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お姫様の恋 ~ハーボルト王国 王室に嫁いだ姫君たち~  作者: 松本せりか
見た目は17歳、中身は12歳の悪役令嬢
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第32話 リリーの探索 クラレンスの私室

「そう。クリスが探してくれているんだ」

 先ほど、リオンに言った通り、私達はクラレンスの部屋に行ってお茶を飲んでいる。

 人に聞かれたら困る話なので、人払いはすでに済ませていた。


「はい。手伝う事が無くて追い出されたのですけど、お屋敷に戻るわけにもいかなくって」

「キャロルの部屋も、まだ入れるようになるまで時間が掛かるだろうし。慣例では婚礼の儀の半年前から入るようになるから」

「そうなんですか。兄様にクラレンス殿下のところにいるって言ってしまったから、ゲストルームも使えないし」

 というか、使ったら侍女を通じてすぐにばれそう。


「キャロルが嫌でなかったら、私の部屋にいるのはかまわないのだけどね」

「いいんですか?」

 思わず、笑顔で言ってしまった。

「ただ……人払いもしているし。その……」

 なんだか言いづらそうにしている。なんだろう? やっぱり、まずい事があるとか?

「あのね。クリスが言わなかった? 異性と二人っきりになるなとか」

 ん? 異性? ああ……

「賢者様から、クリス殿下といる時は気を付けてって。なんか欲が有るとか無いとか」

「あ……うん」

 なんだろう。途方に暮れたような顔をして……。


「部屋の中を案内しようか。こっちが小さいけどサロンがあって、こちらが衣装部屋。ドレスや寝間着は後で調達するとして。ああ、こっちが寝室。小部屋もあるのだけれど、寝具を入れてたら目立つからね、こっちを使ってくれたら良いよ。良かったら私のベッドを使ってくれ。私は適当に……」

 執務室の仮眠室でって言いかけたのだと思うけど。


「けっこう、広いですね。これだったら二人で寝ても充分ですよ」

「いや。私は執務室の奥の仮眠室を使うから」

「え? クラレンス殿下を追い出すわけ行かないです。同じベッドが嫌なら、わたくしは。床に寝ますから。わっ」

 そこまで言って、抱き寄せられた。

 このまえクリスに感じたような怖さがよみがえる。

「クラレンス殿下?」

「賢者様が言った事。私にも当てはまるから」

 この前のクリスと違って、ギュッと抱きしめたまま放してくれない。


「だから、そういう覚悟がないのなら、男をベッドに誘うような真似するんじゃない」

 そう言う覚悟って……。って言うか、苦しい。

 私が腕の中で、身じろぎしているのに気付いたのかすぐに力を緩めてくれる。

「悪かったな。だけど、私でなくとも男性と二人っきりの時は、警戒してくれよ」

「はぁ」

 そう言えば、クリスもそう言ってた。よくわかんないけど……。


『キャロル。リリーが見付かった』

 いきなり頭の中に、クリスの声が聞こえた。

「クラレンス殿下。リリー様が見付かったって。行きましょう」

 私は、クラレンスの腕を掴んで賢者の間に飛んだ。


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