第17話 伝説の聖剣
「ついたー!」
私、コムギーノ・カホ! 14歳!
ド田舎育ちのパン屋の娘で、チコク魔法学校2年生!
詳しくは第1話を見てね!
【説明しよう!
チコク魔法学校とは――
天才魔法使い!
プロ魔法野球3年連続ホームラン王!
黒い衣装を着たマジシャンのガール!
など!
数々の有名人を輩出している由緒正しき魔法学校である!】
今日は『初代勇者の村』へ修学旅行に来てるよ!
初代勇者が使ってた伝説の聖剣『エターナル・ファンタジー』と同じ、全長110センチの特大チュロスが新名物なんだって!
それが今、女子高生の間で大人気!
ここ数ヶ月ずっとショート動画は特大チュロスが占拠してるよ!
私もチュロス買ってバズりたーい!
でも今は自由時間じゃないから我慢、我慢!
みんなで先生についていって、今日泊まる『トウテス旅館』についた。
「では皆さん、班ごとに部屋へ荷物を置いて、30分後にまたここに集合してください」
私の班は、
アドネドちゃん
クラウィンちゃん
スーズーちゃん
ミヤルドちゃん
の計5人だ!
「チュロス楽しみだね~♪」
「ねー♫」
みんな早くチュロス買いたいみたい!
もう女の子の間じゃ、
勇者の村=チュロス
になってるから仕方ないよね!
【説明しよう!
元々ここ『初代勇者の村』は!
初代勇者『クレースター』により!
初代魔王『デュオス』が討伐され!
その後のお祭り騒ぎにより急速に発展した!
そして!
国内旅行の定番スポットになったのである!
しかし今!
SNSの普及によって――
話題がすべてチュロスに食われそうなのである!】
修学旅行1日目の予定は……。
初代勇者の家跡地
↓
初代から現17代目勇者までの勇者資料館
↓
昼食
↓
映画『初代勇者パーティ会話全集』鑑賞
↓
旅館で夕食
そして自由時間は明日の午前中だ。
キョーミないし、早く明日にならないかなー?
――次の日
やっと自由時間だー!
なんだか未来に来たみたいにあっという間だったような?
まあいいか!
自由時間が始まると同時に、クラスの女の子たちは全員チュロスを買いに走った。
「私たちも早く行こう!」
噂によると、チュロスを販売してるお店『デリース・カラン』は開店前に大行列ができるらしいんだけど……。
開店5分前だけど、本当に100人以上は並んでるよー!
「すごい行列ですね……」
アドネドちゃんたちも想像以上の行列にびっくりしてる。
「只今、約2時間待ちでーす!」
係員さんがプラカードを持って次々に並ぶお客さんを案内してる……ってあれ?
ふと横を見ると、もう1つ行列ができていた。
なにこれ!?
疑問に思った私に気づいたアドネドちゃんが教えてくれる。
「チュロスのお店の横に本物の聖剣『エターナル・ファンタジー』が地面に封印されているらしくて、それを引き抜こうと世界中から毎日たくさんの冒険者が訪れているらしいですよ。
なんでも、その聖剣を引き抜いた冒険者は謎の力で競馬やボートレースの結果がわかるとか……?」
すごーい!
それって明日の天気もわかるのかな?
ちょっと覗いてみると、ゴリマッチョが顔を赤くして力いっぱい聖剣を引き抜こうと頑張ってるみたいだった!
ちょっと気になるけど……お腹は膨れないしね!
どんどん流れていく行列に身を任せ、聖剣のほうもチラチラ気になりつつチュロスへと進んでいる……はずだった!
「ちょっとカホ!
そっちじゃないじゃん!」
ん?
クラウィンちゃん?
……って、ここ……もしかして聖剣の列!?
聖剣気になりすぎて横の列に紛れ込んでる!
もしかして私、またやっちゃったー!?
順番はもうすぐそこ!
チュロスの列に戻らなきゃ……うっ!
チュロス列の人々からの視線が痛くて戻れない……!
「カホ殿!
スーズーがカホ殿のチュロスも買ってまいりますので!
ご安心をー!」
「ありがとー!」
そうして私は聖剣の前に立った。
うーん……。
ここまできたらやるしかないか!
「えいっ!」
『スボバッ!』
【カホの怪力により『エターナル・ファンタジー』を中心に、この星は2つに分かれた。
そして、スーズーちゃんの買ってくれたチュロスと抜いた聖剣を並べ、
『ほんとに一緒な長さだねー!』
とガールズトークに花が咲いたという。】




