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自爆テロvsヒミコ

###旅客機内

「おら、静かにしろ!騒いだら命はないと思え!」と犯人の一人が叫んだ。

「キャー!」女性の悲鳴がしたが犯人の一人に「うるさい!黙れ!」と言われ機関銃で頭を叩かれて倒れこんでしまう。


「この機体は我々がハイジャックした!機長も我らの手の中だ。指示した場所へ向かう事になってる」

「何を馬鹿な事を、目的は何?」と李玲玉が問うが「だまっていろというのが解らんのか」と同じく機関銃で腹を突かれてうずくまってしまう。が、必死に

「こんなことをしてただですむと思ってるの?私はヒミコ様のお気に入りなのよ!あんた達殺されてしまうわよ!」と忠告した。すると乗客からはざわめきがおこる。

李玲玉が大統領だということを知ってるのだ。

「わはっはっはっ。これは面白い事を言う。だがそんな脅しは無意味だ。どうせこれからみんな死ぬんだからな」

「な、何ですって!どういう事なの?」と李玲玉が問う。

「いいだろう、どうせ目的地に着くまで暇なんだ。それくらい教えてやるさ。これからこの機体はあんたの国へ向かうのだ。そのど真ん中に突っ込むのだ」と犯人の一人が言う。

「なんのためにそんなことを!」李玲玉は思わず問う。

「簡単な事だ!浄化だ!穢れた魂を浄化するためだ!それがわが教祖の教えなのだ!」と説明した。

「そうよ!特にあんたはヒミコ教などとインチキな神を崇拝しているなど許しき行為」と犯人一味の女性が話す。

「ヒミコ様がインチキですって!あんた達の方がインチキでしょ!信者にテロ行為をさせるなんて何が神よ!」と李玲玉は声を荒げた。しかし犯人達は気にもせず

「お前らのインチキ神と違って我らの教祖様は神通力を与えられたのだ」と犯人の一人が言う。

「何よ、その神通力って…空でも飛ぶって言うの?」と李玲玉。

「そんな訳あるか。そんなふざけた事をいう奴ほどエセなのよ。いいかよく聞け。我らの教祖様の神通力はな透視能力やテレパシー能力なのよ」と女性犯人が言う。

「封のしてある封書や箱の中身を透視したり、私が考えてることもピタッと当てたりしたのよ。」とどや顔で女性犯が語る。しかし李玲玉は

「透視能力?テレパシー?‥それは神通力とは呼ばないわ。ただの手品でしょそれ」と否定してくる。犯人は頭にきたようで

「ほぅ……知った風なことを……やはりヒミコ教の信徒は汚らわしいな……お前は生きて返さん!」と銃口を李玲玉に向ける。が、

「こんな場所で撃って機体に穴が空いたらどうするつもりなの?ましてや窓ガラスなんて割れたら気圧差でへたすりゃ墜落よ」と忠告した。

「それにヒミコ様はそんな子供じみた能力じゃないわよ。本当に噂通りの能力なのよ。悪い事は言わないからさもうやめなよ。私の国に突っ込むなんて無理だからさ」


「フン!言ってろ!」

すると女性犯人が

「これを見るがいい」と赤い小さな丸いものを取り出した。起爆装置だ。

「これがなに?」と李玲玉はつまらなそうに返すと

「ふっ‥これは爆弾の起爆装置なのだ。今この飛行機には爆弾が仕掛けられてある。このボタンを押すと爆発して皆死ぬのだが?」

「あっそう……別にどうでもいいけどさあ?……そんなの私に見せてどうしたいの?」李玲玉は興味なさげに答えた。犯人達は顔を見合わせて困惑したようだ。

「も、もしやこのボタンが見えないのか?これだよこれ」と何度も目の前でチラつかせるが、李玲玉の反応はない。

「こっちは本気なんだぞ!命が惜しくはないのか!さっきから高みの見物みたいな事を言いやがって」と怒鳴ると、李玲玉はため息をつき

「だから何なの?死のうが生きようが別に私の知ったこっちゃないのよ。それより私の話を聞いて」と強めに言った。李玲玉の堂々たる態度に犯人の一人が焦り始めた。他のメンバーもざわつき始めた。教祖の神通力を否定されたばかりか、この状況を打破できないのだから当然である。すると機内の乗客はざわめき始めて

「おい、俺達が死ぬかもしれんぞ!」「もうダメだぁ!」「助けてくれ!」などの声が上がる。

「五月蝿い!」と犯人の一人が大声で怒鳴るが、

「黙りなさい!きっとヒミコ様が助けてくれるわ!」と李玲玉も負けじと叫ぶ。すると周りの客がシーンと静まり返った。

「ふん!言ってろ!機体が街へ突っ込めばもうどうすることもできないのだからな」と犯人。が

「甘いわね。本当にあんた達は頭の悪い連中だわ」と李玲玉は呆れる。

「なんだと!」犯人の一人が睨みを利かせるが、

「いいこと?ヒミコ様はね、その気になればあんた達全員氷漬けにして海の底まで沈めてくれるわよ」

「お前は何を言っているのかわかってるのか?我々は機体ごと爆発させてやるのだ。ヒミコといえど手は出せまい」と女性犯が余裕の表情を見せる。しかし、

「そんなことないわよ。ヒミコ様なら爆弾を瞬時に凍らせたり出来るから」と李玲玉が自信満々に言い切る。

すると他の犯人の一人が


「バカかお前は。そんなことができる訳がないだろ。どうせ大口たたいて自分は助かりたいだけなんだろ!」

と馬鹿にするように笑った。すると他の犯人も笑い出す。

「お前のような女が神と信じているような奴に助けを求めたところで無駄だ!」と言い放つと李玲玉は

「なによ!ヒミコ様を侮辱するなんて許せないわよ!……」とその言葉に犯人の一人がぷつんと切れて機関銃の引き金を引いてしまった。

ズドドド……

壮大な銃撃音と共に弾丸が発射されて李玲玉の左肩を吹き飛ばしてしまった。

「がはっ…」

鮮血が舞って乗客は悲鳴をあげるが

女性犯人は

「ほら!言ったでしょ!ヒミコなんて所詮そんなものなのよ!」と勝ち誇ったように言った。だが、

「ばかもの!!何をしている!穴が空くから撃つなとゆったじゃないか」と仲間の一人に咎められている。だが犯人の一人は

「この女さえ撃ってしまえば後は何とでもなる!」と開き直り、

「そうよ。こんなインチキ女神の信徒なんて死んで当然だわ」と女性犯も賛成する。

李玲玉は出血多量で意識を失いかけていた。そして薄れ行く意識の中で

「ヒミコさま……わたし……みすてないで……」と弱弱しく呟いた。

しかし出血が止まらない。吐き気もする。何より傷は酷いのに痛みがない。相当重症のようだ。徐々に視界が狭くなり暗闇に包まれていく。


(ヒミコ様……助けて……)そう思うがもう無理そうだ。

すると突然辺りが暗くなった。だが、機体が大きく揺れた。

「な、なんだ!何が起こったのだ!」と犯人達は困惑している。その後、機体の高度がゆっくりと下がり始めた。

「どうした!何があった?答えろ!」犯人の一人が機長を問いただす。

だが、機長は恐怖で震えている。周りの客も「どうなってんだ?」「キャー!助けて!」等と騒ぎ出した。

「すべてのエンジンが停止したんです…原因は解らない」と機長が言った。それを聞いた犯人は顔色を変え

「おい!早く動かせ!さもなくばこの女がどうなってもいいのか!」と機長の襟元を掴んで持ち上げる。すると女性犯人が「そうよ。このままじゃ墜落よ!」とパニックに陥った。機長はなんとかしようと必死になっている。

「機長、なにが起きてもおかしくないから覚悟しておくのよ!特にテロリストのあんた達は天国にいけないんだから」

と李玲玉が弱弱しく言った。すると女性犯人は

「何を言ってるんだ。そんなものは迷信だ」と一蹴した。

しかし、再び機体は急下降を始めた。乗客の悲鳴が響き渡る。もはや墜落は免れない状況だ。

「ど、どうすればいいのだ?」

「助けてくれ!」

「うあああ!」

犯人も乗客も必死である。そして犯人の一人がパニックに陥り起爆ボタンを押してしまったのだ。

ズドーーーーン!壮絶な音が鳴り響き翼の片方が爆発し炎が噴き出し誰もが死を覚悟したがその瞬間、炎が納まり白いものが広がっていく。それは氷だった。飛行機全体が凍っているのだ。

「あれは!?」と李玲玉は朦朧とする頭をなんとか意識を保とうとする。

「なんなんだ!あの白いものは!」と犯人も混乱している。機内の乗客も何が起こったのかわからない様子であった。だがその時、飛行機の操縦室の壁に大きな穴があいて気圧差の影響で機内はまるで嵐の状態になりみんなパニックになりながらも必死に何かにしがみ付いた。もちろん犯人も。李玲玉はしがみ付く力もないので機内の中で飛び回り無抵抗でそこら中にぶつかっていた。がそれを一人の人物が支えたのだ。ヒミコ様だ。そして急速に怪我が治っていく。

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