第24話 デスゲーム
「むにゃむにゃ……」
ん……。
……あれ?
たしか授業を受けていたはずなんだけど、いつの間にか寝ていたみたい。
私の名前はコムギーノ・カホ、14歳。
詳しくは第1〜3話を読んでほしいけど、なんだか今はそれどころじゃないかも。
ここはどこ?
教室じゃないけど……クラスのみんなは各席に座って、何かに怯えるように静まり返っている。
コンクリートで囲まれた無機質な空間。
窓さえもなく埃っぽいその空間には、大きなスクリーンと、電源のついてないパソコンが置いてある。
この状況ってもしかして――
『お目覚めになったようですね』
私はその声にハッとする。
突然スクリーンに、目と口の部分だけに穴があいた、白いマスクの人物が映し出された。
その声は機械的で、なんともいえない不気味さを醸し出している。
クラスのみんながざわざわと騒ぎ始めた。
『では、突然ですが皆さまにはゲームをしてもらいます』
ゲーム!?
皆さまにって……いったいなにをさせるつもりなの!?
『今から行うゲーム……それは!
多数決ゲーム!
皆さまには代表者を1人選んでいただき、その代表者はまず、隣の部屋にある――
赤と青!
2つの椅子のどちらか、
に座っていただきます』
スクリーンの人物は、右側を指さす。
そこには扉があり、『ガチャン!』と鍵の開く音がして、それと同時にパソコンの電源が入った。
『椅子に座った代表者はスピーカーに向かって1つ、質問をしてください。
皆さまはその質問に対して、
赤のYES、
青のNO、
どちらかをそのパソコンに1人ずつ入力してください。
全員の入力が終わったら集計して、結果をこのスクリーンに映し出します。
そして代表者が、過半数を獲得した色の椅子に座っていなかった場合……!
これは言わなくてもわかりますかね?
ヒョッヒョッヒョッ!』
「もうやだ……」
「どうすんだよ!」
どうしよう……こんなことになるなんて……。
『もちろん、不正はいけませんよ?
この部屋は監視されていますからね?
では今から30分以内にゲームを終わらせてください。
さもなければ……ヒョッヒョッヒョッ!』
そこでスクリーンからは人物の姿は消え、30分のタイマーが映し出された。
「狂っていますね……!」
ヘンリーくんは、わなわなと怒りで震えながら拳をぎゅっと握っている。
でもそんなの当然だ……。
こんなの、理不尽すぎる……!
「もうタイマーが進んでるよ……!」
「誰が行くんだよ!」
まさに阿鼻叫喚の中、静かに、だが力強い声が部屋中に響き渡った。
「僕が行きましょう」
「ヘンリー!
大丈夫なのかよ!」
「どのみち、誰かが行かなければいけません」
「それに、今日の占いのラッキーカラーは……おっと、」
メガネをクイッと上げ、ヘンリーくんは微笑んだ。
そんな……ヘンリーくんが行っちゃう……!
「わ、私、行くよ!
ヘンリーくんが行く必要はない!」
私は我慢できずにそう叫んだ。
ヘンリーくんに、やらせることじゃない……!
元はといえば――
「カホさん……なぜ――!?」
私はヘンリーくんの言葉を制止し、首を横に振った。
「……わかりました。
カホさんを信じましょう!」
「うん……まかせて!」
私はその勢いのまま隣の部屋へ入り、その瞬間ガチャリと鍵が閉まった。
「あれ? あの先生は?」
【説明しよう!
カホは!
休み時間からずーーーっと居眠りをしており――
白マスク先生に怒られていると思っているのである!】
もしかして私、またやっちゃった?
ここに来るのが遅くて怒って帰っちゃったのかも……?
こうなったら……。
「カホ★アイ!」
【説明しよう!
カホ★アイ!とは――
すごくよく見えるのである!】
あっ、10キロ先の建物に先生いる!
ワープ!
「先生!」
「……えっ?
おまえは……!
眠らせる前から寝てたやつ!
どうしてここに……!?」
やっぱり、私が寝てたことに怒ってる!
「ごめんなさーーーい!!」
【カホの大声謝罪を近距離で聞いたデスゲーム主催者は、3ヶ月その場から動けなくなった。
そして謝って満足したカホは学校へ帰り、施設に取り残されたクラスのみんなを忘れていたという。】




