↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お姫様の恋 ~ハーボルト王国 王室に嫁いだ姫君たち~  作者: 松本せりか
見た目は17歳、中身は12歳の悪役令嬢
PR
31/106

第31話 リリーの探索 キャロルの戸惑い

 何日経ったんだろう。

 クリスはずっと水晶を見続けている。時々、とりとめの無い話なんかはするけど。

 例えば、賢者のクリスが知らない、国王と王妃の関係。

 賢者の石のクリスが入っていない時は、王妃は国王の絶対的な味方になる様に設定しているらしい。

 ただ、その国王の中身が変わっても、国王という立場の人間の味方という事だけど。

 そんな話をしている時も、クリスは水晶から目を離していない。


 そして、賢者の間には、あの居心地の良い和室が復活していた。

 

 クリスは第二王子の体では無く、賢者の(からだ)……そう言うと、僕の(からだ)を横取りされたと反論されるけど……に、入っているんだそうだ。

 そうでないと、私のサポートをするどころか、足手まといになってしまうのだと言った。


 賢者のクリスがいない今。料理が出来る人が誰も居ない。

 分裂している訳じゃなくて、本当に別人なんだ。


 今もクリスは目で水晶を追って、カップラーメンをすすってる。

 私も、カップラーメンを食べていた。う~ん、こういうのってTVであったよね。


「なんか、刑事ドラマの張り込みシーンみたい」 

 私がそう言ったら、クリスが一瞬睨んできた。

 やっぱり、不謹慎? 緊張感が無いとか思われてそう。

 

「……ユウキ。もう、キャロルって呼ぼうか。賢者と約束したんだろ? こっちの世界で頑張るって」

「ええ。それが条件ですもの」

 クリスはやっぱり水晶を見ているけど。


「分かった。じゃあ、キャロル。一度お家へお帰り。毎回、カップ麺じゃ体に悪いし。いる意味ないよね」

「私、邪魔ですか?」

「そうじゃ無くてね。あまり帰らないでいると、アシュフィールド家が色々勘ぐるだろう? ずっと、僕と一緒だったなんてバレたら、君の望まない結果になるよ。僕はかまわないけど」

「そうなんだ。私、よくわからなくて」

「うん。今は分からなくて良いから。とりあえずそれを食べ終わったら、お帰り。リリーが見付かったら呼ぶから」

 やっぱり、邪魔って思われてるんじゃないかな。




 これからどうしよう。能力はあまり使えないから、お屋敷の方に戻ったら、リリー様が見付かった時に間に合わないよね。

「キャロル?」

 考え事をしながら、王宮の廊下を歩いていたら、リオンに声を掛けられてしまった。

「お兄様?」 

 やばっ。何でこんなところにいるかなぁ。

「今日はお仕事ですか?」

 なるべくニッコリ笑って対応する。

「キャロルは、ずっと家に戻っていないようだが、王宮で何をしているの?」

 あ……えっと。どうしよう。

「お……王太子。クラレンス殿下のところに……」

「何でそんなすぐばれるウソを吐くんだい。本当はどこにいたの?」

 なんか親に叱られてるみたい……。って本当、何て言い訳したら……。

「今日は帰るんだよな」

「あ……えっと」

 私は思わずリオンから目を逸らした。いや、お兄様怖い。


 目を逸らした先にクラレンスが見える。

 クラレンスがこちらにやって来るのを見付けたのか、リオンがサッと礼を執った。

 私も礼を執る。


「リオン。仕事は終わったのか?」

「はい。今日は早めに上がらせて頂きます。ちょうど、キャロルとも会いましたので」

 やだ。このままだと、連れて帰られてしまう。

 クラレンス殿下。私、帰れません。帰りたくないです。

 そう念じながら、目を向けた。

 クラレンスと目が合った瞬間、自然な動作で引き寄せられる。

 へ?


「すまない。まだ、連れ帰らないでもらえるかな。リオン」

 つ……通じた。すごい、クラレンス殿下。

 リオンはいぶかしむような目で私たちを見てるけど。

「殿下」

「なんだ?」

「キャロルは、ずっと殿下の私室に泊まっていたのでしょうか?」

 リオンがそう言ったら、クラレンスからチラッと見られた。

 何かまずかったかな?

 つい、私もクラレンスを見上げてしまう。


「そうだが。何か問題があったかな」

「いえ。それならば良いのですが。家族が心配していたもので」

 そして、リオンは私の方を向いて言う。

「キャロル。殿下の所ならかまわないけど。そういう時は手紙の一つでも使用人に言付けてくれたら、こちらも安心するのだけれどね」

「すみません。お兄様」

 本当に、ごめんなさい。

「ああ。私が伝えていると思ったのだろう。忙しくて忘れていたからな」

 これ以上怒られないように、クラレンスが庇ってくれた。

 クラレンスがまだしばらく預かるからと言って、リオンと別れた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。