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第21話 ポーション生成

「ファイトー!」

 私、コムギーノ・カホ! 14歳!

 ド田舎育ちのパン屋の娘で、チコク魔法学校2年生!

 詳しくは第1話を見てね!

 でも第3話を見たほうがわかるって意見もあるよ!


【説明しよう!

 チコク魔法学校とは――


 天才魔法使い!


 大人気バンド『マジカル・キスク』のボーカル!


 睡眠時間を30分に短縮する魔法の快眠法を広めるショートスリーパー!


 など!


 数々の有名人を輩出している由緒正しき魔法学校である!】


 今日はポーション生成の授業だよ!

 よくスーパーとかコンビニに売ってるけど作れるんだね!


「今日は皆さんにポーションを作ってもらいます。

魔物との戦闘は常に万全のコンディションで挑むのがベストです。

万が一のときに備えて作り方を覚えておきましょう」


 たしかに!

 元気がないとなんでもできないもんね!


【説明しよう!

 ポーションとは――

 体力回復!

 応急処置!

 滋養強壮!

 など!

 冒険者にとって必須アイテムである!】


 でも、事前にたくさん買っておけばいいんじゃないの?


「でも、事前にたくさん買っておけばいいんじゃないの?」


 あっ!

 モーブくんが聞いてくれた!


「それも1つの方法ですが、たとえばダンジョン内を移動するだけでもかなりの体力が必要です。

荷物が多いとどうなると思いますか?」


「……あっ!」


「重ければ、それだけ体力も消耗しますよね。

それに、魔物との戦闘や逃げるときにも、身軽であるに越したことはありません」


 なるほどー!

 しかも歩いたらビン同士がぶつかってガチャガチャうるさいしね!


「では、見本を……ヘンリーくん」


「はい。

材料は、薬草、水、香味油」


 あっ、あれは『カドゥーヤ食品の純正ごま油』!

 いい香りー!


「……生成!」


 その瞬間、材料が光に包まれ、金色の綺麗なポーションが生成された。


「驚きました……これはハイポーションですね!」

「さすがです、ヘンリーくん!」


「いえいえ、熱したごま油に少し山椒を入れて、爽やかさを追加してあげただけですから」


 メガネをクイッと上げ、ヘンリーくんは微笑んだ。


「さあみんな、試飲してみてください」


 ヘンリーくんのそのひと言で、教室中が一気に盛り上がる。


「ハイポーションって安くても500円くらいする高級品じゃん!」


「すっごい綺麗に乳化してるわ!」


「くーっ!

山椒の香りが効いてるぜ!」


 おいしー!


 見た目も味も、コンビニに並んでてもおかしくないよー!


「それではみなさんも作ってみましょう。

乳化が難しければ香味油を使わない『アオジール』から練習してみてください」


 よーし、私もハイポーションに挑戦だー!

 薬草と……水と……。

 香味油は……あっ!


「ヘンリーくーん!

さっきの油かしてー!」


「はい、どうぞ」


「ありがとー!」


 ヘンリーくんと同じ油なら私もハイポーション作れるはず!


「生成!」


 材料が光に包まれ、金色の綺麗なポーションが生成された。

 できたー!

 予定通りラベルも貼ってあるし、賞味期限も5年ある!


「せんせー!

見てー!」


 うきうきで先生に見せようと走ったそのとき――


「あっ!」すぽーーーーーーーーん!

 『バリーーーーーーーーン!』


 転んじゃったー!

 ってあれ?

 ポーションは?


「……コムギーノ・カホさん!」


 先生が指さすほうを見ると、窓が割れていた。

 え?

 転んだときに……作ったポーション投げちゃった!?


「もしかして私、またやっちゃったー!?」


 ◇


 その頃、遠く離れたどこかの川では。

 おばあさんが川で洗濯をしていた。


「毎日毎日、疲れるねえ。

おじいさんの稼ぎさえ良ければ、ドラム式洗濯乾燥機が買えるのにねえ」


 おや?

 上流からなにかが……。

 流れてきたものを拾い上げる……。

 これは……ハイポーション。

 おやおや、しかも未開封。

 ラベルも綺麗だし、賞味期限はまだ5年残ってるみたいだねえ。

 誰かが新品を買って落としたのかねえ。

 それなら……もったいないし、最近疲れてるし。

 ぷしゅ!

 ゴクゴク……。

 ハイポーションなんて何年ぶりかと思い、ありがたくいただく……。

 すると――


「あら?

私のこの手、こんなに美しくハリがあったかしら?」


 ふと、川に映る自分を見てみると……。


「えっ!!」

「若返ってるーーーーーーー!!」

 

【14歳に若返ったおばあさんは、すぐにおじいさんと離婚した。

 そして年収1000万以上の男を探しに旅立ったという。】

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