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護衛がついた

「ヒミコ様を守るためです。ヒミコ様はこの国の最重要人物なのです!万が一の事があったら大変ですから!」と言われた。

「それはあんたの勘違い!私が一番強いし無敵だから」と怒鳴ってやった。

「ですが……」と李玲玉は渋々といった感じだった。

「それに、私が女を嫌いなの知ってるでしょ?」

「知っておりますが……」と李玲玉は返答に困っていた。

「それにいくら精鋭って言っても私なら秒で皆殺しに出来るわよ!」

と脅しをかけるとやっと引き下がってくれたので安心した。…のだが大粒の涙を流し李玲玉は泣き始めてしまったのだ。ヒミコは慌てた。

まさか泣くとは思ってなかったので。

「な、泣かないでよ……ちょっと言い過ぎたけど……」と謝る。

「すみません……でも……どうしてもヒミコ様の身が心配で……」と答えた横で精鋭たちも泣き始めてしまった。

「ううっ、やっと頂いたお仕事なのに…ひっく‥無職になってしまいますう」

ヒミコ相手に泣き落としのつもりらしい。

こんなことしたらもっとヒミコが不機嫌になると理解できないのだろうか?

そして李玲玉は慰めるように言った。

「あなたたちは何も悪くありませんよ。悪いのはすべて私なんですから……」

「いや、あんたは何も悪くないわよ。むしろ感謝してるぐらいよ!」

とフォローするが、精鋭達は涙を流しながらも

「ありがとうございます。ありがとうございます」

と泣き続けている。しまいには跪き拝み始めているではないか。

さすがにうんざりしてきたヒミコはついに折れてしまった。

「分かったわよ!雇うから!もうやめて!」と叫ぶと、

「ありがとうございます!」

と声をそろえて言い、大喜びしていた。その姿を見てヒミコはさらに疲れ果ててしまうのであった。

「はぁっ…」もはやため息しか出ない。なぜ私がこんな目に合わなければならないのか!と憤慨したが口に出さなかった。さらに泣かれてはたまらないからだ。

とりあえずヒミコは6人組の精鋭たちを仕事につかせることにした。それだけはよかったと思った。

アインスは「ヒミコ様、これから何をいたしましょうか?」と聞いてきたので、ヒミコは少し考える。が、

「しらん!勝手にその辺でも掃除してろ!私は寝る!」そう言って寝室に入って横になったのだが護衛の一人も一緒に入ってこようとしたので

「あんた、何一緒に入ろうとしてんのよ!用なんてないわよ!」

「私は護衛としてヒミコ様をお守りするためです」と嘆いていたがヒミコは無視した。ら、一緒に入って来てしまった。


これにヒミコはキレた。

「なによ!うっとうしいわね!出て行きなさい!」と怒鳴りつけるも、護衛の一人は怯むことなく、

「では、私はここで座っています!これも任務なので!」と返してきた。

ヒミコは呆れ果てて

「ああもういいわよ!勝手にしなさい!」と諦めた。が横でじっと座られていたのでは落ち着かなくて仕方がない。

「あのさ、せめて部屋の外で座ってなさいよ。鬱陶しいから」


とヒミコは部屋の外で待機するように命令した。

「はい、かしこまりました」

とアインスは返事をして部屋から出て行った。ヒミコはほっと胸を撫で下ろす。そしてそのまま眠りについた。しばらくして目を覚ますと部屋の前にアインスが立っていたので驚き飛び起きる。

「なんでそこに立ってるのよ!邪魔だから退きなさいよ!」と怒鳴った。

「いえ、ヒミコ様が部屋の外で護衛をしろとのご命令だったので従っただけですが」と返してきた。

ヒミコはムッとしたが確かに言った覚えがあるので何も言わなかったが。

だが部屋の外で待機させてはいたもののアインスはドアの前で微動だにせず直立不動のまま見張っているのでとても気になる。

ヒミコはイラついたがこのままじゃ埒が明かないと判断して、アインスを放置してベットに入り、そしてまた寝てしまったのだった。

そして朝になり、目を覚ますとアインスはまだ立っていたのだ。それだけをみれば確かに精鋭だという事には納得できるのだが。

ヒミコにとっては邪魔者以外の何物でもない。何とか退けたいと思い声をかけた。

「あのさ、ずっとそこに居られるのは邪魔だから退いてくれないかな?」と言うが、

「それはできません。私はヒミコ様の護衛ですから」と拒否されてしまった。ヒミコは腹が立ったが我慢するしかない。

しかし部屋の前でずっと立っていられるのもウザいので、仕方なくヒミコは起き上がることにしたのだが、ベッドから降りようとすると、

「ヒミコ様、どちらに行かれますか?」と聞いてくるので、

「トイレよ!いちいち聞くな!」と怒鳴ってやった。すると、アインスは

「嘘を言ってもらっては困ります。ヒミコ様はトイレなんて行きませんよね?」と返して来た。

「はあ!?」ヒミコは驚愕した。

「ヒミコ様は排泄行為は必要としないと上司から伺っていましたが」と真顔で言ってきた。

ヒミコは唖然とした。確かにその通りではあるがそんな事まで教えてるのか?あのバカ李玲玉は。

ヒミコは頭痛を感じた。これは面倒な奴を雇ってしまったと後悔しても遅い。どうやって逃げようかなと考えていた。


だが考えた結果、

「さすが精鋭ね、まあ、でも私はお腹は空くからね。そろそろ冷凍餌を食べにいきたいんだけど、邪魔するならあんたから食べてやるわよ」と言った。

「え?とうとう女性も食べるようになったんですか?それは一大事です。ヒミコ様の餌になりたがってる重病人がたくさんいるんです。早速報告してきますね」と言いながら去ろうとしたので慌てて

「嘘、嘘よ‥今のは冗談。ごめんなさい!嘘でした」と謝るほかなかった。冗談じゃないあんなまずいもんなんて食いたくもないと心底思ってしまった。

しかしアインスは真面目なのか冗談が通じないようだった。まあ、このままでは冷凍餌を食べに行くことができないのでどうしたものかと考える。

が、そんなヒミコの心を察してか李玲玉が現れた。

「ヒミコ様、おはようございます。昨夜はよく眠れましたか?」

と聞いて来た。ヒミコは不機嫌そうに答える。

「よく眠れるわけないでしょ!そこのあいつが外でじっと立ってんだから!気が散ってしょうがないのよ!」

アインスはびくっとしながらも無表情でヒミコを見つめていた。

李玲玉は「アインスちゃん、ヒミコ様はお休みになっていたのですよ。あなたは護衛とはいえ配慮に欠ける行動だったと思います。反省しなさい」と言った。

アインスは首を傾げながら、

「私はただ護衛の仕事をしていただけです。問題はないはずです」

と言った。李玲玉は苦笑しながらも続けて話した。

「ですが、ヒミコ様の睡眠の妨げになったら元も子もないでしょう?これから気を付けるように」

と注意した。が、

「いや、すべての元凶はお前だろう!お前が護衛なんてもん連れて来なかったら良かっただけの話。」とヒミコは李玲玉に苦言を呈す。

すると李玲玉は平謝りし始めた。すると横で聞いていたアインスもつられて謝り始めたではないか。

「ごめんなさいヒミコ様、ごめんなさいヒミコ様」

と泣き出しそうな顔で何度も謝っている。ヒミコはなんだか申し訳なくなってくる。ヒミコは

「別にあんたは悪くないわよ‥悪いのは李玲玉‥李玲玉が悪いのよ‥」とフォローすると、

「ヒミコ様は私を庇ってくれるのですね!ありがとうございます!感激です!一生ついていきます!」と大喜びで抱き着いてきて離れようとしなかった。

「うっ‥やめて!暑苦しい!気持ち悪い!離れなさい!」

ヒミコは振り払おうとするがなかなか剥がれない。

李玲玉は微笑ましそうに眺めていたので、ヒミコは

「そんな温かい目で見てんじゃねえ!」と怒鳴りつける。

だが逆にそれがかえって刺激になり、さらに強く抱き着かれるだけだった。

「こいつら…」ヒミコはイラつきながらもどうにかアインスを剥がそうと奮闘する。

しばらく格闘していたらようやく解放された。

「(本当にこいつと係わってるとロクな事がないな。悪気がないのがさらにたちが悪い)」

と心の中で愚痴っていたら、李玲玉は

「ヒミコ様、そろそろ朝ご飯にしましょうか?」と言ってきたので

「ああ、そうね。じゃあ私は行くわ」と答え、逃げるようにその場を去った。

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