第11話「3人娘に名前をつけよう」
「名前を付けるに当たって、何か要望あるかな?
花や星の名前とか、可愛らしい名前がいいとか?」
聞いてみるが
「【ナマエ】をお2人のナマエで初めて知ったので
何がいいかとかまだ判っていません
花の【ナマエ】と言うのも、初めて聞きましたし
【ホシ】、とはなんでしょう?」
賢者からはそう返ってきた
そうだよねぇ
花は理解出来ても、それぞれに固有名称は無い、ってことか?
そして、星が判らない?
おねえさんの”世界が違う”って話はこういうところか?
まあ、それは後で確認しよう
「だったら阿部ちゃん、もとい、アヤノちゃんと相談して
名前を決めていきたいと思うけど、いいかな?
少し時間が掛かると思うけど」
3人娘が頷いたので、長命種さんを手で差し
「その間に、さっき作った寝床より少し小さくて
みんなが座れるようなものを作れるかな?」
彼女が頷く
「少々時間が掛かりますが、よろしいでしょうか?」
それならば、とお願いする
続けて
「妖精種さんと魔角種さんは
この洞窟の中を色々見て回ってくれるかな?
女神様曰く、ここが私らの拠点にらしいから
中の構造や食べ物とか生活するための道具
それらを把握してほしいな」
と頼んでみる
二人とも頷き、早速動き始めてくれた
さて、問題はここから
阿部ちゃん、3人に名前つけるって結構難しくない?
「そうですよねぇ
先輩、名前を付けたことって、あります?」
「ペットのインコとかワンコにはあるけど
人には無いなぁ」
「ですよねぇ、私もありません」
きっぱり答えられたが、さあ困った
「見た目のイメージか、なにかシリーズもの
直感、って位の流れで考えてみる?」
切り出してみた
「うーん、どういうのがいいですかねぇ」
ふと頭に浮かんだのを、そのまま伝える
「赤いロングの賢者って
長耳種絡みだと何かのパクリになりそうだし」
笑ってるよ、阿部ちゃん
「金髪の妖精種と有角種ってのも
難しい気がするよ
有角種って、あまり聞いた事、無いし」
阿部ちゃんも頷いてる
だめだぁ、全然そういった引き出しがないぞ
一度ボールを投げてみる
「阿部ちゃんは、どうよ?」
しばし思案顔して
「ヴィッド、アルキオ、アマデー、でどうですか?」
すかさず
「うん、うちの会社の古い商品名かな?
何かあれば商標問題になりそうなので、却下」
少し古い書類で、よく見た名前が出て来てる
何かで素性がばれて、まずいことになっても困るし
狭い業界の名前は使わないでおこうね、一応
散々悩んだ挙句、結局イメージしたのを口にしてみる
「赤い髪の長命種はフレイア
金髪の妖精種はアウラム
藍色の有角種はカホル
どうだ?」
単純に色シリーズで、どこの言語か忘れたけど
記憶に残っていたものを提案してみる
フレイアはまだしも。他2つはヘブライ語だっだっけ?
字や音も、正確なのを知らん
「3人とも見た目が西洋っぽいから、
和名は合わない気がしますからね
良いと思いますよ
外観の特徴とリンクしてるし」
阿部ちゃんはあっさりとOKだった
『名前、という概念がないこの【世界】で初めての名前です
出自などについて誰も文句を言わないと思います』
サポートシステムが、さりげなくフォローしてくれる
まあ、髪色で分けるってのもどうかとは思うけど
他に手掛かりが無いから目立った特徴を使うしかないよね
あ、あと名前といえばサポートシステムさん?
あなただって1つの人格なんだよね?
『そうですね
1から新たに作られてはいますが
確立した人格として存在しています』
そうなると余計に【サポートシステム】って呼ぶのも
なんか味気ないというか、その呼び方どうよ?
って思ってたんだよね
あなたにも名前、付けようか?
『私に名前ですか?』
そう
だって、阿部ちゃんの脳内に居る
サポートシステムの人格だって、君とは別なんでしょ?
『はい
きちんとした個別の人格をもって
アヤノちゃんさんをご主人様として
存在しています』
だったら二人とも名前を付けて
出来ればイメージでも良いから
自分の体を持ってて欲しいかな
『体、ですか?』
うん、ただ脳内で別人格と喋ってるよりは
私にも姿かたちがイメージできるほうが楽しいかな?と思うんだよね
『なるほど、理解しました
では、名前を頂けましたら
改めて見合う体を考えたいと思います』
なんだろう?
心なしか、返事が明るい気がするけど?
間をおかず、返事が来た
『ご主人様の気のせいです』




