第19話 悪魔襲来
「ズッコケー!」
私、コムギーノ・カホ! 14歳!
ド田舎育ちのパン屋の娘で、チコク魔法学校2年生!
詳しくは第1話を見てね!
でも第3話を見たほうがわかるって意見もあるよ!
【説明しよう!
チコク魔法学校とは――
天才魔法使い!
プロ魔法野球3年連続ホームラン王!
3日間の保温が可能な魔法の魔法瓶の開発者!
など!
数々の有名人を輩出している由緒正しき魔法学校である!】
今日の空はなんだか暗いよ!
朝から夕方なのかなー?
◇
くくく……我らは悪魔3人衆。
ハチヴェー!
ヴァガセ!
ムォーヂャン!
以前から人間界で度々観測されている、異常に強い魔力反応を調査しに来た。
なぜかって?
我らはそれを神の仕業とにらんでいる。
神連中が無断で人間界へ干渉したとなれば、我々も黙ってはいられない……いや、我ら地獄界の立場を強くする好機だ!
その事実が確認できれば、この世界の管理者……あの破壊神シヴァといえど!
くくく……罰を受け入れるしかあるまい!
天界と地獄界の……天地協定――
第17条!
人間界において、天地協会の許可なく直接人間に接触した場合――
その者は!
2時間くすぐりの刑に処される!
くくく……シヴァの悶絶する姿を想像するだけで笑いが込み上げてくるぜ!
我らは魔力探知機を使い、異常な魔力の発生源を空を飛びながら探していた。
「ハチヴェー!
探知機の数値が!」
「どれだ?
……メーターの針が振り切れている?」
魔力9999兆まで計測可能な探知機の針はMAXを指し――ピクリとも動かなくなった。
「故障か?」
「電池は新品を入れてきたぜ!
久しぶりに引っ張り出してきたからな、寿命だったのかもしれん」
「まあ、この場所には間違いないだろうな」
空から見下ろすと、おそらくそこは学校。
「くくく……なるほど」
学校では1年に1度、神が人間にスキルを付与する儀式が行われていると聞く。
おそらくそこで、神がなんらかの協定違反を行い、過剰に信仰を集めているのだろう。
【説明しよう!
神は人間からの信仰によって力を得!
悪魔は人間からの畏怖によって力を得ているのである!
神と悪魔の平均総ステータスはどちらも7000兆であり!
両者が均衡を保つことによって――
この世界は成り立っているのである!】
「ヴァガセ!
ムォーヂャン!
この学校で発生源を探すぞ!」
俺たちは変身魔法で学生に変身し、学校に潜入した。
◇
やあ。
僕はハリー・モウグ・ヘンリー。
チコク魔法学校2年生だ。
気軽にヘンリー、もしくはハリーと呼んでほしい。
僕的にはハリーを推奨するよ。
そんな僕は今、様子のおかしい男子生徒3人に囲まれている。
「なにかご用でしょうか?」
メガネをクイッと上げ、僕は微笑んだ。
そしていつでも応戦できるように、内ポケットにある杖に手をかける。
「お前……学生にしてはおかしなオーラを纏ってるな?」
それはこっちのセリフだ。
そのとき、僕の足元に龍の紋章が現れた。
これは僕のスキル《龍の加護》!
〘悪魔どもよ……我はツヨ・ギール……詳しくは第9話を読むのだ……〙
「ツヨ・ギールだと!?
……ちっ!」
「総ステータス8510兆9474億のあの!?」
「異常な魔力反応は神ではなかったということか……!?」
悪魔だって!?
なんで学校に悪魔が……!
〘用件は知らんが、強すぎる我の平穏を妨げるというならば覚悟はいいのだろうな……
お前らも、ここにいることを神に知られるわけにはいかないのではないか……?〙
「くくくっ!
……そのとおりだ!
ヴァガセ!
ムォーヂャン!
引き上げるぞ!」
そのとき、足元の龍の紋章がサッと消えた。
ツヨ・ギール?
「なあハチヴェー……何かとてつもなく嫌な予感がするぜ……」
すると、廊下の向こうからコムギーノ・カホさんが走ってきた。
「おーい!
ヘンリーくーん!
もう授業始まるよー!」
しまった!
3人組に絡まれていたせいで昼休みが終わった!
「ばかな……人払いの結界を張っていたはず……!
キサマ何者だ!」
「えっ?
コムギーノ・カホだよ!」
「人間なのか……?」
「え、なになに!?」
「もしかして私、またやっちゃった?」
「ハチヴェー!
魔力探知機が!」
1人の悪魔が、ハチヴェーと呼ばれた悪魔になにかを見せている……時計の針のようなものがずっとぐるぐると回っているが……?
「なんだこれはー!?」
そのとき、そのなにかは大爆発した。
【この大爆発によってチコク魔法学校は壊滅した。
そして悪魔3人衆は天地協定第17条違反によって、2時間くすぐり続けられたという。】




