第17話(第35話) 時のらせん
「せっかくならチュロス食べたいかも?」
私、コムギーノ・カホ! 14歳!
ド田舎育ちのパン屋の娘で、チコク魔法学校2年生!
詳しくは第1話を見てね!
でも第3話を見たほうがわかるって意見もあるよ!
【説明しよう!
チコク魔法学校とは――
天才魔法使い!
1人で809匹のワンちゃんを健康に育て上げる魔法ブリーダー!
ミネラルウォーターを800円で提供していたシェフ!
など!
数々の有名人を輩出している由緒正しき魔法学校である!】
今日は第17話で来た『初代勇者の村』へ修学旅行に来てるよ!
なんでも初代勇者の村近くのダンジョンには大きな『世界樹』があるんだって!
その世界樹から世界中の魔力の源……『マナ』が発生してるみたい!
しかも、そこには世界樹の精霊が住んでるらしいよ!
見たーい!
てなわけで、行きたくなって第17話まで時間を巻き戻しちゃった!
今はヘンリーくんたちとそのダンジョンに来てるよ!
「そろそろ昼メシにしようぜヘンリー!」
「そうですね、このあたりは穏やかそうですし……先ほどのボアの肉で煮込み料理を作りましょう」
ヘンリーくんはまず、ボアの肉を一口大に切り分け湯通しし、丁寧にアクを取る。
1度ボアの肉をザルに上げ、ナナーシーちゃんが切ってくれた玉ねぎを炒めたあと、
トマト缶
コンソメ
水
ボアの肉
を入れて煮込み始めようとしたそのとき――
「ヘンリー!
うまそうなキノコ見つけたぞー!」
モーブくんが紫色の『マ◯オ』で見たことあるキノコを拾ってきたみたい!
「……大丈夫なのかしら?」
「キノコの知識には乏しいので、安全とは判断しかねますね……」
ヘンリーくんもナナーシーちゃんも毒キノコなんじゃないかって警戒してるみたい!
危ないもんね!
でも……!
「それ私食べたことあるし大丈夫だよ!
おいしかった!」
少しピリッとした辛味が食欲を刺激するんだよね!
「ほらな、入れようぜ!」
「はい、カホさんが言うなら安心ですね」
「それに、食材の現地調達はサバイバルの醍醐味ですから」
メガネをクイッと上げ、ヘンリーくんは微笑んだ。
そしてメガネを湯気で曇らせながら、おいしそうな洋風煮込みは完成した。
「うまそー!
いただきー!」
「あっ、行儀悪いわよ!」
ナナーシーちゃんの注意も無視して、モーブくんは我先にと鍋から直接キノコを食べ――
「うっ!」
バタン!
……とモーブくんはその場に倒れた。
……。
ヘンリーくんは、倒れたモーブくんの様子をじっくりと調べたあと、
「11時48分。
御臨終です」
大変!
モーブくんがタヒんじゃった!
「状況を見る限り原因は……このキノコですね」
ヘンリーくんとナナーシーちゃんは私をじっと見つめてくる。
もしかして私、またやっちゃったー!?
このままだと◯人犯になっちゃう!?
どうしよー!
んー……。
「Time Spiral!」
【説明しよう!
Time Spiralとは――
時を戻したのである!
冒頭で『時間を巻き戻しちゃった』のもコレである!】
――
「ヘンリー!
うまそうなキノコ見つけたぞー!」
「モーブくんだめ!
それ毒キノコだよ!」
【煮込み料理を食べ元気になったカホたちは、無事に世界樹までたどり着いた。
カホの異常な魔力を感じ取った精霊は、発狂して世界樹のマナを全解放。
その結果、世界樹は枯れた。
そして、おやつに初代勇者の村名物のチュロスを食べたくなったカホは、もう一度時間を戻して第17話に戻ったという。】




