陳紅珠若返る
##### 銭湯にて
「いやー、最近のヒミコ様の食事の管理には参ったわ‥」とうさちゃんが嘆いている。
「どうかしたのですか?」と智英が尋ねた。
「嫌ね‥、ローラさんから味付け装置を頂いてからなんだけど、色んな味を作れるのはいいのだけどヒミコ様の食料が増えてしまって大変なのよね。特に好みの味になった時なんてそりゃもう、やめられない止まらないという状況で普段の3倍程度食べてしまうのよね」
「それは確かに大変ですね」
「そうなのよ。そんなことばかりしていたら体に悪いから注意していたんだけどね。やっぱり言う事を聞いてくれないのよね‥」
「そうですか……。確かにそうでしょうね」と智英が同意する。
「まあ、それはまだいいけど、それよりも最近は犯罪者の供給が減って来て貯蔵庫には一般市民ばかりになってきてねそれも急激に減ってきたのよ」とうさちゃん。
「それでもうさちゃん国の男性は増え続けてるので食料不足の心配は全然ないんだけどね」と続ける。
「そう言えば、確かにそうですね。最近は犯罪者が急激に減っていますね」と智英も答える。
「でも、そうなると食料不足はないとはいえうさちゃん国の男性をそのまま食料にさせてしまうと、せっかくの労働力が減ってしまうのよね。みんなやっと仕事が出来るようになってきたというのに。でもヒミコ様はそんなこと気になさるお方じゃないし…」
「それはそうでしょうね」
「だから、移民や難民の男性を食料に出来ればなぁと思ってるのよね。かといって受け入れても人口が増えすぎて管理が行き届かなくなるしね。正直桃源郷の総括を誰かやってくれれば私も管理に集中できるんだけどねえ。あっ、そうだよかったら誰か桃源郷の総括管理やってみない?」と冗談交じりに言うと
「私は自分の国だけで手一杯ですし、うさちゃんのフォローがあって何とかやってる状態ですので無理ですねぇ」と智英。
「そうだな、私も自分の国だけで精いっぱいだな」と姚晨。
「私はこの国のみんなのために尽くすので精いっぱいで、他の国の面倒を見る余裕はありませんから、お断りします」と夢華。
「そうね、まあ、しょうがないわね。もし興味があったらいつでも言ってね」
「それにしても、本当にどうしようかしら?まさか、こんなになるなんて計算外だったわ」と頭を悩ませるうさちゃんだった。
「でも、うさちゃんさんがそう言う事態になっているってことはそのうちヒミコ様が行動を起こすんじゃないですか?ヒミコ様はそういう行動力はありますから」
「そうよねー。でもその時に食料を食べてくれる男の人を沢山渡さないとヒミコ様に怒られそうなんだけど」
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「まあ、色々言いましたがとにかく明日、若返りを開始します。それまでに生贄の男達を用意しておいてくださいね」とヒミコ様は宣言した。が、
「えっ!あっ、い、いきなりですか?突然明日って言われてもどうやって集めたらいいのか…」と狼狽える紅珠だが
「そうねぇ。その辺から攫って来ればいいんじゃないかしら」とさらっと恐ろしい事をいうヒミコ。
「えっ!それは駄目ですよ。そんなことしたら捕まっちゃうじゃないですか」と紅珠は言うが
「大丈夫よ、私を誰だと思ってるの?文句を言ってくる人がいたらそれこそ餌にすればいいだけだから大丈夫よ。それに万が一何かあったら全部うさちゃんのせいにすればいいのよ」などと言うヒミコ。
「え?私?私のせいって…」とうさちゃん。
「お願いします。うさちゃんさん、協力していただけませんか?」
「仕方がないわね。まあ、40~50人程度なら身代わりバンクなどで集められるかなあ?紅珠さんは生贄希望者に払うお金持ってる?安い所で一人あたり1千万て所かなあ」とうさちゃんが言った。
「ええっ?一人辺り1千万円ですか?そんな高いんですか?」
「円ではなくてここではYという単位なんだけどまあほぼ価値は同じだしまあいいけど‥」と突っ込みの後、
「だって身代わりバンクの人は皆家族が居るんですよ。その残された家族のためにと自分の命を犠牲にしてくれるんですから…保険金の前払いのような感覚なのよね」
「あー、なるほど……では、全員合わせても5億円ていどで済むのですね。わかりました」
「さすがねえ、5億程度って言っちゃうところが、あなたお金持ちだったの。まあ、そんな雰囲気醸しだしていたけど」とうさちゃん。
「まあ、お金だけは沢山ありますからね。このためだけに使ってもいいですわ。それに自分の人生がかかったことなのですから当然のお金だと思っています」と紅珠。
「それならまあ、なんとかなりそうね」とうさちゃん。
「そういえばお義母様はどうやって食料を集めたんですか?」と春燕が尋ねてきた。
「私はもっと大変だったわよ。身代わりバンクの事なんて解らなかったから、金貸しを結構まわったわね。返せない人の借金を代わりに立て替えてやって生贄になってもらったわね。もちろん日本には自己破産という制度はありますがそうなりそうな人たちを金融屋は先手を打って攫って来てくれるっていうか…、金融屋からすれば人の命よりお金が大切って考えの人は多いから‥」
「えー!そんな悪どい事しちゃったんですか!?」
「うん、まあ、おかげで借金踏み倒そうとした人には気の毒だったけどね。でもまあ、後先考えずにお金を借りる方も悪いって言うか‥。そもそもギャンブルや金持ちアピールみたいな見栄で借金した人達なんてあんまり同情出来ないしね」
「まあ、確かにそれはそうですね」と春燕が言った。
星美に春燕は感心した様子だった。
だがうさちゃんは思う。
(こいつも結構ヤバイ女ね‥まあローラさんといい、ここにいる若返った者達はみんな自分の美貌を最優先してるような人達だから驚きはしないけどさ)
と思ったが黙っておいた。
それから翌朝になると早速若返りを始めるためにうさちゃん国にある地下の部屋に移動するとそこには45人の男性が集まっていた。
彼らは皆、若返りをするために自分の命を犠牲にしてくれるのだという。
「あらまあ、皆さんよくお集まりいただきました。どうもありがとう」とお礼を言うと彼らもぺこりと頭を下げた。
「それでは今から始めさせていただきますがよろしいですか?」とヒミコ様が聞くと全員が首を縦に振った。
「それでは、最初は紅珠さんからお願いします。準備はいいですか?」
「はい、大丈夫です」
そして一人ずつ精気を吸い取られ干からびて行く。それが終わるとこんどは紅珠に挿入されていく。
すると若返っていくのが実感で解る。がやはり初めての事なので男性の亡骸を見ると心が痛むのだろう。
少し気分が悪い様子だった。
「大丈夫ですか?」とうさちゃんが聞くと
「はい、大丈夫です。ただ、少しこんな事をしていいのかなと思ってしまいまして……」
「まあ、気持ちが引けるのはしょうがないですがね。ここはこんな所ばかりですから……」とうさちゃんが慰めると
「そうですね、早く慣れないと」と紅珠が言った。
それから紅珠は何度も吐きそうになったりもしたが、なんとか耐えて作業を続けた。
そして最終的に20代半ば位に若返ったのだった。
そして最後の一人になると、紅珠はふぅと大きく息をつくと、感謝の気持ちを込めてお辞儀をした。
そして隣にいる春燕もペコリと頭を下げると「ありがとうございました」と言って躯に手を合わせた。
こうして無事に紅珠の若返りは成功したのだった。




