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麻痺無双!~ぶっ壊れスキルを手に入れた俺は、異世界まるっと麻痺らせる~  作者: スギセン
5章

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187/211

186話 お正月を過ごそう!②

「……にしても、なんだあのモンスターは。 自然界にあるまじき配色してんじゃねぇか」

 今年初めて戦う相手は、数メートルはあろうかという大型の鳥モンスターだ。そして何と言っても特徴的なのが、赤に黄色に青にオレンジ……それから金色の飾り羽がきらめくゴージャスな見た目だ。


「あいつは、《キンガシンネン》ですわね! 一年の始まりにしか姿を現さないとされる、レアモンスターですわ!」

「は? キンガ……なんだって?」

「キンガシンネンですわ!!」

「……キンガシンネン、ですか」


 うん、見た目にそぐわずおめでたい名前ですこと。

 キンガシンネンって、謹賀新年――つまり、『明けましておめでとう!』ってことだよな、うん。

 ……嫌だもう、この世界の異世界ギャップ!!頭がおかしくなっちゃう!いちいち元の世界を彷彿とさせるネーミングなんかしてきやがって!!おぉんっ!!


「キンガシンネンだか商売繁盛だか知らんが、痺れ倒してやらぁ! 喰らえぇ、【パライズ】!!」

 俺の右手からちゃちい稲妻エフェクトがほとばしる――!!

 が、キンガシンネンはひらりと空を旋回してなんなく回避。まったく、デカイ割に身軽だなぁ!

 

 まるで馬鹿にするかのように俺たちの真上をぐるぐる旋回するやつを見て、ラヴィが呟いた。

「むっ……あいつ、様子が変」

「変って、どういうことだ?」

「探ってるような、変な動き……」

「――ッ!! 二人共、”落とし玉”が来ますわ!! 急いでワタクシの後ろへ!」

 ベルは叫ぶと同時に魔導書を展開。大きな魔法陣が現れた。


 ……ん?何、お年玉?

 そんなもん、貰えるもんなら是非とも貰いてぇもんだが……どうせ俺の認識とは全っ然違う何かが来るんでしょうねぇ!!


「キイィィィンガッ!」

「おい、今あいつ完全に”謹賀”って言ったよな!?くっそ、馬鹿にしやがってぇ!! さっさと降りてきて戦え――」

 プリッ……プリプリッ。 

 やつは空中で一鳴きしたかと思えば――突然ナニかを産み落とした。


「ま……まさかっ!?」

「来ましたわね!! 出でよ、【暴波泡(ブラスター・バブル)】!!」

 ベルの詠唱に呼応するように、空中に薄平たい泡が出現。

 次の瞬間には、ドッパァッ!!

 俺たちに向かって落ちてくるナニかと衝突し、激しい水飛沫をまき散らした。

 

「あいつまさか、え? その、う、ウン――」

「いえ、”落とし玉”ですわ! け、決してただの排泄物なんかではありませんわ!!決して……!!」


 いや、必死に弁明しようとするその姿が、逆にアレであることを裏付けてるような……

 いやはや、運が降って来るとは縁起が良いですな……ってやかましいわ。

 ……ん?っていうか、お年玉って……落とし――

「あっ、そっちの”落とし”!? んなこったろうと思ったぜこんちくしょうっ!! ラヴィ、一気に叩くぞ!俺に合わせろ」

「御意」

 

 俺は右手を銃のようにかざし、魔力を込めた。

 すばやい相手かつ、遠距離にも対応できるのが俺様マヒル様の麻痺の力だ。とくと見よ、麻痺の真骨頂……!!


「セット――視界良し、風良し、全部良し。 射貫け!【麻痺銃(パライ・ガン)】!!」

 バシィンッ!!

 右手から放たれた麻痺の弾丸は、上空で旋回するキンガシンネンの右翼に吸い込まれるようにヒット!


「キィンガシンッッッ!?」

 片方の翼が麻痺り、大きく体勢を崩しながら落ちてくるキンガシンネン――それを迎え撃つかのように刀を構え、深く腰を落とすラヴィ。

 決着の時は、一瞬だった。


「――【羅刹】」

 ラヴィの体が一瞬にして消え、落ちてくるやつと交差する。

 ビシンッ――

 赤い血が弧を描き、直後、キンガシンネンの頭がゴロリと転がり、大きな体は墜落の勢いそのままに地面に激しく衝突した。


「……ふう。 手応え、あり」

「……ラヴィさんかっけぇっす」

 一太刀のうちにあの巨体を切り捨てたラヴィは、まるで何事もなかったかのように刀をふるって鞘に戻した。

 ディスイズ、ラストサムライぃ……


「ラヴィさぁぁん!さすがでしたわ!! 落ちてくる巨体と、昇りゆく可憐な狼――ワタクシの目にはあの一幕、金の装飾が施された額縁に収まって見えましたわぁぁ!! あ、マヒルさんもナイスアシストですわ」

「おいっ!温度差!! ま、まあともかくみんなナイスだった!初戦闘初勝利ってか!こりゃあ今年も幸先良さそ――あだっ!?」


 勝利気分に酔っていた俺は、何かにつまづいて盛大にすっころんだ。

 少し顔を上げた先にあったのは、笑いをこらえて肩を震わせるベルの顔。

 あぁんのやろう……!


「ぷぷっ……ぶふぅっ……! マ、マヒルさんったら、よ、良かったじゃありませんの……プフッ! ほら、足元にウンが付きましたわよ? ププフゥ……!」

「……【パライズ】」

「あびびびびびびびび――!?!?」


 ベルはツインテールの先までぶるぶる震わせながらベシャアッと地面に倒れた。

 ……うん、正義は勝つ!!

最後まで読んでいただきありがとうございました!

感想等、お気軽にいただけたら幸いです!

次回もよろしくお願いいたしますm(__)m

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