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麻痺無双!~ぶっ壊れスキルを手に入れた俺は、異世界まるっと麻痺らせる~  作者: スギセン
5章

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195話 ラヴィ、明日へ向かってかっとばせ!

「全員、我から離れろッ!! この炎は敵も味方も無く、ただ近付くものを焼き尽くすのみ……!フハハハッ!!」


 クルスの高笑いが響く。

 炎の塊は今もなお膨張し続け、はち切れんばかりに膨れ上がっている。

  

「す……すっげぇぜクルス!! さあ、やっちまえ……!!」

「いけー!ですわー!」

「燃やし、尽くせー」


 しかしクルス、まだ撃たない。

 スノー・スライムも痺れを切らしたのか、ゆっくりと動き出した。


「え? お、おいクルス、もういいだろ――って、待て待て待て待て!!」


 炎の塊、まだまだ膨れ上がる。

 え?なにこれ太陽ですか?

 あまりの熱量にクルスの周りの雪はジュウジュウ音を立てて水に変わっていく。


「おい、クルス! さすがにもう――」

「――れん」

「えっ!?」

「手から離れん、パライザーよ。 恐らく、暴走状態――我が魔力を吸い続けて、魔法を放つことも敵わない」

「げぇっ!?」


 やばいやばい、何してんのコイツさっきから!!

 あぁ、そうこうしているうちにスライムは近づいてくるしクルスはあっちぃし!!

 えぇい、こうなったら――!


「クルス、一応その炎は手から離れないのか!?」

「うむ……まあ、自力でこれを撃つことは不可能に近いな。 それくらい凄まじい深淵の魔力が――」

「よし、ラヴィ!クルスの足を持て!炎の塊を落とさないようにな! それからクルス!お前はそのままジッとしてろよ!」

「はっ、何を言って――うおぉっ!?」


 言うが早いか、ラヴィはクルスの足を持ち上げると――やたら熱量の強い、人間松明の完成だ!


「ぱ、パライザー!? これは一体……」

「見て分からんか! お前がその魔法を撃てないんなら……無理やりひっぺがしちまえ!!」

「な、何を馬鹿なっ!? おい、パライザー!この可憐な怪力娘をどうにか――」

「ラヴィ! いけそうか!?」

「……拙者に、全て任せて」


 クルス、悪いな……みんなが生き残る為には、もはやこうするほか……!!

 ラヴィはどっしりと腰を落として迷刀クルスを構える。

 クルスはピーンと伸ばした態勢を必死に保ちながら、信じられないといった顔で俺を見ている。

 ……まあ、ごめん。


『ボルボルルゥッ!!』

「ほうら来たぞ!! ラヴィ、標的は前方のスノー・スライム!クルスの体がちぎれない程度のフルスイングを見せてくれ……!」

「御意……!」

「え、えぇい、こうなれば仕方あるまい! 我が必殺の魔法……【獄炎(ヘルフレイム・)邪王破(ブレアノヴァ)】あぁぁぁぁッッ――!!」


 ブオンッ!

 人が人を振ったとは思えない音が鳴った。


 直後――クルスの手元から炎は離れ、スノー・スライム目掛けて一直線に向かい――。

 ボガアァァンッ――!!

 派手に火花を散らしながら、大爆発を起こした。


「どぅわぁーーーーーッ!!」

 激しい衝撃と熱風が押し寄せる。

 氷の粒やら水やらが、ビタビタと体を打つ。


 ようやくそれが収まった頃には――あれほどまでに巨大だったスノー・スライムの姿は、跡形もなく消え去っていた。


「……やったぜぇ!! クルス、ラヴィ!大手柄だぞ!!」

「ふっ、拙者にかかれば、こんなもの」


 ラヴィはまんざらでもなさそうに鼻をすする。

 いつの間にか投げ捨てられていたクルスも、地面に突っ伏しながら弱々しくグーサインを出した。


「クルスさんの魔法、すんごかったですわっ!! あれくらい派手な魔法、早くワタクシも覚えたいですわぁっ……!」

「いやいや、ベルよ……お前がこれ以上変な魔法覚えたら――ぶふぅっ!?」


 何気なくベルに目をやると、さっきの炎にやられたであろうベルの、おいたわしい姿があった。

 

「なっ、なんですの?いきなり吹き出したりして……」

「い、いや……なん、なん、なんでも……ブフゥッ! おい、ラヴィ、クルス、み、見てくれ……!」

「「ふばぁっ!?」」


 ラヴィもクルスも、ベルを見るやいなや、盛大に吹き出した。

 それもそのはず、彼女のご自慢の金髪ツインテールは熱によってチリチリとちぢれまくり、顔の両サイドで大きな丸い塊となっているからだ。


 まるで、金色の巨大まりもを飼っているような見た目に、もう笑うしかなかった。


「な、な、なんですのっ!? ねぇ、みなさん何をそんなに笑ってるんですのっ!?」

「ひっ、ひぃっ――! も、もう、やめてくれぇ!!」


 すっごく困った顔で俺たちを交互に見るベルに、腹筋崩壊。

 俺たちはしばらく、息もまともにできないくらいに笑い転げ回った。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

少しでも面白い!と思っていただけたなら、ブクマ、評価、感想等いただけたら励みになりますm(__)m

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