第23話 魔術大会
「頑張るぞー!」
私、コムギーノ・カホ! 14歳!
ド田舎育ちのパン屋の娘で、チコク魔法学校2年生!
詳しくは第1話を見てね!
でも第3話を見たほうがわかるって意見もあるよ!
【説明しよう!
チコク魔法学校とは――
天才魔法使い!
大人気バンド『マジカル・キスク』のボーカル!
1日の睡眠時間を27分に短縮することに成功した、魔法の快眠法を広めるショートスリーパー!
など!
数々の有名人を輩出している由緒正しき魔法学校である!】
今日は1年に1度の大イベント――
魔術大会!
学年のクラスごとに選んだ3人が代表になって、全校生徒の前で自慢の魔法を披露するよ!
私のクラスの代表は、
ヘンリーくん。
モーブくん。
そして、私!
『カホちゃんの強化魔法すごいし勝てるかも? この前の調理実習でもフライパンちぎってたし』
そんなナナーシーちゃんのひと言が決め手になって私が選ばれたんだ!
でも、強化魔法なんて使ったことないんだけどな?
「それでは今からチコク魔法学校、魔術大会を開始します!」
「「「うおーーーー!!」」」
すごく盛り上がってるなー!
「俺、カホちゃん、ヘンリーの順番で魔法披露でいいな!」
「はい、頑張りましょうね」
「やろー!」
ヘンリーくんもいるし、私たちのクラスが優勝したようなものだけどね!
「「「わーーー!!」」」
そのとき、会場中で大歓声があがる。
あれは……A組のデキルくん!
『デキルくん!
魔法を駆使して見事なコース料理を作り上げたー!』
「前菜は、季節野菜とフォアグラのテリーヌね!
色とりどりの野菜の断面がすごく綺麗!
しかもこれは野菜を煮出したフォンを使って固めてある!
そしてソースはフォアグラをソテーしたときの旨味をワインでデグラッセして、丁寧にリエしてあるわ!」
「この脂の乗った白身魚は……スズキかな?
皮目を軽くポワレして焼き目と香ばしさを引き立たせた後に、タイムやディルと一緒にエチュベしてある……。
口に含んだ瞬間、香草の爽やかな香りと魚の香ばしさ、上品な脂の旨味がふわっと広がっていく!」
「フォンダン・ショコラもたまらん!
添えられたナッツはキャラメリゼし、仕上げにオレンジリキュールでフランベしてある!
ナッツの食感、柑橘の華やかな香り、濃厚なチョコレートが見事にマリアージュしているぞ!」
『審査員も大絶賛!
これは高得点が期待できそうだー!』
「まっ、当然だね」
髪をサラッとかきあげ、デキルくんはニヤついた。
えっ、すっごいおいしそー!
なんかわからないけどおっしゃれー!
【説明しよう!
この日カホは!
寝坊して朝食が食べられず――
ペコペコなのである!
脳内は完全にデキルくんのフルコースに支配されたのである!】
「さすが2年生No.2と言われるだけあるな……油断するなよ、ヘンリー!
……ってカホちゃん!
なにボーッとしてんだ!
行くぞ!」
「……えっ!
あっ、うん!」
いけないいけない!
次は私たちだ!
モーブくんとヘンリーくんの後に続いてステージへ向かった。
◇
モーブくんの魔法はややウケで終わった。
次は私がフライパンやタ◯ンページをちぎることになってるんだけど……。
お腹すいたな。
……。
そうだ!
私も食べ物を作れば……すっごい大きいの作ってどさくさで食べちゃお♪
『次は、コムギーノ・カホさん!
どうぞ!』
呼ばれた!
「カホさん、頑張ってくださいね」
「ありがとうヘンリーくん!」
よーし、食べるぞー!
『では、お願いします!』
とにかくでっかいの……!
「えいっ!」
……。
あれ?
「えいっ!」
「えいっ!」
シーン……。
〜そして5分後〜
『あーっと!
ここでタイムアップです!』
「そんなー!」
「なにやってんだよカホちゃん!」
モーブくんが怒ってるー!
「もしかして私、またやっちゃったー!?」
【その日、宇宙ではなぜかあらゆる食の恵みに満ちた星々が次々と誕生した。
それらの星では、長い年月をかけて文明が発展し、あらゆる作品の異世界転生先になったという。
ちなみに魔術大会はデキルくんのコース料理がコッテリすぎたためか、さっぱり地中海料理を作ったヘンリーくんのおかげでB組が優勝した。】




