第83話「統べる者」
私の言葉にニール、ルカ双方が固まる
「我ら全てを従えるじゃと?」
「だとすれば理由はなんでしょうな」
「あくまで推測にしか過ぎない仮定の話だよ?
もしドラゴン全てが自分に従って手足のように動くなら
この【世界】を手中に収めることも不可能じゃないと
思うんだよね
曲がりなりにも最強を謳っている種族なんだし」
二人とも腕組みをして考え込む
「そして、それがもしも他の【世界】からの生物による
干渉だとすれば
余計にその可能性も考えられるんじゃないかな?
まあ、もしかしたらこの【世界】の誰かが
考えていることかもしれないけどね」
ニールが唸る
「見たことのないドラゴンが他の【世界】からやってきた
そしてそれが類似種族の私共を従えてこの【世界】の頂点に
立つつもりだ、ということでしょうかな?」
「あくまで仮定の話、だよ?
私らの世界でもドラゴンはドラゴンなんだけど
話を聞く限り里を襲ったのは私らのほうで
【龍】と呼ばれるものかもしれないんだよね
どっちにしても実在は確認されてはいないけどさ」
「「私らの世界?」」
龍神族二人のユニゾンが帰ってきた
そうか、この二人もヴェルーリアも説明してなかったか
かいつまんで阿部ちゃんと二人、異世界から来たことを話す
「では旦那様とアヤノは本当に女神様の使いなのじゃな?」
「使いというか使いっぱしりというか
そんな大層なものじゃないんだけどね」
「女神様は我らの前に姿を見せることはめったにないのです
だからこそ女神様とお会いされたお二方は使命があって
ここにおられる、と思うのが当然です」
ニールの言葉にみんなが頷く
続いてヴェルーリアが
「ご主人様の強さも魔術の凄さもありますし
女神様が選んで当然です」
「阿部ちゃんもいますけど?」
「アヤノさんは旦那様よりお強いですよね?よね??
お二人の力関係見てるとそんな気がします」
随分と押してくるんですが
そして私、阿部ちゃんの尻に敷かれてますか?
「ヴェルーリアはよく見ていますね」
鷹揚に頷いてる
なんで君、ヴェルーリアには少し上から
変な言葉遣いで喋るのだ?
「話を戻すけど、あくまで私の世界は想像上で2種類あるって話なの
この【世界】で長命なドラゴンが見たことない龍という生物が
実際に居たとすれば、その生物はどこから来たのか?ってなるよね
もしかしたら他の【世界】から来た
私らのような異世界人ならぬ
異世界生物って可能性もありそう
そもそもこっちの【世界】を移動できるのかは
全くわからないけどさ
実際出来るものなのかね?」
「ドラゴン族の最長老が存命であれば
【世界】の理について知っているかもしれませんな」
ニールの話にルカが噛みつく
「長老共ですら居場所がわからぬものが多いのじゃぞ?
そ奴らを探し当てても
最長老の寝床を知っているものがいるものなのか
どれだけ時間がかかるかわからぬのじゃ」
ふむ
「ルカの話の通りなら時間がかかるかもしれないけど
とりあえず長老たちへの聞き取りはやってもらうとして
先に謎の龍対策として今やるべきことを考えようか
二人の里も含め確か8つ、里があるんだっけ?
位置関係を明確にして
全てに連絡が取れるようにしたい
もし襲撃があれば応援なり
次の襲撃予測ができたりするかもしれない
あとはどうやって対処するか、だよな」
言っておいて、思わず考え込んでしまう
地図がない
距離が不明な上に移動手段が限られる
ドラゴンはイレース効くから消滅させられるけど
龍はどうなるのだろう?
そもそも龍って蛇の親玉みたいなもので
レールガンぶっ放しても当てられるのか?
ゲームの世界ではボスキャラが蛇型のドラゴンだと
めっちゃ強い、って相場は決まってる
あれ?そういえば・・・・・
ニールたちに向かって
「一つ確認したいんだけど」
「なんでしょうか」
「里を襲った正体不明の龍らしき生物って
君たちみたいに飛んでたの?」
「そう聞いています」
ふむふむ
「そうなるとますます東洋の龍っぽいよね」
「確かに、昔ばなしのオープニングに出てくる奴ですよね
でんでん太鼓持った子が乗ってる奴」
「君、オンタイムで見てないでしょ?」
「先輩だって再放送でしょうに」
なんか、生暖か~い目でみんなに見られてる気がするよ




