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麻痺無双!~ぶっ壊れスキルを手に入れた俺は、異世界まるっと麻痺らせる~  作者: スギセン
5章

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194話 雪をも溶かす大激闘!

「パライザーよ、すまないが時間を稼いでくれっ!」

 スノー・スライムが迫り、クルスが叫ぶ。


「時間ん!? まあ、俺の得意分野ではあるが……どれくらいだっ!?」

「だいたい……三分程だっ!」

「いや地味に長ぇなっ! まあいいや、【パライズ】!!」


 俺の右手から稲妻エフェクトが迸るが――。


「ボルルッ……!」


 突如として、スノー・スライムの周りに氷の壁がせり上がる。

 俺のパライズはそれにぶつかり、パチンと消えた。


「んなっ!? 俺の正義の(ジャスティス)稲妻(サンダー)が!?」

「って、ただのパライズでしたわよねっ!? マヒルさん、あいつは魔法も使うので気を付けてくださいまし!!」

「んなこと先に言えってんだ!!」


 まったく、うちのベルちゃんときたら使えるのか使えないのかよく分からん!

 俺は心の中でぼやきながらも、次なる麻痺を撃ち込むべく魔力を集中させる。

 

「……!! マヒル殿、危ないっ!」

「おわっ、と――」


 突然、ものすごい力でラヴィに放り投げられる。

 放物線を描いて墜落するさなか、小さなスノー・スライムたちがすぐそばまで迫っていたのが見えた。

 そして逆さまの視界のまま――ぼふんとヘッドスライディング。 


「もががっ……!!」


 鼻に、口に、冷たい雪が無理やり押し込まれていく。

 控えめに言って地獄。


「ボファァッ!! た、助かったぜラヴィ!助け方はともかく、な!」

「……ん」

 

 ラヴィ、誇らしげにグーサイン。

 俺は土と雪が混じったべちょべちょを吐き出しながら、態勢を立て直した。

 

「しっかし、全っ然気付かなかったわ! さながら雪の迷彩ってかぁ?敵ながらやるなぁ!」

「うん。 でも、あれくらいなら拙者が倒せる」

「おっ!じゃあチャチャッと任せるぞ! 痺れ散らかせ、【麻痺連鎖(ショック・チェイン)】ッ!」


 バシバシと、稲妻エフェクトが駆け巡る。

 小さいスライムは全部で六体――あますことなく痺れさせてやったぜ!

 

 そしてミニスノー・スライムの動きが止まった瞬間――ラヴィが雪を蹴り上げて高速接近。

 やつらが放つ冷気を気にも留めることなく、瞬く間に斬り捨てていく。

 パキンパキンと、氷の爆ぜる音が心地良い――夏に出てくれたら最高のモンスターなのになぁ。


「マヒルさん、ラヴィさん!何かデカい攻撃が来ますわ!! すぐにワタクシの後ろへ!」

「おっ、おう!!」

 

 ラヴィが呼ぶ声に慌てて駆け寄ると、すでにクルスは後ろに控えていた。

 額に手を当ててブツブツと、相変わらず妙なポーズのまま集中しているようだ。

 

『ボッボッボッボボォォ――!!』

「うおっ、なんだぁ!?」


 ラヴィの肩越しにスノー・スライムを見ると、やつは勢いよく息を吸い込み、その反動で巨体がぶるんと揺れた。

 ――いや、だから口はどこよ?


「来ますわっ! 【暴波泡(ブラスター・バブル)】――!!」

『ボボボボボォォッ――!!!』


 ベルの魔法陣から大きな泡が現れ、盾のように平べったく伸びていく。

 直後、スノー・スライムから放たれた猛吹雪――もとい、冷凍ビームが俺たちを襲う。

 

 バシュッ、バシュッと泡が弾けては一瞬で凍り付き、冷気が肌を刺す。


「べ、べルrrrr!! お、お前だけがたよりだだだ――!」

  

 あまりの寒さに全身震えあがり、俺の口はガチガチと楽しそうな音を立てる。

 

「ク、クルスぅ!? まだなんですかねぇっ!?」

「ま、待て! あともう少しで深淵の闇の波動をその身に宿して――」

「今そういうのいいんでぇ――――!!!」


 ドバーーーンッ!!

 一際大きな衝撃が走り、俺たちはぶっ飛んだ。


「ぐっ……みんな、無事かっ!?」


 慌てて辺りを見渡す。

 まず目に入ったのは、逆さまに突き刺さった誰かの影。

 尻尾がぶんぶんと揺れている――ラヴィだ。なんだか元気そうまである。


「べ、ベルは……!?」

「マヒ、ル……さん」


 雪に溶けだしてしまいそうな、かぼそい声――まさか、怪我をしたんじゃ!?


「おい、どこにいるんだベル――」

「た、たす、助けっ……」

「…………ベル?」


 何をどうやったのか、ベルは綺麗にに左半身だけ雪に埋まりながら、俺に助けを求めて手を振った。


「えっ、お前それ……もしかしてふざけてる?」

「――っなワケないですわっ!? 早く助けてくださいましっ!?」

「うっすうっす」

 

 俺は半身のベルを引き上げ、下半身だけのラヴィを引きずり出した。

 冷凍マグロかお前らは。

 

 幸い、スノー・スライムはクールダウンか何かで動かねぇ。

 とは言え、ベルも魔力をかなり使ったみたいだし、ラヴィの近接じゃ無理があり過ぎる。

 こうなりゃ、ひたすら麻痺らせ続けて――


「フフ――フハハハッ!! 待たせたな、お前たち!!」


 その時、嫌に野太いクルスの声が響いた。

 まったく、本当に待たせすぎたっつうの!

 

「クルス! ようやく――って、おいおいおい……なんだよそりゃあっ!?」


 俺は、思わず自分の目を疑った。

 そこには――赤々と燃え盛る巨大な火球が、いくつもの火花を散らしながらゴウゴウと音を立てていた。

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