名車再生
「そして本題なのですが失礼な話になって悪いのですが、ステラさんがこのままあなたの所に嫁がせる訳にはいかないのよ。あまりにも不釣り合いすぎるのよね」
そう言われて高岡はかなり落ち込んだ表情になった。
「それでね、提案なんだけどね、あなたを桃源郷自動車連盟の副会長になってほしいの。そしてステラを会長にしてね。ステラは車の事は何も解らないのでただの肩書のみで実質の経営や管理をあなたにやってほしいのよね。」
それを聞いて
「そんな急に言われましても……」と困った顔の高岡に
「私からもお願いします」とステラは頭を下げた。
「でも、僕には経営の才能なんて無いですし……」と断ろうとするが
「私と一緒に暮らすのが嫌なの?」とステラは悲しげな目で言う。
その姿に心打たれたのか
「いいえ、そんなことはありません。精一杯頑張ります!」と高岡は答えた。
「それともう一つ、ステラはね、変態なところもあるけど本当にいいの?すぐ裸になるんだよ?」
とうさちゃんは念を押したら
「ぶっ!…」と吹き出してしまった高岡。
そして
「まあ、そんぐらいなら大目に見れますよ」と言って笑った。
そしてステラはと言うと
「もう、陽一さんたら!」と言いながら高岡の背中を何度もバシバシと叩くのであった。
こうしてステラは晴れて会長となり、高岡も副会長兼CEOになったのである。
##### 温泉にて
「ステラったらなんなのよ、あの格好は、長方形の布の真ん中に穴をあけて頭を通してるだけの格好は?」と姚晨が言う。
「え!昔の人はみんなあんな格好だったって聞いたけど、長方形衣とか言うらしいけど」とステラが答えると
「そういう事を言ってるんじゃない!なんで下着をつけないかを聞いてるのよ」
と怒る姚晨だったが
「え?仕方がないのよ。これって旦那の趣味だから。家でも裸エプロン要求されたし」とステラは真顔で答えると
「うわ、あの人変態だったの?」と姚晨はドン引きする。
「う~ん、私の夫だけが変態なのかしら?普通なんじゃない?」
「ありえない」と姚晨はあきれていた。
「まったく信じられないわ」と呆れた顔で湯船に浸かる姚晨。しかし
「でも、そういうプレイもあるのでしょうね」と夢華は言う。
「ちょっと、ちょっと何言ってるの」とうさちゃんが言う。
「旦那さんから聞いて知ってるのよ、あんたがどこにでも裸で出かけようとするのを止めようと注意してもやめないのでせめてこれだけでも来てろって渡されたんですよね。裸エプロンだって服着てくれって頼まれたら解ったって言ってエプロンだけつけたって聞いてるわよ」
「あっ、ばれちゃってた。ええ、そうよ。陽一さん優しいから」
「バカなの?なんでそんな事になるの?」
「さあ?わからないわ」と首を傾げるステラにさらに呆れる姚晨と夢華。
「それにしても、高岡氏もよく我慢できるわね」とうさちゃんは言う。
「でも、陽一さんも本当は嬉しいんだと思うわ。だって私の裸をじっと見てるもの。それに他人には見せたくないって言ってくれたしね」
とステラが言うと
「まあ、それなら仕方がないかな」とうさちゃんは納得する。しかし、その一方で、その話を聞いていた麗奈は
「うわ‥キモい‥」と吐き捨てるように言った。
「まあまあ、麗奈さん。確かにそういう一面もあるかもしれないけど、優勝してまで手に入れるほど好きだったんだからさ、そんな好きな子が裸で動き回っていたら見入ってしまうと思いますよ」と夢華が言う。
すると
「そう?私は解らないわ。だって麗奈はそんな男と付き合うつもりなんてないもの」
「あら、残念ね。もしもの時に参考にならないかなと思ってましたが」
「参考にする必要はないわよ。私は一生恋愛はしないわ」と麗奈は答えた。
「でも、あなたも、あんな格好喜んでするわね」
と姚晨が言うと
「そうよね、でも意外と快適なんですよ、裸エプロンは」とステラが答える。
それを聞いてさらに引く三人であった。
「それよりも、姚晨さんもいつも水着を着て湯船に入るのもおかしくないですか?女同士なんだからいい加減に裸になったらどう?」と麗奈が尋ねてきた。
「だって恥ずかしいし‥それに落ち着かないんですよ」と姚晨は答える。すると
「だ~か~ら~それやめなさいって何度も言っていますよね。みんな裸なんですよ?恥ずかしいと思う方がおかしいんですよ」と夢華が注意するがそれでも姚晨は首を横に振る。
「じゃあ、私が脱がせましょうか?」とうさちゃんが言うと
「嫌です!」と姚晨は拒否した。
すると
「ほら!抵抗しないの!私が脱がせてあげます」と麗奈が言うと
「お願いですから止めて下さい。恥ずかしいです!」と言って抵抗するが無理やり脱がされる。
「いや!見ないでください」と言うがもう遅い。
全裸になった姚晨だったが胸を隠して泣きそうな顔になっていた。
「はいはい、もうこれでいいでしょ」とうさちゃんは言う。
「はい‥‥」とうつむいたまま返事をする姚晨だが水着を奪い返してまた着てしまう。
そしてまたお風呂に入る姚晨であった。
「本当、往生際が悪いわね」とうさちゃんはあきれ返る。
「ところで姚晨さんはなんで水着を着続けるの?」と夢華が聞く。
「それは‥‥」と口ごもる姚晨だが
「じゃあなんで?」と再度尋ねると
「そ、それは‥‥秘密です」としか答えなかった。
そして再び沈黙が訪れる。そして
「いいです。言いたくありません」と言うと、湯船の中に潜り込んでしまった。
「しかしステラはどこでも裸になるし姚晨さんは温泉でも裸にならない。一体なんなの?あなた達って…足して2で割るとちょうどいいのにね」と麗奈が言うと
「そうね、足して割りたくなるよね」とうさちゃんも答える。
そしてみんなも頷く。
#####
「どう?調子は?上手くやってる?」とうさちゃんが高岡に声をかけた。
「うーん結構大変ですね。レースのレギュレーションとか色々決めなくてはならないし」
「レギュレーション?」とステラが聞き返す。
「競技規則って奴。各クラスで使用できるパーツとか改造箇所とか色々定められてるんですよ」と高岡は答える。
「そんな細かいことをきめるの大変ですね。うちはまだ初心者の方が多いし」と夢華が同情する。
「まったく苦労ばかりさせるな」と麗奈が言う。
「まあまあ、皆さん協力してくれて感謝していますよ」と高岡は答える。
「それと部品の供給が追い付かないんですよね。なにせ廃盤の車種も多いし職人さんにオーダーメイドで頼むことになるから」と高岡。
それを聞いてうさちゃんは言った。
「なんとか出来ないものですかねえ?職人さんをもっと増やすとかして」
「いえ、それよりもいい手があるのですが」
「何かしら?力になれそうなら協力するけど」とうさちゃん。
「えっと、こういうのはどうでしょうか。3DプリンターとNC工作機械を導入するというのは?」と高岡
が提案する。
「へー、なんか凄いの?」と夢華。
「どういう事なんですか?」と姚晨。
「簡単に言えば、どんな形状の部品でも正確に作ることができる装置なんです」と高岡が説明した。
「しかし、かなりのお金が必要よね、そんなものを買うには」と麗奈。
「その代わりと言ってはなんですが、部品代はかなり安くできると思いますよ。それに今後、これらの機器が普及すれば職人不足も解消するんじゃないかと思いまして」と高岡は答える。
すると
「なるほど……ねえ、それって私達の国でも使える技術ですかね?」と夢華が質問する。
「使えますよ。例えば今まで廃車にされていた古い車を蘇らせたりできますし、現在使われていない技術を復活させたりも可能になります。まあ、要は人間の知識次第で新しい事が可能になりますよ」と高岡は答えた。
「じゃあ、今すぐ導入しましょう」とうさちゃん。
「それってうさちゃん国でも利益があるんですか?」と姚晨が疑問を抱くと
「ええ、ありますよ。もし我々がその3Dプリンターなどを導入したら需要が増えますから価格が安くなって大量生産できて部品代も抑える事ができます」
「確かにそれは大きなメリットになりそうですね」と夢華は言う。




