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異世界の王女は現代で異世界の夢を見るか  作者: うあこ
第三章 二人の王女と異世界探検
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レーティングは大丈夫か?

「はっ!?」

フィオナの出番になった瞬間、今まで動けなかったのが嘘かのようにガバッとフィオナが起き上がった。

「気持ち悪くないわ!体が軽いわ!」

軽快にジャンプして、腕を振り回すフィオナを見ながら、酒は飲んでも飲まれるなという言葉が頭をよぎる。良い子は飲み過ぎないようにしよう。


目の前に現れたサイコロをフィオナが転がして、出目は『3』。

景色が移り変わる。周りが岩に覆われた、採掘現場のような場所にツルハシや一輪車のようなものが転がっている。


「ドワーフといえば、と言える場所じゃの。この世界の鉱石資源の9割はドワーフが掘っておる」

ぱないなドワーフ。


『イベントマス!』

『大量の鉱石を掘り当てた!プラス8万R!』


ゲームを初めてからのフィオナが楽しそうにしているのを、俺は嬉しくなって見ていた。徹夜してまで仕上げてくれたルッカに、心の底から何度でもありがとうと言いたい。「やったわ!」と笑顔で喜ぶフィオナはとても魅力的だ。


「運がいいのう、このままじゃとすぐに目標金額まで到達しそうじゃのう」

怪我をするとダメージを受ける仕様上、さっさとゲームを終わらせるのは正しいとは思うが、せっかくゲームとはいえ、異世界を探索できるのだ。なんだか勿体ない気もする。


「増えてもまた減ったりするんだぞ。下手したら永遠に終わらずにゲームの中に閉じ込められて……」

ルッカが怖がらせようとするような悪い表情でふっふっふっと笑う。


「中断セーブとかは……」

「ないんだぞ。現実と時間の流れは断絶してるんだぞ、気にせず遊べばいいんだぞ」


つまりいくら遊んでもゲームから出た時には時間の経過がないと。本当にすごいな。


俺の出番になり、現れたサイコロを転がす。『6』。


魔の森の入口から場所が移り変わる。そこは森の中では無かった。目の前には街が……街のはずなのだが、縮尺がおかしい。まるでジオラマを見ているようだ。とてもでは無いが街の中には入れなさそうだ。


「一気に森を抜けたんだぞ!凪は運がいいぞ」

どうやら危険ゾーンを突破したようだ。その場所にちなんだイベントやチャレンジがでる傾向があるようだし、前回のように危険な目に合う可能性は減るだろう。少し安堵する。


「小人族の街ね、見るのは初めてだけれど。小人族は裁縫が得意なのよ。ほら見て、たくさん集まっているわよ」

よく見ると、街の中に10cmほどだろうか。小人たちが集まってせっせと働いている。大きな広場のような場所で、繊維の塊から糸へと紡いでいく。


「ほーすごいね」

童話の小人も夜中に靴を作ったりしているし、勤勉な働き者というイメージがある。小さな姿で頑張る様子は、とても応援したくなるものだ。


『イベントマス!』

『小人の街を襲う魔の手から、小人たちを守りきれ!』


景色はそのままに、魔の森があるであろう方向から無数の蟻が走ってくる。


「うわぁぁ!」


「ナイトメアアントじゃな。奴らは小人が大好きでのう。度々小人の集落を襲っては貪る姿はまるで悪夢のようじゃて……」


「聞きたくない!その情報はいらない!」


カルミラのおぞましい話を聞いてしまい、思わず耳を塞ぐが時すでに遅し。


小人たちが泣きながら「逃げろー!」「食われるのいやー!」とあわてふためきながら逃げ惑っている。


「ほれ、絶対貫通槍」

再び渡される槍。ゲームとはいえ、スプラッタシーンは断固として阻止したい。


「うおおおお!こんなのばっかりだけど、殺ってやる!」


魔の森で襲いかかってきた魔物よりは比較的マシなのか、それほど苦労することなくザシュッ!と串刺しにしていく。


「凪はなかなかやるんだぞ。鍛えれば立派な戦士になれるんだぞ」

別に戦士になりたい訳では無いけどね!と心の中でツッコミながら蟻を蹴散らしていく。


その時、視界の外から回り込んだ蟻が街へ乗り込み、街を覗き込んでいるのが見えた。


「まずい!」


慌てて駆け寄るが、蟻は素早く街の中へ頭をヒョイ!と覗かせて、頭をあげると口の中に小人が咥えられている。


「く、間に合え!」


槍を構えて突進するが、蟻は1度空中へ小人を放り投げ、そして―


グシャ!バリバリ!


辺り一面に、血が吹き出した。


俺は思わずその場に膝をついて、その場におえー!と吐いてしまう。一体、誰がそれを責められるというのか。


フィオナは青い顔で嘔吐いているし、ルッカは惨状を直視するのを免れたのか、目を閉じて耳を塞ぎ「あーあー」とか言ってる。イーリンは顔が劇画調になってるし、カルミラですら嫌そうな顔をしている。楽しいゲームのはずが、目の前に広がるのは地獄であった。軽くトラウマになりそうになった。

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