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食料供給過剰問題

ヒミコ教国は女性は一切受け入れ拒否を行っていたので移住者は男性のみ。


そして移住者はすべて食料候補と認識されているのだがみんな気にするどころか嬉々としていた。

この国の人間たちはどこかおかしいのではないか?と思わせるほどだった。

だが男性からみれば順番が来るまでは絶対に生きていられる最強の保険に入ったような物なのだ。

ある程度の肉体的強化もされ即死なんてことはほぼ不可能といえる事もある。

怪我や病気は全治する。それに子孫も残せるというのだから悪くはないだろう。

なにより食糧難なんてないから飢え死にとは無縁の生活だ。贅沢はできないが。

でもそれも金があれば多少の贅沢は出来る。何が言いたいのかと言うと不自由はしない生活であると言える。つまりこの国での生活は極楽である。

ただ、世界中に存在する宗教とは違いヒミコ教では男性にだけしかヒミコは加護を与えないので他の宗教と比べると天と地の差がある。

このことがのちに大問題を引き起こす事になるのだが。



最近、世界中で…特に顕著に現れたのはヒミコ教国でだが深刻な問題が発生し始めたのだ。ヒミコ様の食糧問題についてだ。

食料不足なんかではない。その逆だ。供給が多すぎて需要が追い付いて来れないのだ。

理由はとてもおかしな話だが餌になりたがる若者たちが激増したのだ。

最近はただでさえ供給が多いので餌になるまでの期間が長くなりすぎているからだ。現状、餌認定されてから実際に食べられるのは40~50年待ちが普通だ。

さらに50歳辺りが一番おいしいからと中年男性を順番を無視して頂く事もあるのでさらに伸びる。

若者たちからすれば少なくとも50歳程度までは病気や怪我から守られるという圧倒的な保険のような感覚なのだ。

だからそれなりに命懸けのような冒険やスポーツといった無茶もできるので餌候補になりたがる若者であふれ出したのだ。

そのため病院に行き重病患者認定を受けたり餌にしてもらえるように便宜を図ってもらえないかとの問い合わせが殺到するようになったのだ。

困ったことにヒミコ自身は餌なんて多ければ多いほど良いという考えなので気にも留めないが問題は需要と供給をコントロールしている李玲玉やその部下達となる。

なんせ食料はあればあるだけストックしておくのが基本だからだ。

年齢が50を過ぎた男性は有無を言わず保存庫行きにしているのでストックで溢れかえっているのである。

そして、現在の保管庫は7つになりそれぞれに5万人を収容することが可能になった。その保管庫の4/5は満杯になっているという現状なのだ。

つまり35万人程度の男性が保存されていることになる。李玲玉も予想外の人数であり、それにつれて若者が自ら餌になりたいと申し出てくるのも年々増えてきているのが現状だ。

「どうしましょう……もうすでにストックは一杯なのに…これ以上ストックが増えても困ります」李玲玉は頭を抱えて悩んでいる。そこにアリスが報告にやってきた。

「大変です!また餌になりたいという市民が押し寄せてきました。何とかしてください!大統領!」

「うぅぅぅ、またかぁ……これ以上増やしてどうするというんだ?」

「そんなことを言っている場合ではありません! 早く対策を考えなくては……」

「仕方がない。一旦供給をストップしよう。当分の間、餌を増やすのを止めよう」と李玲玉は言った。

「でもそうするとヒミコ様。怒るんじゃないのですか?」

「ああ、だから内緒な」


「でも、どうやってストップするんですか?」

「完全なストップは無理だろう。犯罪者のみ受け入れる事にする。そして犯罪者は若くても即冷凍保存か餌になってもらう。そうしないと抑止力の効果が働かないからな」


「そうですね。それしかないでしょうね。わかりました。すぐに実行します」

こうしてヒミコ教国では餌になりたがる者達が殺到し、その結果犯罪者が次々と裁かれ、餌として捧げられるようになった。

ヒミコ教国は急成長して世界の経済の中心の1つとなってしまったのだ。人口も一気に600万人と膨れ上がったがその内、約2/3が男性だ。

男性は年々増え続けていたからだ。

だがそれに反して餌となる男性しか国民になれないために圧倒的な権力は女性側となるのだが男性の扱いは丁寧という複雑な状況下だ。

それでも男性の比率が多くなればどうしても女性に対する攻撃も増えるものだがここの女性は李玲玉他上級国民を護衛できるようにと全員格闘技を叩き込まれてるので返り討ちに会うしかないのだが。

もちろん犯罪にもなるし捕まってもすぐさま餌行きなのでそもそも犯行自体は少ないのだが。

それに本国には男性は移住権がなく観光や政治やスポーツ大会などで一時的の滞在しか許されな事情もある男性は本国隣の餌のドーム、いや増えすぎたためドームは取り壊され普通の町になってしまったがそこに住むことしか許されていないのだ。その辺にヒミコ様は興味がないので李玲玉の采配になっている。

これは李玲玉が国民投票によって選ばれその初代大統領に任命したことにより成り立っているからだ。今のところ反対運動やクーデターの動きもない。ヒミコ教国民は基本善人であり平和主義者が大半だ。なので国内はいたって平穏である。

ただ供給過多になった影響は他にもある。身代わりバンクが機能しなくなってきたことだ。

いくら身代わり候補がいても身代わりを要求する男性が激減したためでもあるし、女性がお金を払って身代わりを立てようとしても供給をストップされたのではそれも意味がなくなるからだ。

それよりも逆に餌候補男性にお金を支払ってまで身代わりになりたがる者すら出てきた始末だ。なので身代わりバンクは機能を終えた。

もちろん身代わりバンクで保険料を取っていたヒミコ教国はとんでもない税収の損失でしかないように思われたのだがそれとは裏腹に世界最高水準を誇る医療技術を持った病院があるので女性患者達で溢れかえる事となり医療費収入がけた違いに増える事となった。

それに比例するように税収も増えていき、最終的にはプラスマイナスゼロどころかプラスに転じたのだ。だがこのことがさらなる問題を巻き起こすことになる。

なぜなら世界中から病気になった女性が治療を受けにやってきて莫大な費用を費やしているからだ。そのためヒミコ教国は世界トップクラスのGDPを誇ることになり、世界中から羨望の眼差しを集めることになったのだ。

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