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みすとら  作者: 詰乃 愛莉
第一章『Promised Love(約束された愛)』

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〔28〕コスプレ誕生会③優雅に時間を弄ぼう(Time eater)

「次は何だろう・・・」ドキドキしながら三回目のくじ引きを待ちました。

「(何だろう・・・。時間の流れが変わったみたい・・・)」

ワクワクどきどきしながら過ごす時間は、とても新鮮なものでした。筋子先生が、「A」のボックスと「B3」のボックスを持って現れました。

「それでは、三回目のクジを引きましょう」

「先生、何かとても不思議な時間を過ごしているような気がします」と、私は筋子先生に言いました。

「どのような、感覚でしょうか?」

「何か、昔の貴族になったような、優雅な時間の過ごし方をしているように感じます」筋子先生は、間をおいて言いました。

「・・・、あなたは感性が優れているのかも知れませんね」

「どういうことでしょうか?」

「人間にとっての一番の贅沢は、『時間の過ごし方』なのです」

「そうなのですか?」

「昔の貴族は、お金と時間だけは有り余っていたので、時間の過ごし方を工夫しました。できるだけ難しく面倒くさい遊びを考えたりしました。その一つがテニスだという人もいます。かの有名なマリーアントワネットは、退屈することが怖かったそうです」

「退屈って大変ですね」

「あなたがそれを感じただけでも、校長先生の目的は達成されています。本日のイベントは大成功です。ユキさんも、カスミさんも、同じように楽しいでいますよ」

「私だけじゃなくて嬉しいです」

私は安心しながら「A」のクジから「1」を引き、「B3」から「巨大兎耳カチューシャ付たれ目メガネ」を引きました。

「面白いものを引きましたね」筋子先生が感心していました。

「コスプレっぽい眼鏡ですね」

「・・・と言うことは、三回目の着替えは何だか分かりますね?」

「メガネですよね?」

「その通りです。あなたのメガネはこれなのです」

筋子先生は、この場で私のメガネを渡してくださいました。

縦に七つ、横に七つ、十文字にレンズがならんだ「十文字眼玉いっぱいメガネ」でした。

レンズについている目は一つ一つ異なる方向を向いていました。

「実用性に欠けるメガネですね」私は言いました。

「仮装でしか使えませんね。ツッコミどころが満載です」


次に筋子先生が来るまで、いろいろ考えました。

「誰が、どんな衣装を着ているのだろう・・・。

誰が一番面白い格好をしているのだろう・・・。

他にはどんな衣装があるのだろう・・・」

いつもはユキやカスミと一緒なのに、一人きりになると、いろいろ普段は考えないことが頭の中に思い浮かんできました。

そして、筋子先生が次にやってくるのがとても楽しみでした。


次に筋子先生が現れたのは20分後でしたが、2時間にも感じられました。

「それでは、次に参りましょう」

「はい!」次のクジ引きが、楽しみで楽しみで仕方がありませんでした。

「次のくじ引きは、『たすき』になります。

本日のイベントにおける自分のキャッチフレーズが書いてありますが、衣装とは関係なくても大丈夫です」わたしは、ドキドキしながらくじを引きました。

「A」のクジから「6」を引き、「B4」から

「エサを与えないでください」を引きました。

「!」クジを引くと同時に固まってしまいました。

固まっている私を見た筋子先生が言いました。

「大丈夫ですよ。相手の方しだいです」と、言ってくださいました。

「そうですね。身に着けるかどうか相手に託しました」

「そして、あなたが付けるたすきはこれです」

筋子先生が差し出したのは、『影の主役』でした。

「図々しくないですかね? 私の誕生日じゃないのに」

「このたすきをあなたが決めたわけではありません。

大切なのは、『面白いかどうか?』だけですよ。

これくらいで目くじらを立てる方はいないと思いますが?」その言葉に背中を押されて私はこれに決めました。


次は、武器の選択でした。

「コスプレ誕生会に、武器が関係あるのでしょうか?」私は疑問に思いました。

「まぁ、お遊びですから。何も持たないと手持ち無沙汰になるという校長先生の配慮だと思います。それに、校長先生は武器がお好きですし」

「なるほど、こんな機会じゃないと武器も持てないかも知れませんしね」

私は、何事も前向きにとらえ始めました。

私は、「A」のクジから「2」を引き、「B5」のクジから「等身大フォーク」を引きました。

「コスプレっぽいですね。

このフォークを持っている人を見たら『なんでやねん!』とツッコミを入れたくなりますね」

「面白いものが引けました」私は満足しました。

そして、私の武器は「リバーシブル4面フライパン」でした。1mほどの棒の頭と尻尾に、リバーシブルのフライパンが2面ずつ付いていました。

頭と尻尾のフライパンが90°ずつズレていたので、どう料理しても炒めた料理がこぼれる構造でした。

「使いづらそうなフライパンですねー」筋子先生が言いました。

「まぁ、料理用ではなく戦闘用ですから」

「この武器で、敵と存分に戦ってください」

「はい」全ての仮装が終わりました。

そろそろ昼食の時間になろうとしていました。

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