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最強の妹属性 ~前世で助けた女の子がお礼を言いに異世界に会いに来てくれました~  作者: ヒデミケ


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26 シスコン

 ――入学式当日。


 昨日はなかなか緊張して寝付けなかった。


 ただ準備は万端なはず。


 いざ出かけようとしたら、ノックがあった。


「ユーベル様、おはようございます」


「やあ、おはよう、リーゼ。マリーナ達も誘って一緒に行こうか?」


「はい」


 入学式と言う事で、リーゼのブルーの髪がより一層映えるようなセッティングだ、

 大分時間をかけたのだろう。


 5階に移動した。


 マリーナの部屋をノックしてみた。


「あら、お二人とも早いわね。とっても張り切ってるみたいね」


「まあ、入学式なんて平民の俺と、リーゼには初めてだから緊張してさ」


「早く起きちゃいました」


「まあ、分かりますけど。あはは、ユーベル君、寝癖寝癖!」


「ユーベル様、可愛いです」


 マリーナがヘアスプレーで、必死に俺の寝癖を直している。


「ありがとう、マリーナ」


「どういたしまして。あと一つ入学式のパンフレット見て気付いたんだけど、今日は入学式セレモニーとなってるのよ」


「セレモニー?」


「おそらく、王国アカデミー中等部からの上がり組も一緒と言う事ね」


「じゃあ、賑やかになるね」


「うん、それはそうなんだけど。これは貴族の習わしみたいでわたしは好みじゃないんだけど、こういったセレモニーには、女性はドレスを着て行くものなのよ」


「そうなのですか? わたし制服で来てしまいました」


 真新しい制服。清潔だし、何より可愛い。何がいけない? 可愛いだけじゃ駄目なのか?


「リーゼ、残念ながら貴族の中ではそう言った格好や仕草で値踏みされちゃう場合が多いのよ」


 中等部からのエスカレーター組なんてほとんどが貴族だ。


 シエラのように今の時点で王国アカデミー受けようなんて考える平民はいないだろうから。


 最初から平民風吹かせたら、バカにされると言う事か。


「リーゼ、わたしのドレッサーの中から、ブルー系のもの選んできて」


「え? わたしも着てけって事ですか?」


「うん、どうせ後で言いに行こうと思っていたのよ」


 マリーナは、とにかく衣装持ちだ。


 それは引っ越しの時の荷物の多さから明らかだった。


 貴族はもしかしたらこれぐらいが普通なのかもしれないけど。


「まあ。今日は他の平民の皆様もいると思うから、無理にとは言わないけどね。わたしも動きやすい制服の方が全然いいし」


「ユーベル様。どうしましょ?」


 これは難しい。


 前世では勿論こんな風習と言うか、差別化はなかった。


 ここ王国アカデミーは貴族社会が浸透しているのだろうか?


 まあ、ほとんどが貴族なら仕方ないのかな。


 俺がどう答えようかと迷っていると、ドアが再びノックされた。


「マリーナ、おはよう! 大変だ。今日の式、入学セレモニーになってるんだ。ユーベル君と、リーゼに伝えようかと思って呼びに行ったけど、二人ともいなくて……」


「あっ! おはよう、シリウス、もうお邪魔しちゃってまーす」


「わたしもしちゃってまーす」


 シリウスは、タキシードを着こなしていた。


 やっぱりなのか? 


 そうなのか?


「大丈夫。ユーベル君用のは、僕が持ってきたから。幸い君は僕とほぼ同じサイズだ。ごめんよ、気付くのが遅くなって。ただ、入学後にちゃんと、マナー講習とか着付け講習とか、貴族の嗜みの科目も用意されているみたいだから、今日は、制服でも大丈夫なんじゃないかな」


「シリウス、ありがとう。ただやっぱりなるべく変に目立たないようにするには、タキシードなんだろ?」


「まあそうだね」


 結局、俺とリーゼのド田舎平民組は、マリーナとシリウスに助けられ、急いで着替えセレモニーに向かう事になった。


 何だろう?


 持つべきものは、貴族の仲間だとは思いたくないけど。


「大事な仲間のマリーナとシリウスが、たまたま出来る貴族だっただけの事さ」


「ユーベル様。その通りです。大切なお友達のマリーナとシリウス君が、たまたま素敵な貴族だっただけの事です」


「二人とも面白過ぎ!」


「あはは、面白過ぎだね!」


 そして俺とリーゼは、急場を凌いだ。


 ――入学セレモニー会場。


「うわ? 凄い、こりゃ壮観だな」


「ユーベル様、あまりキョロキョロすると、お登りさんだと思われてしまいます」


「さすがに中等部からの高等部へのスライド組も重なるとね」


「貴族の中でも厳しい入学試験を勝ち抜いた人達だしね」


 確かに頑張って制服を着こなして入学式に向かったら、周りは皆ドレスや、タキシードだったと知ったらショックだろうな。


「ただね……」


「これはそう思わざるをえないな」


「どうした? マリーナ、シリウス」


「分からない? どちらにしても、ユーベル君、あなたは目立ってるみたいね」


「僕のファインプレーも無駄だったか」


「ユーベル様、大変です。女性の方達が皆あなたに釘付けになっています」


「綺麗すぎる金髪に超イケメン。瞳は澄んだスカイブルー。憎らしいくらいカッコいいものね」


「これでシエラちゃんが、ドレス着て入学して来たら一体どうなってしまうのだろう?」


「俺だったら、その場で即求婚……」


「シスコンね」


「シスコンですね」


「シスコンだよね」


 3人でため息をついている。


 シスコンで、何が悪い!


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