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麻痺無双!~ぶっ壊れスキルを手に入れた俺は、異世界まるっと麻痺らせる~  作者: スギセン
5章

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190話 残雪大行進!②

「さてと……思ったよりもデケぇなこいつは」

 

 ギルドを後にした俺たちは、セラ姐に指定された場所ですぐさまアイスゴーレムと遭遇。

 まさにイメージ通り、氷タイプのゴーレムって感じの見た目。

 思っていたよりもデカいのは驚いたが、それよりも――


「ひぃふぅみぃ……えっ、六体もいるなんてのは聞いてないんだけど?」

 俺たち三人の前で、ムッシャムッシャと氷を貪る六体のアイスゴーレム。

 まるで、俺たちのことなんて気にも留めていない様子だ。


 ……見たところ口はないようだけど、どうやって食ってんだろうか。


「こ、こんなに揃うと、まるで巨大な氷壁ですわね……」

「なー。 あそこのパーティーに分けてやりたいくらいだわ」


 俺たちから少し離れた所では、既に別の冒険者パーティーが一体のアイスゴーレムと戦闘中。

 だが、向こうは三体一。ちくしょう、ここを指定したセラ姐を恨んでやるぅ……!


「……ぐだぐだ言っててもしょうがねえか。 二人共、いけるか?」

「もっちろんですわっ!」

「……全部、倒す」

 

 ベルは高らかに魔導書を掲げ、ラヴィは刀に手を添える。

 相変わらず頼もしい限りっス。

 

「動きは緩慢、的はデカい。 ちゃっちゃと終わらせてさっさと帰るとしますか!」

「ワタクシの魔法で粉微塵にしてやりますわっ!!」

「……跡形も残さず、バラバラにする」


 うん、怖ぇよ。

 もっと優雅にいこうぜ優雅に。


 こうして、身も凍るような残雪深い平原でアイスゴーレムとの壮絶なバトルが始まった――!!


 ――その二分後。

 俺の目の前には、粉微塵に砕け散った氷片と、バラバラに切り捨てられた氷塊が無残に転がっていた。 


「ふぅー、朝飯前でしたわね! あっ、でも実際には朝食は済ませてきましたけど! あの温かいスープとパン、最高でしたわぁ……」

 ググっと伸びをして、訳の分からない話を始めるベル。


「……手、冷たい」

 赤くなった手を擦り合わせてはぁーっと息を吐くラヴィ。


 激戦が予想されたゴーレムとの戦いは、拍子抜けするほどあっけなく終わった。

 なんかゴメン、うちのメンバーたちが……ほんと。


 まず、俺の【パライズ】で一番近くにいたやつの動きを止め、次の瞬間にはラヴィが神速の居合斬り【羅刹】をお見舞い。


 しかし斬撃への耐性があるせいか一撃では決まらず、二度三度と刀をふるってようやく撃破。

 早々に刀を収めたラヴィは、一呼吸の後に全身の毛が逆立ち、オーラを放った。短時間の肉体強化術である【超獣化(ワイルド・ターキー)】だ。


 時を同じくして魔法陣の展開が済んだベルは【サモン・セバスチャン】を発動。今年になって初めて首無し執事を見た。いつ見ても怖ぇ。


 そこから先は、俺の【麻痺連鎖(ショック・チェイン)】で残りの五体を次々に麻痺らせ、超パワーアップしたラヴィを筆頭に、次々とアイスゴーレムたちを蹂躙していった。合掌。


「……お前らは、加減ってものを知らんのかね。加減ってものを」

「えー? これでも、魔力の出力は抑えた方ですわよ?」

「拙者も、まだまだやれる」


 二人は互いに顔をあわせて、「ねーっ」と言った。

 えー、なにこの人たち。野蛮ですわ?

 最近クエストがなかったからって、うっぷん溜まりすぎだろ……


「……というか、マヒルさんこそいつもより麻痺かけてましたわよね? 効果時間中なのに、さらに上乗せしてませんでした?」

「ギクリッ。 いや、そんなこと、知らんなぁ……」

「今、ギクリッて口で言いましたわよね?」


 なんだベルのやろう、ちゃっかり見てやがったのか……

 いや、うん。ちょーっとだけ調子に乗った節はありましたけどもね?ちょーっとだけ。


 っていうかベル、あの戦闘中に俺が追加でコッソリ麻痺を撃ったのとか、俺の麻痺の効果時間を把握してるとか……こいつこそ真の戦闘狂じゃねえか。


「まあまあ、無事に倒せたのでいいじゃないか! ラヴィもそう思うだろ?」


「…………」


「ラヴィ?」


「……えっ?」


「あっ、いやどうした? えらく考え込んでたみたいだけど。 さすがにアイスゴーレムは食えないと思うぞ?」


「食う……? んっ、もう」


 ラヴィは俺の冗談に気付いたのか、ペシンと肩を叩いた。


「……そんなこと、考えてない。 それに、アイスゴーレムは、割と食べれる」

 ラヴィは頬をぷくーっと膨らませてそう言った。


 へっ?……えっ?既に実食済でしたの?完っ全に冗談のつもりだったんだけどな。

 こいつなら、そこら辺の雪ですらむしゃむしゃ食べだしかねないな……


「何か、気になることでもあったんですの?」


「ん……様子が、変だった……かも」


「変っていうのは、どういうことだ?」


「なんていうか……エネルギーを、無理やり蓄えてる、ような。 それに、焦って……ううん、怯えているようにも、見えた」


 ラヴィの言葉に、俺とベルも黙って考え込む。

 そう言われてみれば確かに、さっきの雪を食べる様子は食事というよりも、栄養補給――必要に迫られてそれを行っているようにも見えたな。


 でも、わざわざアイスゴーレムがそんなことをする理由はなんだ……?

 ――いや、そうせざるをえなくなった原因は……?


「――――――!!」


 既に動かなくなった氷の残骸を見つめていると、風に乗って遠くから悲鳴のようなものが聞こえた。


「お、おい今のって……」

「うん……誰かの、悲鳴」


 さっき戦ってた別パーティーだろうか?

 ラヴィの言ってたことは気がかりだけど、今は向こうだ!


 俺は二人にパッと目配せすると、二人共こくりと頷いた。

 しょうがねえ、助太刀に参るとしますか……!!

最後まで読んでいただきありがとうございました!

感想等、お気軽にいただけたら幸いです!

次回もよろしくお願いしますm(__)m

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