第81話「知らぬ間に進化」
結果としては、牛肉に限定してみれば
素材をカットしただけでは変化なし
下味付けて片栗粉つけてプラス、他の材料と混ぜ炒めて
最後まで調理した時点で更に上乗せになった
牛肉の魔素量が1とすればほぼ15になる
ちなみに塩だけで調味して野菜炒めにしてもほぼ同様
肉を抜いてもほぼ一緒
素材の違いや調味料などではなく
「完成品となって初めてフルスペックの割増しになる」
らしい
ごはんの場合、精米と水に対して炊き上がった時点で
やはり15、研ぎ終わって水量調整した時点では
1割増し程度だけだった
米を炊く場合は炊き上がりまで普通手をかけないが
結果は同じ
炊いてる途中で火を止めたら下がるのだろうかね
極端な話、肉を焼いても煮ても摂取効率が上がるのだろう
調理という結果を高めようと複数回下味付けとか
意図的にを繰り返したらどうなるのか?
これは都度鑑定する必要があるけど
ルカに毎回借りを作るのもなぁ
『ご主人様も鑑定可能ですよ』
え?
『ルカの鑑定魔術に関するロジックは
全て記録し解析ができました
今後は再現して使用可能です
なお、【沈黙の呪い】も
習得済み・使用可能となっています』
多分ルカ、泣くと思う
当面の間、黙っていようか
『賛成です
女性を泣かせるのはよろしくないと思います』
完成後の魔素量鑑定が終わった青椒肉絲
野菜炒めとご飯をあっという間に食べてしまった4人
物足りなさそうにこっちを見ている
「晩御飯食べておまけにお代わりして
更に今食べたでしょうが!あとはありませんよ!」
三々五々、散っていった
こっちにいないフレイアだけじゃなく
全員食い意地張ってきたのは困りものですな
晩御飯食っておまけの味見もしてるんだから
流石に食器の片付けと洗いものくらいはやってもらおう
寝るのはその後にしてくれ
ということで、阿部ちゃんに仕切りを丸投げして
私自身は風呂に向かう
え?数時間前に入ったって?
晩飯作りに調理での魔素変化検証で油臭いんですよ
おまけにさっぱりはしたけどさっきの入浴時は
ニール引き上げたりしてるし
風呂くらいゆっくりと入らせてもらう権利があるんだよ
私にだって
町の露天風呂は屋根がないから
空気の流れ的な解放感はいいけど
どうしても壁に囲まれている分
視覚的な広さがないのは致命的
こっちの風呂は風を感じられなくとも
視界的には解放感凄いんだよね
・・・・・見えるのは白く光る壁だけ、だが
これをあっちで再現すると、丸見えなんだよな
阿部ちゃん以外は気にしなさそうだけど
見てしまったらこっちが照れる
マジックミラーが作れればいいのかね
『クリエイトできますが、ご主人様のイメージですと
あまりよろしくないものになりそうです』
記憶を読むな、記憶を
本人が思い出すより先読みされると何も考えられん
湯船にゆっくり浸かりながらぼーっとしていると
「せんぱーーーーーーーい」
すげぇ低い女性の声にびっくりして脱衣スペースを見ると
らせん階段から顔だけ出してる後輩ちゃんを発見
「覗きにきましたよーーーー」
「きゃあ、阿部ちゃんのエッチ~~~」
とりあえずお約束をかませる
「ではなくって、ニールさんが戻ってきたみたいです
なんでも里長から頼まれごとされたって
言ってるんですけど?」
「早めに聞いておいたほうがいいか
少し待ってもらうよう、連絡して置いてもらえるかな?」
「はーい」
折角戻ってきたのだし急いで上がるか
浴槽から出ようとして視線に気が付く
「阿部ちゃん?」
「なんですか?」
「君、いつまでそこにいるつもりかな?
上がりたいんだけど?」
少し上を向いて考えるふりをして
「どうぞどうぞ、私なぞお気になさらずに」
流石に少し怒っておいた




