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第44話 大罪

犯罪!だめ!ぜったい!

 私、コムギーノ・カホ! 14歳!

 ド田舎育ちのパン屋の娘で、チコク魔法学校2年生!

 詳しくは第1話を見てね!

 でも第3話を見たほうがわかるって意見もあるよ!


【説明しよう!

 チコク魔法学校とは――


 天才魔法使い!


 魔法100m走世界記録保持者(1.01秒)!


 登録者2200万人のダンジョン配信系インフルエンサー!

 

 など!

 数々の有名人を輩出している由緒正しき魔法学校である!】


「えっ!」


 今、偶然コンビニ……『ロウソン』の公式SNSを見たんだけど……!


「ロウソン限定『マジキュート』フィギュア予約受け付け……?

これ昨日までだ!」


 マジキュートは大好きなアニメなんだよ!?

 そのグッズ情報が私の耳に入ってなかったなんて……。


 ぶっちゃけありえなーい!


 転売ヤーがフリマアプリで高額転売するだろうけど……私はそんなの許せない!

 転売ヤーが憎い!


【説明しよう!

 カホは――

 『憤怒』したのである!】


 憤怒した私が気になってか、クラスメイトのヘンリーくんが話しかけてきた!


「憤怒したカホさんが気になって話しかけました。

どうかしましたか?」


「ロウソン限定マジキュートフィギュアの予約受け付けが昨日までで予約できなかったんだよー!

もっと大々的に宣伝するべきだよね!」


「たしかに他のキャンペーンに埋もれて、あまり目立ってなかったですね。

僕も3日前に知って――」


 え……!?


「ギリギリ、全キャラクターのフィギュアを予約できました」


 ええぇぇぇーーー!!

 ずるぅーーーーい!

 ずるいずるいずるいずるいずるい!


 ずるい!!


【説明しよう!

 カホは――

 『嫉妬』したのである!】


「ヘンリーくんだけずるいよー!

絶対に私のほうがマジキュート好きなのにー!」


【説明しよう!

 カホは――

 『傲慢』である!】


 私がどれくらいマジキュートが好きかというとね!

 『マジキュートカード付きウエハース(カード全30種)』を10箱(1箱20個入り)買って、カード全種を鑑賞用と保存用に2セット集めるくらい!

 もちろんウエハースも全部食べたよ!

 3日でね!


【説明しよう!

 カホは――

 『暴食』していたのである!】


「すみません……カホさんがマジキュート好きだと知っていれば、早い段階で情報を共有できていたのですが」


 ヘンリーくんが申し訳なさそうにしてる……?


「……ごめん、ただ私がファンとして怠慢だっただけなのに」


 本当なら公式は直接私に商品を送るべきだよね。

 予約するのも発売まで待つのも面倒だし……。


【説明しよう!

 カホは――

 『怠惰』である!】


 ヘンリーくんは一瞬、なにか考えたようにスマホのキャンペーン記事に目を落としたあと、質問を投げかけてきた。


「……カホさんはどのキャラ推しなんですか?」


「『シャケキュート』だよ!」


 シャケキュートは元気いっぱいの頑張り屋さんで、すっごい可愛いんだ!

 ……ただ今回の限定フィギュアは、ちょっと露出が多めで……ポーズも表情もなんだかいつもと違ってて……。

 ……って!


 もしかして私、イケナイ気持ちになってるー!?


【説明しよう!

 カホは――

 『色欲』が湧いてきたのである!】


「では、シャケキュートのフィギュアはお譲りしますよ」


「いいの!?」


「はい、物とはいえ……フィギュアも推しに所有してほしいと思いますし、僕の推しキャラは――」

「セクシーお姉さん系の、『サバキュート』ですから」


 メガネをクイッと上げ、ヘンリーくんは微笑んだ。


 ヘンリーくん……神……!


 ◇


〜発売当日〜


「どうぞ、カホさん」


「ヘンリーくん、本当にありがとう!」


 すっごい精巧……これはもう家宝クラスだよー!

 ……でも、なんかモヤモヤするなー。


 ……。


【シャケキュートのフィギュアを手に取ったカホは『強欲』になった。

 そして全キャラクターのフィギュアを集めるため、フリマアプリで転売ヤーから買い揃えたという。】


「もしかして私、またやっちゃったー!?」

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