第11話 スローライフ
「今日は学校お休みだよ!」
私、コムギーノ・カホ! 14歳!
ド田舎育ちのパン屋の娘で、チコク魔法学校2年生!
詳しくは第1話を見てね!
今日は新居のお庭に畑を作るよ!
お庭広いし、使わないのはもったいないよね!
【説明しよう!
カホは引っ越したのである!
詳細は――
第6話を見るのである!】
でも農作業ってやったことないんだよね……。
そうだ!
近所のきよしに聞こう!
「きよしー!」
ズシン!
ズシン!
呼ばれたきよしは10メートルはある大きな身体を揺らしながら歩いてきた。
「カホ様、どうなさいましたか?」
「今ね!
畑作ってるの!」
「なるほど……」
きよしは少し考えたあと、
「カホ様、何をお育てになるのですか?」
あっ、そっか!
種とか必要だよね!
なににしよー?
やっぱりおいしいやつがいいよね!
私は、
朝食べた桃の種
そのへんに生えてた草
を手に持った。
合成!
ピカーー!
完成ー!
『ゴールデンピーチ』――食べると寿命が100年延びると言われている(売値9999兆円)――
これでいっか!
これを……複製!
『スポポポポポポン!』
【ゴールデンピーチが100個できた。】
ズシン!
ズシン!
噂を聞きつけた混沌の堕天使 (かおり)が10メートルはある大きな身体を揺らしながら歩いてきた。
「カホ様、どうなさいましたか?」
「今ね!
畑作ってるの!」
「なるほど……」
混沌の堕天使 (かおり)は少し考えたあと、
「カホ様、ケモノなどに荒らされないための柵が必要かもしれません」
たしかに!
私が食べれなかったら悲しいもんね!
なら!
「フェンス出ろー!」
『ゴ、ゴ、ゴ、ゴ、ゴ、ゴ、ゴ、ゴ、ゴ……』
魔法ってほんとに便利ー!
【町の周りに迷宮ができた。】
ズシン!
ズシン!
噂を聞きつけたラグナロク・ネクロノミコン(ろくろう)が10メートルはある大きな身体を揺らしながら歩いてきた。
「カホ様、どうなさいましたか?」
「今ね!
畑作ってるの!」
「なるほど……」
ラグナロク・ネクロノミコン(ろくろう)は少し考えたあと、
「カホ様、畑は土作りが大事ですよ」
「土作り……どうやるの?」
「少々お待ちください」
ラグナロク・ネクロノミコン(ろくろう)が家から道具を持ってきた。
「お待たせいたしました。
では……失礼します」
ラグナロク・ネクロノミコン(ろくろう)は道具を上から振り下ろす。
ザクッ!
ザクッ!
「このクワでこうやって……まずは軽く土を耕し、柔らかくするんです」
「すごーい、土がふかふかになったー!
やりたーい!」
「では、クワをどうぞ」
よーしやるぞー!
軽く……。
「えいっ!」
ボッ
『ズバーーーーーーーーーーン!!』
……。
あれ?
クワがない。
【説明しよう!
カホはクワを速く振りすぎたため!
木製であるクワの持ち手が――
空気との摩擦で燃え尽きたのである!
そして!
金属製であったためにかろうじて残ったクワの先端が――
迷宮の壁を突き破って飛んでいったのである!】
「カ、カホ様!
もっとかるーーーーー……くで大丈夫でございます!」
ラグナロク・ネクロノミコン(ろくろう)はクワをもう1本持ってきてくれた。
「ありがとー!」
よーし!
かるーーーーー……く。
ほっ!
『ぼかーーーーーーーーーーーーーん!!』
【地底から溶岩が噴き出した。】
あー!
畑がなくなっちゃったー!
「もしかして私、またやっちゃったー!?」
【この世界に突如出現した『溶岩の迷宮』。
数々の冒険者が調査に潜ったが、誰も帰還することはなかった。
そして、前代未聞のSSS級ダンジョンに認定され、立ち入り禁止となった。
ちなみに、カホが飛ばしたクワの先端はそのまま魔王城まで飛んでいき、魔王を討伐したという。】




