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狙われた『長州きもの学園』

「あらあら美味しそうね。いただくわ」

と言って指を弾く。すると料理は一瞬で消え去った。

その後20人程度を食べてからローラを20歳若返らし、そうするとまたお腹が減るので再び食事を繰り返す。20人程度食べてとりあえずは満足だ。

「じゃあ今日はこれで終了ね。60歳程度まで戻ったようね。20歳程度まで戻るにはあと40人程用意してきてね」とヒミコはいった。

あっさりと終わってしまい、ローラとしては物足りなかったが、その余裕さにさすがヒミコ様、といわざる負えない。が、次からはまた20人調達するだけなのだから楽なもんだ、とも思った。

「それじゃあ玉兎さん。残りの40人分の代金を払いますので用意をお願いします。あ、もちろんこれとは別に玉兎さんにはきちんと報酬は払いますので」

「ありがとうね」と玉兎。「後日連絡をいただけると嬉しいわ。では、またお会いしましょう」と笑顔でローラに握手を求めた。

ローラもそれに応じた。玉兎の手を握り返すと

「今日は本当にありがとうございました。ヒミコ様、またいずれお会いしましょう」と言って帰っていった。


「いやーしかし20歳になった時の反応が楽しみだね」とヒミコ。

「そうですね。きっと驚くでしょう。20歳に戻ったらもっと綺麗になるでしょうしね。その時は是非私たちにも見せて欲しいものです」とアリスも微笑みながら言った。


その後、ローラは餌にしてしまった部下達には破格ともいえる保証をしたのだった。なんと日本円で毎年1500万程の賠償というか保証を行う事にしたのだ。要するにこれから働かなくても年収1500万が手に入る事となる。そのうえヒミコ教国の住民(養殖扱い)のため税金もなし。そして順番も今では40年以上先でその間は医療費もかかる事はないという好待遇だ。もちろん俺は100歳まで生きるつもりだっていう人から見れば短命宣言をされた感じになってしまうがそれでもほぼ全員がこの待遇には納得というか一定の理解を示した。まあ、もちろん食われるときは泣いて暴れるだろうが……

そしてローラは世間からはこう呼ばれ畏怖される存在となった。『万古の令嬢タイムレス・レディ』と。

しかし一部のインターネットメディアではこう呼ばれることもある。『裏社会の大物美人画皮婆ヴァンパイア・ヴィーナス』という名で。

同時に玉兎の事を『満月のバニーガール』と呼ばれることのなった。本人としては恥ずかしいし一国の代表の立場としての威厳を損なわれそうで嫌だったのだが‥

アリスに至っては『不思議な国のアリス』なんていう何かの題名そのままだし‥

しかしこれはもう慣れないといけないと思った。すでに世界的な知名度を持つ三人のヒミコ、アリス、玉兎は。

皮肉な事に玉兎に関しては表の顔が有名すぎてネットで大量のミームが発生してしまったことがなんとも…


###3カ月後ヒミコ教国###

「この20人で最後です。どうぞお納めください」

「どうもありがとう」

ローラが60人に及ぶ部下を用意し終わった。

さすがに60年分だ。結構骨が折れたが、60年若返りをするという事で仕方がない。

しかし想定外だったのが餌となる男性の確保だ。当初は身代わりバンクのような所から確保する予定だったのだが最初に犠牲(?)となった部下たちの現状をみて志願する部下が大勢名乗りをあげたのだ。

なので身代わり保険と違い保証料という名目のお金が膨れ上がったが、20代の身体に戻れるとなれば安いものだとローラは思った。

その分ローラの評価も上がったのは幸いだが‥

こうして全ての餌の支払いを終えたのであった。


###日本からの訪問者


ある日、ローラの若返りの噂を聞きつけ一人の日本人女性がヒミコの屋敷を訪れた。

彼女の名は美都星美(48歳)といい日本ではちょっとした成金タイプの資産家の奥さんだ。

「あの、ヒミコ様にお会いになりたいのですが‥」

「どういったご要件でしょうか?約束などはおありで?」と家政婦さんらしき人物が対応にあたってくれた。しかし要件を話そうとすると、

「もし、要件内容が若返り希望などでしたらお取次ぎはできませんので」とも言ってきた。ヒミコ様は暇ではないということだろうか。

「なぜですか?せっかくはるばるここまで足を運んだのに。取り次いでくれる位はしてもいいでしょ。それに若返りの代金はきちんとお支払するつもりです!」と少し声を荒げてしまったが、

「いえ、そういうお金の話ではないのです。お金さえ払えばいいだろうという人が最近多くて困るのですがすべてお断りしているという状況でして…」

「じゃあ、ローラさんはなぜ若返りをさせてもらったのですか?」と疑問を投げかけたその時、たまたま通りがかった玉兎が聞きつけ対応してくれた。

「あのね、彼女の言う通りヒミコ様はお金では動かないお方なの。なにかしらヒミコ様にとってメリットがないと話すらまともに聞いてもらえないわよ」

「その点、現在若返りをしてもらってる人は私を含め3名という事になりますが私とアリスはヒミコ様の食料管理のために、ローラ様はヒミコ様にグルメの娯楽を与えたために認められたからなのよ!」

「え、では私も何らかのヒミコ様にとってメリットを与えれば若返らせてもらえると言うことなのですね」

「ええ、そういうこと」

「わかりました。絶対にヒミコ様に認められて若返りさせてもらいます!」

そして彼女は帰って行った。



「ねえ、何かいいアイディアないかしらね?」と星美は旦那に相談した。しかし

「別に無理に若がらなくても星美ちゃんは十分魅力的だと思うよ」と言ってくるだけだった。

「いやいや、あんたはそれでいいけど私はいやよ!どうしても若返りたいの。あんたもその方がいいでしょ?」

「‥まあ、そうかも……でも俺もあと少ししたら現役引退だしなぁ……」と旦那

「いい?私が若返ったら今まで以上に可愛がってあげるし、夜の相手も積極的にするわよ?もちろん肉体関係なくしたいっていうならそれでもいいけど?」と星美が言うと旦那は少し考えてから

「うーん……わかった。協力しよう!でも…何をすればいいのか全然見当がつかないし…」と真剣な眼差しで星美を見据えてきた。

「気に入られればあんたも若さを手に入れられるかもしれないしね」と言ったが、

「俺はいいかな。このままで星美ちゃんさえいればそれで満足だし。」

「あらあら、素直な男は嫌いじゃないわよ」と言って星美はベッドに寝かされている旦那に覆いかぶさった。


ある日何気なく星美はネットを閲覧していると一つのニュースが目に入った。長州きもの学園の株が仕手株化して天井知らずで上昇しているというのだ。

長州きもの学園と言えば着物の生産や着付け教室などをメインとして事業を行っている会社だ。

ただ近年は若者の着物離れや着物を着なくなった人が原因で最近は業績不振で株価も50円程度まで下落していたという。理論株価など今や40円程度なのにだ。

それが仕手化して今では20000円越えというとんでもない上昇率だ。

確かに最近の傾向で着物を着た外国人旅行客が増えていたからそうなるのもわかる気がするがこの上昇率は異常だ。

いくらなんでも上がりすぎている気がする。でも問題はそこじゃーーない。ある直感が脳裏をよぎった。

即座に実行に移すことを決めM&Aに強いコンサルタントを探すよう人に頼もうとしたのだが専業主婦の彼女にとってそんな人なんて知らないので旦那に相談してみた。

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