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みすとら  作者: 詰乃 愛莉
第一章『Promised Love(約束された愛)』

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12/19

〔11〕ガールズトーク女子会

「!」私が目を覚ますと、私以外の女子全員が食堂のテーブルに突っ伏して寝ていました。

「あ、れ~? すっかり寝ていたわ」ユキが目覚めながら言いました。

「私も~」と言って、そよりさんが起きました。

むくっと、ここあちゃんが起きました。カスミはよだれを垂らしていました。

「にゃむ~、むにゃむにゃ」まだ寝ぼけていたので、

「こしこしっ」と拭いてあげました。

「みなさん、お目覚めですか?」副担任が読書をやめてこちらを見ました。

「今、お茶をいれてあげます。待っててください」と言って、お茶の準備をしに行きました。

「ありがとうございます」とみんなでお礼を言いました。


「本日の授業は、『自習』です。今みなさんたちが見た夢について、自由に意見交換をしてください」と言って、副担任は読書の世界に戻りました。そして、ハーブティーを飲みながら、夢の反省会が始まりました。このような場合、そよりさんとユキが話し合いの中心でした。

「あたしたち、なんかドーブツになってなかった?」

「チワワいたわね~」

「ブチのうさぎもいたよ~」

「あは~。リスと黒猫いたよ~」

「あと、もう一匹いなかった?」

「(それは、私だと思いました。何だったんだろう・・・)」

「モグラがいたわね~」

「な~に~? あのモグラ」私は、顔を真っ赤にしました。

「たぶん、それ、私です」というと、みんなが爆笑しました。

「あのモグラ、あんただったの~。もっといいドーブツになりなさいよ~」とユキに言われましたが、選べたのでしょうか。

「男子が四人いたわね~」

「サッカーしてたのが、サメトだっけ?」

「ドーブツだったから、顔をよく覚えてないの」

「私も~、声しか覚えていないわ」

「顔にも、膝にもカットバン貼っていたよ。よく転ぶんだね」

「え? 顔見えたの~?」

「少しだけ」

「どんな感じだった?」

「キャプテンっぽかったよ」

「男子の顔が見えていたのは、ここあちゃんだけね」

「一緒にボールを蹴っていたのがナナキだっけ?」

「野球がど~のとか言っていなかった?」

「サッカーよりも野球の方が得意なのかもね」

「サメト君とナナキ君は、日に焼けていたよ」

「あは~。男子は元気が一番」

「檻の近くで本を読んでいたのは?」

「ユウキだっけ?」

「違うわよ。マサルだったわ、確か」

「運動部じゃないね。細身でロン毛だったよ」

「話し方が、ナルシストっぽかったね~」

「サッカーをしてたっぽいけど、やめたのかな~?」

「読書部だって、地味ね~」

「あは~。声がカッコ良かったよ~」

「でもきっと、スポーツは苦手よ」

「性格は真面目そうだったよね?」

「ユウキ君の方が、ナルシストっぽかったよ。仕草がいちいち気取っていたよ」

「何だろう? 総合科学部って?」

「何する部なの?」

「お絵描きや、工作かな~?」

「聞いたことないよ~」

「あの男子たちって、何なの?」

「『ドーブツ触れ合いデー』と関係あるのかな~?」

「みんなの年齢は、同じくらい?」

「今まで、何回かドーブツになって、私たちと遊んだのかな~」

「覚えてないわね~」

「きっと、サメトとナナキがケンタウロスとペガサスだよ」

「あれだけ、走るからね~」

「でも、ケンタウロスとペガサスは仲が悪いみたいだったよ~」

「夢の中では、サメトとナナキは仲が良かったわね」

「じゃあ、違うか~」

「ドラキュラは、誰だろ?」

「サメトとナナキではない気がするわ」

「あの四人以外かもね」

「ミイラ男はユウキじゃない?」

「ミイラ男は、あの中にはもういないでしょ」

「四人とも、下品な感じじゃなかったし」

「ぬりかべは誰だろう?」

「あの中にはいないかもね」

「ぬりかべはじっとしているだけだったもの」

「マサル君かユウキ君かもね」

「あは~。一反木綿もいないのかな~?」

「ヒントが少ないわね。分からないわ」

「ねぇ、今度の『ドーブツ触れ合いデー』で、名前を呼んでみない?」

「名前が分かっても、顔が分からないよ」

「本当のすがたも分からないわね」

「でも、性格は分かるかもね」

「顔で選ばないなら、性格で選ぶしかないか」

「別に、あの中から無理に選ぶ必要もないのよ」

「それも、そうね~」

「ドーブツって、自分の名前を認識できるの?」

「やってみなければ、分からないわ」

「でも考えてみて。ドーブツとの相性が良くて、お互いが人間の姿で会えたとき・・・」それぞれが、それぞれの想像を膨らませていました。

「きゃ~!」

「きゃー!」

「あは~!」

「わ~!」

「ふっふ~。なかなかいいわね」女子たちの興奮がはちきれました。


美千代は、読書に集中出来ませんでした。

「(女子(おとめ)たちのなんと楽しそうな事か!)」誰が喋って、誰が聞いているか分からない楽しそうな話を、うらやましく思いながら聞いていました。自分は夢の中に参加していませんでしたが、相手に状況や自分の感情を正確に伝えようとする女子会が、盛り上がらないことはないのです。そして、過ぎし日の自分たちの女子会を思い出していました。もはや読書どころではありませんでした。想像力と感情と希望が入り混じった、楽しかった日々が次々と思い出されるのでした。

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