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若返りの犠牲者達

「もちろん!貴女の力を借りるためだもの」と答えた。

それを聞いてヒミコは興奮を抑えきれず叫んだ。

「凄いわ!こんなものがあるなんて‥夢のようだわ!」とテンションMAXになっていた。

それを見ながらローラは思った。(ふふ、思った通りの反応ね。やっぱりこの人間改造装置は最高の餌になるわ、玉兎さんに相談して良かったわ)と心の中で笑っていた。

そしてヒミコに向き直ると「さてと、これで交換条件は整いましたね?」と確認してきた。

それを聞いてヒミコは頷き、ローラに向き直った。

「わかったわ。それで若返りを希望しているっていう事だけど若返るためにはそのエネルギー源として男の精気が必要なの。男一人につき1年若返ると思って頂戴ね。でも私はあげないからね。そこは若返りたい年齢分は自分で用意してね。それでよければ若返らせてあげるわ」とヒミコ

は提示した。

「ええ、わかっていますわ。ヒミコ様の手を煩わせることはしません。準備してありますのでどうぞお使いください」と言って後ろに控えていた護衛達に合図を送る。

護衛たちは手錠をかけられたり縛られたりして拘束された男性を20名ほど連れてきた。どこから連れてきたのだろう。嫌がってあがいてる人が大勢いるのだが‥


「どうぞご自由にお召し上がりくださいませ」とローラは微笑みながら言う。ヒミコは嬉しそうに口を開いた。

「まあ食べると言っても今回は食べた分をあなたに移すだけだから実際食べたのはローラという事になるんだけど」

「解りました。お任せします」とローラは返事をした。

「さっそくだけど、あんた!食べられてみなさい!」と一人の男性を指さした。

その男は怯えきっていた。

「嫌だ!やめてくれ!」と懇願していたが聞き入れられることはなかった。ヒミコはまず指をパチンと鳴らした。すると周りの空気がピンと張り詰めた。

男性は金縛りにあったかのように身動き一つ取れなくなった。

それを見たローラは「素晴らしい!」と拍手をした。

「しかしみんな嫌がってるようだけどどこから連れてきたのよ」と玉兎がローラに尋ねた。

「みんな私の部下よ。今日のために拘束しておいたの」と悪びれもなく話す。

「…あなたって…本当に鬼のようね、自分の部下をよくもまあ…」と嫌悪感をあらわにする玉兎。そして心の底からこう思った。(ローラ様は敵に回すと恐ろしい人物なのかもしれない)が、

「いやいや、それを言うならヒミコ様やあなたも似たような物でしょ」と言われヒミコも

「いやいや、ローラほどじゃありませんって」とニコニコ答える。

「いや、ヒミコ様の方が…」「いや、いや、ローラには負けますわよ」とニコニコしながら言い合ってる。なんなんだこの状況は?さっきまで喧嘩してたのに似た者同士だ。

と玉兎は思った。どちらも自分さえよければ他人の命なんてどうでもいいのだろう。若い男性も随分といるのに。

「おねがいします。私は去年結婚したばかりなんです。妻と子供が私の帰りを待ってるんです。」とそのうちの一人が騒ぎ始める

「ちくしょう!だましやがって!何が給料はずむからうちで働けだ!離せ!」

「ふざけるな!絶対ゆるさん!呪ってやる!」などこれから餌にされようとする男性たちが喚きだす。がヒミコの手にかかり一瞬で沈黙してしまう。

「さぁ、はじめましょうか」

ヒミコは言った。ローラも嬉しそうに頷いた。

「ちょっとこれはあまりにも酷すぎです!いくら何でも可哀そうですよ」と玉兎が抗議しはじめた。

「何怒ってるのよ、うさちゃん?。こんなのいつもの事でしょ」とヒミコは不思議そうだ。その言葉を聞き玉兎はさらに苛立ちを募らせる。

「ヒミコ様はいいんです。いつもの事ですから。問題はローラ様の方です!」

「え?なぜ?だってヒミコ様は自分の餌は人にはあげないだろうから若くなりたいのなら自分の分は自分で用意しろって言ってたじゃない。だから用意したんだけど‥」とローラもキョトンとして不思議そうだ。


「確かにそうは言ったけど‥でも彼らは罪を犯したわけではありませんし、自ら志願したわけではないのですよ!」

と怒りを露にする玉兎に対しローラは

「ふーん……で?それで?何か問題でもあるのかしら?ヒミコ様は彼らを使って私を若返らせてほしいんでしょ?だったら私達がその通りに行動してるだけじゃない。文句を言われる筋合いはないわよ」と真顔で答える。

しかし玉兎は負けずに反論した。

「あなたねぇ‥普通の人間は他人を平気で犠牲にして若返ろうとは思わないんですよ。それと彼らはもう十分な人生を過ごしています。彼らには愛する家族がいるのですからそれを奪う権利はありません」と力強く言い放った。

「じゃあ、どうしろっていうのよ。私は他人がどうなろうと若くなりたい。でも若くなるには生贄が必要。だったらこうするしかないでしょ!」とローラ。


「いや、だから強制的ではなくお金と引き換えに命を捧げる覚悟がある人を買うとか自殺志願者を連れてくるとかいろいろあるでしょ。そのための人身売買ルートだってあるんだから。」と玉兎。

まあ、言われてみれば確かに合理的で遺恨も残らない。

と納得はできた。たしかに私情が先行しすぎだった。と反省するローラ。

「そうですね。自分が若返る事ばかり考えて気が付かなかったわ。次回からそうする事にするわよ!」とため息交じりに言った。どうしても今回は譲る気がないとも受け取れるが。

「いやいやそうじゃなくて今回も諦めてください!」と玉兎が説得しようとする。が、

「そんなのなんだっていいじゃない!私はいただくわよ!」とニコニコしながらヒミコが言う。

どうやら、若返りとかはどうでもいいようだが、この人間改造装置による人間の味変という点に興味があるようだ。そのためなら他人の犠牲なんて知ったこっちゃないという感じだ。

そして玉兎にこう続けた。

「まあ、私的にはうさちゃんの言うこともわかるよ。でもね‥こういうのは理屈じゃないのよ。それとローラに関しては本当にうさちゃんと同じことを言いたい。でもね、これが普通なのよ。他の人間は生きるために努力するじゃない?でも私は違うのよ。私は生きる上で人間から精気を奪わないと生きていけないから人を襲う。そこに善悪はないのよ。だから今回の場合はどちらが正しいとか間違ってるって話ではないと思うわ」とローラを擁護した。

「まあ、あなたがそういうならそうなんでしょうけど……」と渋々引き下がる玉兎。

「うん、じゃあ食べまーす!」と言ってパチンと指を鳴らすと男性20人が凍っていった。

「ちょっ…ちょっと待ってください!餌にするというのは解りました。それはもう仕方がないのでしょう」

「じゃあもういいわよね」とヒミコ。

「そういう事ではなくて今は冷凍庫に保管してある男か国で飼育してる者から食べてくださいという事でどうでしょう。


それなら年齢的にも美味しいでしょうし。ここにいる人たちは若いのだからもう少し肥えてから頂くという事で‥」と商品の先入れ先出し方式を提案した。


「まあ、それなら……」と渋々納得するヒミコ。

「じゃあ決まりね!決まったのならさっそくやりましょう!」とローラが嬉々として答えた。


「じゃあ早速冷凍庫にある男を調理してきなさい!」と命令した。

(まあ、ローラの部下ならいつでも好きなときに食べられるしね)

と心の中で呟いた。

「はい、すぐに調理してきます」と言ってアリスに合図を送るとアリスは部屋から出ていった。

「それとローラ様は餌になってくれる部下や家族には生活位は保証してあげてくださいね。そうしないと怨恨が残ってしまいますから」と玉兎は忠告した。

ローラはそれを聞きながら顔を曇らせた。

(確かにその通りよね……でもそれをしたら後悔するのは私自身よね。もう引き返せないところまで来ちゃったし)

と思いながらも返事をした。

「ええ、もちろんよ。私のせいであの子達が悲しむなんて事は避けたいわ」と笑顔を見せた。


「それじゃあ調理はもう少しかかるでしょうからお茶でもいかがでしょうか?」とローラが提案した。すると玉兎は

「私はコーヒーをお願いします」と言うとアリスがコーヒーを持ってきた。

そしてしばらく雑談をしてから数分後

アリスが男を連れてきた。さっそく調理器を使って味付けをした男達だ。ヒミコはゴクリと生唾を飲み込んだ。ヒミコにとってとても美味しそうに思えたのだ。

人間で例えるなら好物の寿司やステーキを目の前に置かれた感じだ。よだれが出そうになるほどだ。

「ローラ!ありがたいわ。これはまた……楽しみが増えたわ!」

とヒミコ。

「どういたしまして」と答えるローラ。ローラとしてもヒミコに恩を売る事ができうえに若返る事ができそうで一石二鳥だと笑顔だ。

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