↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
地球 ヒミコ  作者: ミゼットくん
四女神連邦編
PR
81/105

農道のポルシェ スーパーチャージャー搭載の軽トラの爆走

「お疲れさまです」とスタッフの一人が言う。

そのとき責任者らしき人物が走ってきた。

「うさちゃんさんに、頼みたいことがあったんです。間に合ってよかった!」と肩で息を切らしながら走ってきた。

「どうしたの?」

「うさちゃんさんに早くここの名前を決めていただきたくて…自分で命名するって言ってましたよね?」


「あ!そうだった」とうさちゃんは言う。

「それでね、このサーキット場の名前なんだけど‥」


「はい、ぜひお願いします!」と目を輝かせながら言うスタッフに向かってうさちゃんは


「じゃあ、『桃源郷サーキット』というのはどうかしら?」と言った。

「『桃源郷』ですか!とてもいい響きですね!まさにこの場所に相応しい名前だと思います!」と喜んでいる。

そして


「『桃源郷サーキット』がいいですね!わかりました!では『桃源郷サーキット』で決定します!ありがとうございます!」と喜んでいた。

うさちゃんは「よかった‥」と呟くと

「はい、ではこれから宜しくお願い致します!」と言うと頭を下げるスタッフ一同。

「いえ、こちらこそありがとうございました」と返事をした。

「また来てくださいね」と言い残して去って行った。


「本当にありがとうございました!」とお辞儀をした後に車に乗り込む姚晨。

そして帰路につくと


「うさちゃんさん!今日は本当に楽しかったです。また来たいと思いました」と満足気な表情で言うので

「ああ、良かったわね。今度はもっと練習してライセンスも取って他人に迷惑かからないようにしていこうね」とうさちゃんは言った。

「はーい」

「じゃあ帰りましょうか」と言って帰路に就いた。


##### 桃源郷サーキット


「見たか!このNSXの圧倒的スピードを」


「くそう、悔しいが俺もGT-R(R33)に乗ってるがかなり劣っている」

「やはり次期マシンはNSX-RかNSX-GTタイプRで決まりだろうな。GT-Rも悪くないんだがNSXの走りを見てしまうと少し物足りなくなるんだよな」


「さて、次はバトル形式で勝負しようぜ」

「望むところだ」

そしてスタートし先頭争いを演じる。


「やっぱり俺のNSXは強いなあ」と勝利を確信しているかのように呟いた。

一方のライバルも負けていなかった。

「なんとしても追い抜いてやる!」と意気込んでいた。


NSXはここでは無双状態だった。


「じゃあ、今度は俺が勝負だ」と一人の男性が勝負を仕掛けてくる。

「俺もだ!俺も走るぞ!」と他の男性も手を上げた。

男性の一人はあろうことかなんと軽トラだ。もう一人の男性はピノだ。

しかし乗っている車種に関係なく彼らは勝負に燃えていた。それぞれ自分の愛車に乗り込むとエンジンをかけた。


「ふざけるなよ!そんなんで勝負になるか。」とNSXの男性が言った。が、

「そのセリフはこれを見てから言ってくれ!」と勝負を挑んだ2名が叫ぶ。

軽トラはスバル製のサンバートラック。もう一台はボンネットに吸気口のあるピノだ。

サンバートラックといえばその界隈では『農道のポルシェ』と言われているほどの名車なのだ。

ミッドシップエンジンで旋回性能は抜群でさらにスーパーチャージャー搭載により100馬力のパワーを発揮する。2WDだが悪路走破性も高い。


ピノも吸気口がついてるところをみるとターボチューニングしているらしい。一体何馬力出るのだろう。

さらに2台とも足回りも完璧にいじってる感すらあった。ダンパーなんて純正ではないのは明らかだ。

「ふん、面白い、少しいじったくらいでこのNSX相手に勝てる訳ないだろ!勝負してやんよ!」



#####


スタート地点に3台が並ぶ。

「スタート5秒前!3・2・1、スタート!」

の掛け声とともに3台が一斉にスタートした。

直線で一気にNSXが2台を引き離して行く。

「やっぱ、スゲーな、あのNSXの加速は」周囲の声がざわめいている。

「ふん!やっぱりこんなもんだぜ!いくらチューニングしたって所詮軽は軽。このハイパワーに勝てる訳がないだろ。さらにこのミッドシップレイアウト。まさにサーキットを走るための車だぜ」と浸っている。が、

「もうすぐコーナーだ…よしここだ!フルブレーキング!」とNSXがブレーキングを行った。


しかし

「なに?どうした、え?二台が一気に迫って…?え?」NSXがブレーキをかけた途端二台が猛烈に迫って来てインからあっさり抜き去ってしまった。

「え?え?一体何が起きてるんだ?」と動揺を隠せない。NSXのライバルだったGT-Rのドライバーもその光景を見て呆然としている。

「ば、バカな、あの2台があのNSXを抜くだとぉ!」と周りが騒然となっている。


「うおおおっ、速ぇぇぇぇー!!」と観客から絶叫が上がった。

「な、なんでだ、あのピノ、ブレーキングランプつけっぱなしじゃねえか…なんでこんな速いんだ?」とNSXドライバーは唖然としている。

「うおーっしゃあああ!!!最高に気持ち良いぜ!!」とピノに乗った男性は雄叫びをあげていた。

そしてそのまま2台が差を開いていく。

「ふ、NSXのドライバーは驚いてるらしいな。だがな決定的な違いがあるんだよ!お前のブレーキングはスピードを落とすための使い方、だが俺は荷重移動のためのブレーキなんだ」とピノのドライバーは説明した。

「確かにそうだな。NSXのドライバーはブレーキをかける時は必ずタイヤをロックさせて減速する。だからコーナーの進入が遅い。だがそんなのはFFの性能上コーナーでは曲がれないから軽くブレーキを踏みアンダーステアを解消しなくてはならないからな。だがこのサンバートラックはFRだそんな曲がらない車とは訳が違うぜ」と軽トラのドライバーが言う。


軽トラの曲がり方はピノとは違いコーナーでパカン、パカンとブレーキランプが光るだけ。FFとは荷重移動の使い方が違うからだ。

コーナーでリアが滑って行かないようにするためのブレーキングだ。軽トラはリアタイヤがこまめなスライドを繰り返しながら鮮やかに曲がっていく。



「それだけじゃないんだよ。この軽トラは4WDじゃないんだ。つまり前後重量配分がほぼ均等なんだよ。これがどういうことかわかるか?」


「そんな‥‥ありえない‥‥」とNSXドライバーは絶句した。

「このサンバートラックは本来キャビンの部分をすべて後方に移動させてバランスをとっているからな。普通の車と違ってリアが重くなりすぎることがないんだ。だからアンダーステアの心配もしなくて済む。しかも660ccのパワフルなエンジンにハイギヤードの4速MTという組み合わせで発進加速もグッド! 最高速だって時速150キロも出るんだ」


「それにこのピノもな! 2ストロークエンジンにターボチャージャーを装備してあるから最高出力95馬力を叩きだすんだぞ!」とピノのドライバーも加勢する。


「くそっ‥‥こんな化け物どもが‥‥」とNSXドライバーは悔しさに歯ぎしりをした。


「まだ勝負は終わっていないぞ! コースが短ければパワーにものを言わせて押し切れるだろうが複合コーナーがあれば軽量な車のほうが有利になってくるんだ! フォフォフォフォ!!」とピノドライバーが高笑いしながら言った。


「ちっ‥‥こうなりゃ自棄だ! 押して押しまくってやる!!」とNSXドライバーはアクセル全開で追撃を開始した。

直線では差を縮められるが開いた差をひっくり返すまでにはいたらない。コーナーの度にどんどん差が開いていく。だが直線に入れば差が詰まっていく。

お互い譲らぬ攻防が続く。最終コーナーを立ち上がるとラストストレートへ。


「負けてたまるか! 」と叫びながらNSXドライバーはシフトアップしスパートをかける。


「くっそ! 振り切れねえ! 悪ぃけどまだまだ譲らねえよ!」と軽トラのドライバーが叫んだ。

そしてゴールラインを越えた。


結果は2台が同着でフィニッシュラインを通過した。

まあ、正式な試合などではないのでコンマ何秒は誰も気にしていなかったので同着という結果だ。


「ひゃっほー! やったぜ!! 俺たちの勝ちだ!」と軽トラのドライバーが右手を高く突き上げた。


「いやぁ~スゲー勝負だったな。正直言ってちょっと感動したよ」と観客の一人が呟いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。