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第6話 魔物の集落

「ここどこー!?」

 私、コムギーノ・カホ! 14歳!

 ド田舎育ちのパン屋の娘で、チコク魔法学校2年生!

 詳しくは第1話を見てね!


【説明しよう!

 ここ、チコク魔法学校は――


 天才魔法使い!


 握手19時間待ちアイドル魔法少女!


 登録者350万人の炎上中魔法系インフルエンサー!


 など!


 数々の有名人を輩出している由緒正しき魔法学校である!】


 今日は学校近くの森に入ったら迷っちゃった!

 どうしよー!

 こんなときは高いとこから……この山の上から見渡せば……ぴょん!

 頂上到着★


「空気おいしー!」


 そして標高3000メートルの山の上から見渡すと、


「あっ学校! 近ーい!」


 ちょっと跳んだらすぐ学校までいけそうだ。

 私はそのまま跳ぼ……ん?


「なんか……近くで声が聞こえる……?」


 行ってみよう!

 声のするほうへ歩いてみると、


「あれは!」


 緑の魔物さんと犬の魔物さんがケンカしてる!

 止めなきゃ!


「ケンカはデャメぇえッッ!」


 あっ! 声裏返っちゃった!

 ……。

 って、犬の魔物さんがみんな寝た……?


【説明しよう!

 犬の魔物……コボルドは!

 非常に聴力が優れているのである!

 カホが発した声が裏返ったことで超音波が発生!

 その音波にコボルドは耐えられず――

 気絶したのである!】


 疲れて寝ちゃったのかな?


「「「わーーーー!!」」」


 緑の魔物が一斉に大歓声をあげた。


「やっと……安心して暮らせるのね……」


「今のうちにコボルドどもを拘束しろー!」


 すると1体の年老いた緑の魔物が近づいてきた。


「私たち、見ず知らずのゴブリンを救っていただき、ありがとうございます」


 あっ! ゴブリンさんなんだ!


「あなたは村の救世主でございます。

このご恩はお返しできるものではありませんが……ぜひおもてなしをさせていただきたい」


 よくわかんないけど、解決したならいいか!

 そのまま広場へ案内され、中央にあるふかふかな椅子に座る。

 すると、すぐに大量のフルーツが運ばれてきた。

 すごくおいしそう!


「救世主様のお口に合うかわかりませんが……どうか楽しんでいってください」


 その後、

 ダンスステージ

 お笑いライブ

 ビンゴ大会

 等、たくさんの催し物が行われた。

 おもしろーい!

 私が演者に拍手を送っていると、


「救世主様」


 おじいちゃんゴブリンさんが声をかけてきた。


「無理な相談とは思いますが……お気に召しましたら、この村に住んでいただけないでしょうか?」


 引っ越しかー!

 んー……。

 みんないい人たちだし、楽しいし……。

 ビンゴ大会で、スーパー銭湯『ゴブリンの湯』の入浴無料券10枚綴りも当たったし……。

 それに、今のアパートより学校までずっと近いし!

 いいかも!


「いいよー!」


 ゴブリン達は大喜びした。


「これでこの村も安泰だ……」


 喜んでくれてよかった!


「あんなにもお強く、この凄まじいオーラ。

さぞ、高名なお方なのでしょう。

救世主様のお名前を教えていただけないでしょうか?」


「コムギーノ・カホだよ!

おじいちゃんは?」


「いえ、私たちには名前などありません」


「えー!?

そうなの!?」


「魔族で名前を持つのは基本、ドラゴン族やデーモン族のような上位種だけなのです」


 それは不便だなー……これからはご近所さんだし……。

 そうだ!


「じゃあ『きよし』って呼ぶね!」


 おじいちゃんはギョッと驚いた。


「カ、カホ様にお名前をいただけるとは……天にも昇る幸福……」


 その直後、ゴブリンたちが私の前に殺到してきた。 


「私もお願いします!」


「僕も!」


「おい、俺が先だぞ!」


 みんな名前欲しかったんだ!

 やっぱりないと不便だよね!


「じゃあ並んで!

順番に決めるね!」


 んー……。


「さゆり!」

「田中!」

「ジョン!」

「炊飯ジャー!」

「混沌の堕天使(かおり)!」


 ……。

 ……。

 全員に名前を付け終わったそのとき。


「お……おおお!」


 バツーン!


 ゴブリンたちは全員、高さ10メートルを超える巨体へと変化した。


「「「うおーーーー!!」」」


 叫び声であたりに地響きが起こる。

 巨大化したゴブリンに押しつぶされ、村の建造物は壊滅してしまった。

 しかし、強くなったゴブリンたちはそんなこと気にもとめない。

 

「カホ様の御力だー!」


 えっ、私!?


「もしかして私、またやっちゃったー!?」


【そうして数日後。

 チコク魔法学校のすぐ近くの山頂に『魔王城ができた』という噂が国中を駆け巡った。】

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