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第8話 ダンジョン実習

「どんなとこだろー?」

 私、コムギーノ・カホ! 14歳!

 ド田舎育ちのパン屋の娘で、チコク魔法学校2年生!

 詳しくは第1話を見てね!


【説明しよう!

 ここ、チコク魔法学校は――


 天才魔法使い!


 魔法IQ205のクイズ王!


 シリーズ累計1000万部突破『魔法のスパイス』の著者!


 など!


 数々の有名人を輩出している由緒正しき魔法学校である!】


 今日はダンジョン実習の日!

 お宝いっぱい見つけるぞー!


「ではこれから3人1組でパーティを組んでダンジョンに入ってもらいます。

今回のパーティは成績からバランスを考えて、学校側で決めてあります」


 先生は魔法でみんなが見えるようにウインドウを開いた。

 私は……ヘンリーくん、モーブくんとパーティだ!


「カホさん、モーブくん、よろしくお願いします」


「よろしくー!」


「よろ」


 学年で1番強いって言われてるヘンリーくんとパーティなんて!

 ラッキー!

 軽く挨拶したあと、ヘンリーくんが口を開いた。


「では魔物が出てきたときのことを考えて、まずは隊列を決めましょう」


 隊列?

 みんな魔法使いだし一気に魔法でやっつけたらいいんじゃないの?


【説明しよう!

 魔法使い、弓使いのような後衛職は少なからず!

 詠唱!

 矢のセット!

 等!

 行動までにタイムロスが発生するのである!

 前衛職が敵の攻撃を引き付けることによって――

 後衛職はその力を最大限発揮することができるのである!】


 あっ、そっか!

 カホはなぜか納得した。


「特に希望が無ければ僕が前衛を引き受けますので、カホさんとモーブくんは後方から魔法でサポートをお願いします」


 んー……でも学年1位のヘンリーくんが魔法使ったほうがいいんじゃ?


「んー……でも学年1位のヘンリーくんが魔法使ったほうがいいんじゃ?」


 あっ! モーブくんが聞いてくれた!


「いえいえ、僕は拙いながら魔法剣が使えます」

「それに、女性を危険にさらすわけにはいきませんから」


 メガネをクイッと上げ、ヘンリーくんは微笑んだ。


 かっこいー!

 私もそんなセリフ言いたーい!


「今日はダンジョン2階層へ続く階段まで到着次第、ワープ床から帰ってきてください。

準備ができたパーティから入場してくださいね」


 先生の言葉でみんなダンジョン入り口へ向かう。 


「では、僕たちも行きましょう」


 窓口でギルド証を見せるとまず

 ダンジョンマップ

 ポイントカード

 を受付の人がくれた。

 入場料300円は学校が払ってくれてるみたい!

 そして私たちはヘンリーくんを先頭に、ダンジョン内部へ1歩踏み出す……。

 涼しー!

 ここがダンジョンかー!

 飛騨大鍾乳洞みたい!

 観光気分でダンジョン内を歩いていたそのとき!


「魔物です!

戦闘準備を!」


 スライムが あらわれた!


 よーし、はじめての戦闘がんばるぞ!

 そのとき、ダンジョンに入る前の出来事がカホの頭をよぎる――


 『それに、女性を危険にさらすわけにはいきませんから』

 ……私もそんなセリフ言いたーい!


 ここだ!

 ここでかっこいいセリフを――


「下がって!」


 私はヘンリーくんを突き飛ばし、前衛に出る。


「ここは私が食い止める!

……みんなは先に行って!」


 決まったー!

 少しニヤニヤしながらヘンリーくんに振り向く……あれ?

 そこにいるはずのヘンリーくんの姿はなかった。

 代わりに、ダンジョンの奥深くまで続く、

 先が見えないほど長ーーーーーい人型のトンネルが出来ていた。


「カ……カホ……ちゃん……?」


 モーブくんはガタガタ震えながら私を見てる。


「え!?

なになに!?」

「もしかして私、またやっちゃったー!?」


【その後、混乱しながら帰宅したモーブくんはぐっすりと眠ることにした。

 そして見事に現実逃避は成功し、翌日にはダンジョン実習の記憶がすっかり消えていたという。】

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