るか  作者: うあこ
第三章 二人の王女と異世界探検
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イーリンって強いんだ

結局、俺は3万Rを失った。それ以上のダメージを心に負ったのだが。


「実際小人族って大丈夫なの?あんなに小さくて、魔物に襲われたら街なんてすぐに潰されちゃわない?」

実際、捕食者と非捕食者の関係ではないのかと問う俺に答えたのはカルミラだ。


「昔はよく食われておったがのう。戦争が終結し、世界に平和が訪れた時に賢者が小人族にある魔法を授けたのじゃ。非常に強力な、姿隠しの魔法をの」


「小人族の街を見つける事はまず不可能よ。見えないし気配もしないのよ。実際国のどこに街や都市があるのかは小人以外に知るものはいないわ」


姿の見えない、まるで妖精みたいだなとフィオナの補足を聞いて思った。


「そんな見えもしない街をよくゲームに組み込めたね」


「わしは戦前から生きておるからの。場所は都度逃げ惑っておるので変わるのじゃが姿形は見た事があるでの。わしの知識も反映されておる」


どうやらカルミラはフィオナやルッカよりはるかに長く生きているようだ。見た目だけではとてもそう見えないが吸血鬼だしな。


 そしてイーリンの手番。先程は収穫されて凹んでいたイーリンだが、次こそは!と意気込んでいる様子だ。


『ふんすっ!』

ホワイトボードにわざわざ書いて腕を腰に当てている。


「頑張れイーリン!」

「頑張りなさい!」

「頑張るんだぞ!」

「頑張るのじゃ!」


皆でイーリンに声援を送る。カルミラ以外の皆にとっては対戦相手でもあるのだが、暖かく見守ろうというような空気が漂っている。


サイコロを転がす。出目は『6』。


「イーリンは出目がいいのう」

イーリンは嬉しそうに頭を振っている。


景色が入れ替わる。イーリンの周囲が農村から、洞窟の入口に変わる。


『チャレンジマス!』

『初級ダンジョンを攻略せよ!』


「ふむ、サンドラの街と農村の間にある小規模ダンジョンじゃな。そこまで強い魔物はいなかったはずじゃ」


カルミラの説明にホッとするが、それ以前にイーリンは戦えるのか?大根だしな……


「棄権とか出来ないの?流石にイーリンに戦うのは厳しいんじゃ……カルミラ、俺のサポートは嬉しいけどイーリンのサポートもお願い出来ないのかな」


「棄権は出来ないぞ、まぁイーリンなら大丈夫だぞ」

「そうじゃのう、まぁ大丈夫であろうな」


2人がそう言うが、どの辺が大丈夫なのかは謎だ。


「まぁ見てなさい。本当に大丈夫だから」


「フィオナまで……」


不安しかないが、3人が自信ありげに言うので信用することにした。


「頑張れ、イーリン!」


『今度こそよゆう!』


イーリンはしっかりした足取りで中へ入っていった。


最初に出てきたのはスライム。ポヨンポヨンと揺れながらイーリンに体当たりするが、腕をシュン!と走らせるとスライムが真っ二つになる。


「え、すご」


次々とスライムを真っ二つにしていくイーリン。その光景に、俺はあれ?とちょっとした疑問を抱いた。


「ねぇカルミラ、カルミラの仲間にスライムがいたよね?魔物なの?」


「本来スライムは魔物なのじゃが、ゼラは例外じゃ。魔物と魔族の違いは大まかに言うと、会話が成り立つかどうかじゃ。翻訳の腕輪を使う事で、言葉という概念を持つ者となら例外なく会話することが出来る。逆に出来ないものが魔物、という訳じゃ。スライムに本来言葉はないが、ゼラだけは会話する事ができる。簡単に言うと特殊個体じゃ」


へーと納得している間にも、イーリンはどんどん進んでいく。


スライムから始まりキラーバット、ポイズンリザード、スケルトンと現れては倒されていく。


「飛びながら音波を出して攻撃してくるコウモリ、毒トカゲ、骨ね」

すごく端的ながら分かりやすい説明だ。


「ボス部屋なんだぞ!」


目の前に、大きな装飾付きの扉が現れた。イーリンが開けると、その目の前には巨大なラフレシアのような植物が鎮座していた。


「アビスフロラーじゃな。表皮は固く、打撃攻撃に強い。口から吐き出す溶解液は骨をもドロドロに溶かしてしまうのじゃ」


恐ろしい説明に身がすくむ。さっきから手刀のような攻撃で敵を倒していたイーリンだが流石に厳しいのではと固唾を飲んで見守る。


『くらえ!』


器用にホワイトボードでアピールしながら、腕を前にかざす。すると、腕の先から巨大な火の玉が現れてアビスフロラーを焼き払った!


「ええ!?イーリン魔法使えるの!?」


「何故か魔法回路を持っていたのよね。少し教えたら使えるようになって私もびっくりしたわ」


「でも、起動呪文は……?」


「謎よ」

「謎じゃな」

「謎なんだぞ」


もしかして口がないように見えるだけで存在するのだろうか?


『CLEAR!』

『お宝を見つけた!プラス7万R!アイテムを見つけた!』


ここで初めてのアイテムが出現した。


「アイテムカードだぞ。内容は獲得した本人にしか分からないぞ。自分のターンならいつでも使用できるんだぞ」


危険なゲームではあるが、どんどん楽しくなってくる。最初は硬かったフィオナの顔も、今では柔らかい。ルッカは1回休みなのでここで2巡目が終了した。


途中経過


フィオナ 残り20マス 資金16万

凪 残り12マス 資金12万

イーリン 残り20マス 資金16万

ルッカ 残り15マス 資金10万

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