第4話 魔法試験
「本編は数行後からだよ!」
私、コムギーノ・カホ! 14歳!
ド田舎育ちのパン屋の娘で、チコク魔法学校2年生!
詳しくは第1話を見てね!
【説明しよう!
ここ、チコク魔法学校は――
天才魔法使い!
握手10時間待ちアイドル魔法少女!
登録者1200万人の炎上中魔法系インフルエンサー!
など!
数々の有名人を輩出している由緒正しき魔法学校である!】
今日は魔法試験の日!
クラスごとに1人ずつ、魔法を披露するみたい!
はりきって頑張るぞ!
「では、今から魔法試験を開始します。
みなさん、あそこに見える的に攻撃魔法を当ててください」
あそこ?
……あっ!
「的って……ここから30mは離れてるぜ!」
「と、届くかなぁ……」
「しかもあんなに小さいぞ……」
クラスのみんなが不安そうだ。
たしかに、あんなに小さな的に当たるか、私も自信ないなー!
どうしよー!
「当てることができれば合格です。
難しい魔法を使う必要はありませんので、正確さを意識してください」
先生はそう説明しながら、《ファイア》を頭上に撃ち――その《ファイア》が50mほど上空で何かに当たり、霧散した。
「このように、安全のため学内には常に防御結界を張っていますので、自信のある人は難しい魔法を使っていただいても構いませんよ」
そう説明が終わると同時に――
「《フレイムスピア》!」
『ズガーーン!!』
1本の炎の槍が一直線に飛び、的を貫通して、そのまま防御結界まで突き刺さった。
「さすがですね、ヘンリーくん」
「いえいえ、昨日たまたま父に教わっただけですから」
メガネをクイッと上げ、ヘンリーくんは微笑んだ。
「「「おーー!!」」」
クラス中から歓声が上がる。
「まじか……スピア系って中級魔法だし、その中でも難しい部類だぞ……」
「使えるだけでもすげーのに、的に当てるなんてやべーよ!」
【説明しよう!
魔法は難易度、威力に応じて!
初級!
中級!
上級!
の3階級に分けられている!
しかし!
これらを超える究極の魔法が存在する!
それが――
『神級』である!】
すごーい!
ヘンリーくんに続き、生徒たちは次々と試験に挑んでいく。
わ、私も……。
使い慣れてるのは《ファイア》なんだけど……。
私も、さっきのナントカスピア使ってみたいなー。
あっ、そうだ!
家の書庫に、スピアって書いてある魔法書があったような?
でも、あの本は――
◇
『カホ! やめるんだ! お前はその本を読んじゃいけない!』
私が手に取った本を、お父さんは慌てて取り上げた。
『お前が立派な魔法使いになるまで、この本は絶対に読むんじゃない』
『うん! 私、立派になる!』
『いい子だ……絶対だぞ?』
◇
……。
私は、もう立派な魔法学校の生徒!
いいよね!
「カホ★アイ!」
【説明しよう!
カホ★アイとは――
すごく遠くまで見えるのである!】
私は魔法で、家の書庫を見渡した。
……えっと。
かみ……きゅー……
デぃばい……ん……スピア!
これだ!
ふむふむ……。
習得完了!
「授業時間にも限りがありますし、コムギーノ・カホさんも的を狙ってください」
「はーい!
いくぞー!」
「えいっ!」
ボッ
――眩しい。
……。
「あれ?」
「……みんなは!?」
あたり一面、光の大地。
自然も人工物もなく、地平線の向こうまですっきりと見渡せた。
「なにこれ!?」
「もしかして私、またやっちゃったー!?」
【カホが放った巨大な光の槍は大地を割り、そのままカホを乗せ宇宙へ飛び去った。
その槍は新たな惑星として、どこか遠い星で観測されたという。】




