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第15話 守護獣大会

クイッ

 やあ。

 僕はハリー・モウグ・ヘンリー。

 チコク魔法学校2年生だ。

 みんなからはヘンリーと呼ばれている。


【説明しよう!

 ここ、チコク魔法学校は――


 天才魔法使い!


 魔法IQ210のクイズ王!


 シリーズ累計1300万部『魔法のスパイス』の著者!


 など!


 数々の有名人を輩出している由緒正しき魔法学校である!】


 君も気軽にヘンリー、もしくはハリーと呼んでほしい。

 僕的にはハリーを推奨するよ。

 そして……。

 今は守護獣大会1回戦の最中。

 『守護獣召喚の儀』で召喚し、契約したパートナーを僕たちがサポートして戦う大会だ。

 持ち場に立った瞬間、突然僕の足元に魔法陣……龍の紋章が現れたんだ。

 これは……加護の力?


『あの紋章は……!

龍の加護だー!

ヘンリー選手!

底が知れない!』


 実況の声が会場に響き渡り、大歓声が上がる。


「加護!?

学生の大会で見れるもんじゃないぞー!」


「加護といえばAランク……いや、ほぼSランク冒険者だけが持ってるような最強スキルだぞ!」


「見に来てよかったー!」


 いつの間に……誰が僕に加護を……?


〘聞こえるか……我はツヨ・ギール……アポカリプス・ドラゴンと呼ばれる者だ……詳しくは第9話を読んでくれ……〙


 脳内に直接声が響く……!

 アポカリプス・ドラゴンだって!?

 神話に出てくる神すら恐れる強すぎるドラゴンじゃないか!


〘よく聞け……そのウサギと戦うのはやめろ……以上だ……忠告したからな……それじゃ……〙


 僕の身体にとてつもない力が溢れてくるのがわかる。

 ただ、その力は『やめろ』と言ってきた。

 対戦相手の守護獣はコムギーノ・カホさんの、

 ウサギ!!

 カホさんがあのウサギを召喚したとき――

 『わーい! 可愛いー!』

 ――なんて喜んでたけど、本当に何の変哲もないウサギ……ホーランド・ロップだ。

 可愛い。

 対して僕の守護獣はブルベリーアイ・シルバードラゴン……。

 Sランク冒険者に匹敵するほどのポテンシャルを持ったドラゴンだ。

 ……負けるわけがない。

 神話のドラゴンも可愛いものに目がないのかな?

 でも……。

 悪いけど、全力で行くよ!


 僕はメガネをクイッと上げ、微笑んだ。


「ブルベリーアイ!

破滅のバスタースクリーム!」


「グオオオォォォォーー!!」


 咆哮が会場に響き渡り、その口内にエネルギーが溜まっていく。


「ぴょん太郎!

がんばってー!」


 カホさんが声援を贈るとウサギは『ブー』と鳴いて突進してきた。


『ヘンリー選手!

序盤から容赦なく一気に叩き潰すつもりだー!』

『対してカホ選手!

無謀だー!』


 ウサギさん、あとでヒールをかけてあげますからね。

 ブルベリーアイ・シルバードラゴンから光線が放たれた。


 『チュドーーーーーーン!!』


 会場に轟音と地響き、爆風、そして土煙が舞う。

 ものすごい威力……。

 パートナー契約した守護獣は主人のスキルを共有する。

 《龍の加護MAX》――技の威力、範囲が10倍になる――

 さすが神話……アポカリプス・ドラゴンの加護スキルは強すぎる!

 土煙が収まっていき、視界がはっきりしてくる。

 しかし、そこにブルベリーアイ・シルバードラゴンの姿は無かった。


「え?」

『え?』


 ……。

 会場中がどよめき立つ。

 ブルベリーアイが……逃げた……?


【説明しよう!

 守護獣は主人のスキルを共有する!

 つまり!

 カホのスキル!(第3話参照!)


 《∞》――すべてが∞――


 によって!

 カホのウサギ……ぴょん太郎のステータスはすべて∞となり――

 体当たりした瞬間、ドラゴンは消し飛んだのである!】


『……』

『……えーっと……勝者! コムギーノ・カホ選手!』……でいいのかな?」


「やったね、ぴょん太郎ー!」


「ブー!」


【勝利の喜びでカホとぴょん太郎が抱き合った瞬間――

 ∞と∞がぶつかった衝撃でビッグバンが発生し、もう1つの宇宙が誕生したという】


 ◇


「あれ?

なんか爆発したけど……」

「もしかして私、またやっちゃった?」

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