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第12話「サポートシステムさん、命名」

阿部ちゃんにも声を掛けてみる


「サポートシステムに名前を付けようかと提案したら

なんか”貰ってあげる”みたいに言われたんだけどさ」


クレームが脳内に響く

『そんなぞんざいな返事はしておりません』


即ツッコミだ

流石、脳内に居るだけあって反応が早いこと


「そうですよね

毎回サポートシステムさん!

って呼ぶのも面倒ですし、味気ないですよね

付けましょうよ、付けましょう!」

阿部ちゃんはものすごく乗り気だった


問題は、なんて付けるかだ

下手な理由でつけたらずっと文句を言われそう

その上、自分の中に常駐してるんだから逃げ場もない


呼びやすいのは日本名かな

できれば優しい語感の名前を選びたいし

なにがいいかなぁ


あ!


弥生(やよい)って言うのはどうだろう?

日本では旧暦3月を指す言葉だけど

某アニメの女王も弥生さんだったし

なにより和っぽくて、優しい響きじゃないかな?


私の記憶を読んだであろう、レスが来た


『綺麗で芯が強い、主人公が憧れている女性、ですね

しかし、続きの作品では想像以上に過酷で

大変な人生を歩んでいらっしゃるようですが?』


大丈夫

そっちはあらすじしか知らないし、パラレル扱いだから

私の中では「無かった話」なんだよ


『なるほど、理解しました

では、今後、その【弥生】という固有名を

私の識別名称として登録・認識します』


よし、今から君は【弥生】さんで

改めてよろしく、弥生さん


とりあえずOKを貰えて、何よりでしたわ


さて、阿部ちゃんはどうだろう?


「先輩、もう命名終わったんですか???」

びっくりしてる


そりゃそうだ

自分でも思ったよりすぐ出て、すぐOK貰えたんだもの


「なにかいい名前ないですかね?」


アイディアを求められたけど、名前だからねぇ


「阿部ちゃんが考えて付けてあげた名前だと

愛着をもってくれそうじゃない?

方向性くらいは手伝うからさ

少し一緒に考えてみようよ」


それっぽく言ってみた


特に、四六時中一緒になる相棒なわけだからね

下手な名前を付けてもどうかと思うし


「先輩はなんて付けたんですか?」


ストレートに聞かれる


弥生さんや、教えてもいいかのぅ?


隠居したご老公のような口調になってしまうが

和名だとそれも違和感があまり無い


『私の名前をアヤノちゃんさんに知られることで

問題になることはありません

念の為、他言無用でなら教えても大丈夫です』


許可が出たので、そのまま伝える


「なるほど、旧暦の月ですか!それいいですね!

私は夏が好きだから、葉月(はづき)さん、ではどうでしょう?」


私には聞こえないが、OKを貰えたらしい


と言うことで、私には弥生さん

阿部ちゃんには葉月さんが脳内に居て

サポートしてくれることになった


「よろしくね、弥生(やよい)さんに葉月(はづき)さん」


「私もよろしくお願いしますね、弥生(やよい)さん葉月(はづき)さん」


『改めまして、これから末永くよろしくお願いいたします

ご主人様(マスター)


弥生さん、結婚じゃないんだから、大げさだと思うよ?


『え?

ずっとご主人様(マスター)と一心同体ですよ?』


そう言われると、ぐうの音も出ない


逃げようが無い、って思ったのはある意味

何があっても一人になれないのだから

結婚以上に縛られるってことか?


うん、考えないようにしよう、そうしよう


「阿部ちゃんの葉月(はづき)さんは、何か言ってる?」


「よろしくお願いします、だそうですよ」


葉月さん、そのうち、邂逅する機会は来るのだろうか


そう言えば、弥生さんと葉月さんは

お互い直接会話出来ないのかな?


()()()()ご主人様(マスター)の思考に

有線接続して通信しているようなもので

情報その他もご主人様(マスター)から頂くだけです

私から直接、外部に何か出力することはできません


もし、会話をしようとするなら

ご主人様(マスター)に発話をお願いする以外

方法がありません』


ふむ、二人で会話すれば、色々と便利そうなんだけどね


『そのうち、なんとかなります』


ん?できるの?


『現状では私の能力も未発達ですが

全ての技能技量をコントロールできれば

ご主人様(マスター)を操ることもできるかと』


まさかの体を乗っ取る宣言??


『・・・・・出来るとは思いますが

やる気はしませんからご安心ください

・・・・・冗談ですよ』


冗談を言うのかい、この人(?)は


「基本的には、女神様の創造した人格ではありますが

世界書庫(アカシック・レコード)と常に接続して

情報収集をしています

更にご主人様(マスター)の記憶を読んでいますので

それらによる自己研鑽(アップデート)を行っています』


記憶を読まれてるって、プライバシー侵害ですが?


『今、ご報告いたしました』


なんだろ、勝てそうにないぞ


話が怖いほうに行かないうちに、話題を変えよう


「そちらの葉月さんはどう?」


いつまでも脳内会議では進まないので

阿部ちゃんにも声をかける


「凄く楽しそうですよ

”今から中を見て回ろう!”って、お誘いされてます」


成程、行動派って感じなのか


「それもいいけど、JC女神が言ってた

【幽体から魔力体への変換】ってどうなったんだろ


この世界の理もまだ解からないし

そもそも、安全に生きていけるのかどうかすら不明だからね


周囲把握は3人娘に任せるとして阿部ちゃんと私は

自分の能力や環境の把握をしようか?」


「そうですよね

未だに、この【世界】の事、知りませんし」


そうだよね

じゃあ、弥生さんと葉月さん、それぞれ教えてくれる?


『了解しました』


弥生さんの返事があった

阿部ちゃんが指でOKサインを出す


「葉月さんも、私もOKです」


よし

まず、ここはどこ?

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