表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
麻痺無双!~ぶっ壊れスキルを手に入れた俺は、異世界まるっと麻痺らせる~  作者: スギセン
5章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
192/210

191話 カッチカチの、ぼるんぼるん①

「おいおいおい……なんじゃあこりゃあ」


 俺たちが悲鳴の聞こえた方に急いで駆けつけると、そこはすでに別パーティーがアイスゴーレムを倒したあとだった。


 ただ、アイスゴーレムとは比べ物にならない存在感を放つ存在が一つ。


「……ありゃあ、スライム……なのか?」


 俺たちの目の前には、極寒の冷気を放つ特大白ゼリーがぼるんと居座っていた。


 ……というか、もはやこれは居を構えてるってほうが正しいか?

 昔戦ったラージスライムとは桁が違ぇ……並みの一軒家を軽く超える馬鹿デカさだ。


「お、お前たちも早く逃げるんだ! あいつ、あのスライム――アイスゴーレムを食っちまった!!」


 別パーティーの男は、真っ青な顔をして特大スライムを指差した。

 他の二人も、同じく血の気が引いた顔でウンウンと頷く。


 いや、アイスゴーレムを食うって……まじぃ?

 確かに、よく見ればあいつの足元?にゴーレムの残骸はあるが……


「あの特徴……《スノー・スライム》でしょうか? でも、それにしては大き過ぎますわ」

「うん。 あんな大きいの、拙者も見たこと、ない」

 

 モンスター知識豊富なベルと、モンスター経験豊富なラヴィ。

 うちの二枚看板の認識から察するに――


「……可能性としては、スノー・スライムの亜種――もしくは、固有種ってとこかな? なあ、あんたたち……って、あれ?」


 俺が話を聞こうと振り返ると、さっきのパーティーメンバーの背中が遠くに見える。

 

「あ……え?」


 あいつら、逃げやがった……!!よくも俺を置いて――じゃなくて、モンスターを野放しにして撤退しやがったな……!!


「おぉい!それでも冒険者かコノヤロー! ギルドへの報告だけはしとけよなぁ!!」


 どんどん遠ざかっていく人影は、「任せてくれ!」とでも言うように拳を強く突き上げた。

 無性にイラっとした。


「……さて、と。 どうする、これ?」


 俺は気を取り直して、スノー・スライムを見る。


「今は多分、お食事中だろ? 正直、この隙に逃げたいところだけど――」

「じーーー」


 ベルの冷たい視線が俺を射貫く。


「そうはできないからなぁ。 まあ、最悪街から遠ざけてから撤退することは視野にいれておこう」


「……まあ、それくらいなら戦略の範疇ですわね」


「……斬る」


「ラヴィ、聞いてた?」


「うん。 斬る」


「うん、おっけ」


 こいつ(ラヴィ)のことは、一旦放っておこう。

 さて、問題はこの馬鹿デカスライムの攻略方法だが……


「ベル、スノー・スライムの特徴は? どういう戦い方が推奨されてる?」

「……ギルド発行のモンスター指南書によれば、正面突破、物理ゴリ押し、ですわね」

「うん、参考にならねぇ」


 この世界の価値観、相変わらず脳筋過ぎる。

 こんなもんに馬鹿正直に真っ向勝負挑むなんて、ハムスターが大型バスに挑むみてぇなもんだ。

 

「もっとこう、実用的な方面での知見は?」

「そうですわね……学術書によれば、スノー・スライムの体表は極めて低い冷気に覆われているので、直接触れるのは恐らく危険ですわね」


 さっきとは真逆の超有益情報なんですけど。

 ……冒険者ギルドさんは、もうちょっとこういう知識を取り入れていこうぜ?


「なるほど……じゃあちょいと試しに」


 俺はそこら辺にあった小石を掴んで、スノー・スライムめがけてヒョイと投げた。

 瞬間――


 パキィッ――!!

 やつの体に触れた瞬間、小石は瞬く間に氷に覆われてゴトリと落ちた。


「……ん、おい、一発触ったらアウトじゃねえか。 瞬間冷凍されんぞ」

「……みたいですわね」

「斬……りたくない」


 おぉっと、戦闘狂のラヴィさんですら怯むほどの性能ときたもんだ。

 てか、うちのパーティーとの相性が悪すぎ。これは敗走濃厚か……?


『――ボルッ』


 妙な、くぐもった音が聞こえた。


「ん? おならしたか、ベル?」

「はあっ!? なんでワタクシが――」

「大丈夫、みんなするよ」

「いやっ、ですから――」


 ゴゴゴゴゴゴッ――。

 次いで、地響き。


「うわっ、ベルぅ……」

「ベル殿、すごい」

「ちっがいますわっ!? ほら、どう考えたってアイツですわっ!!」


 ベルはツインテールをぶんぶん振りながら、スノー・スライムを指差した。


「……ですよねぇ。 みんな、戦闘準備――いや、撤退準備かな? とりあえずなんでもいい、来るぞぉっ!!」

『ボボルルルゥッ――!!』


 スノー・スライムは全身を震わせ、地鳴りのような音を響かせた。

 ふふっ、これだけ離れててもキンキンに冷えちまうくらいだ……!

 こいつぁ、痺れるぜ!!


 そして、巨大な影がゆっくりと動き出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ