表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
引っ越し先を見に行っただけなのに、女神が想像力皆無な世界に私と後輩を転移させて、現代知識で文明社会を創れ、それも3年間でって……それって厳しくないですか?【連載改稿版】  作者: 菜乃花 薫
異世界道中の、はじまりはじまり

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
74/126

第77話「ご褒美はきなこ棒」

確かにゆっくり入ってて、とは言った


文字通りゆっくり入っていたのだろうが

風呂に入る習慣がないニールは上り時を全くわかってなかった


外でマイカをどうするかやってる間も

ずっと湯船に入ったままで

すっかりのぼせてしまっていた


引っ張り出して洗い場の床に横にする

脱衣所からタオルを持ってきて

水で冷やしておでこに載せる


人と同じなら脇と首筋も冷やすか


「あれ?私はどうなってるのでしょうか?」


ニールが気付いた


「長風呂しすぎてのぼせたんだよ」


「ナガブロ?ノボセル?」


やっぱり知らなかったようなので、説明をする


どうもドラゴンは強い生物なだけあって

痛みはないわけではないが

その閾値が

極端に高いレベルにあるようだった


熱さについても焼け石が当たれば痛いくらいで

火傷なにそれ?だとか


自己治癒能力も高い分

人が大やけどしたと緊急搬送されるレベルでも

素知らぬ顔で居られるらしい


流石に溶けた岩を浴びると

大事になるらしいが

痛みではない入浴での血行促進は

ただただドラゴンを茹で上げただけだった


・・・・・カエルでこういう実験の話を見たことがあるな


動けるようになったニールに

安静を申し渡して脱衣所で休憩するよう諭す


辛いもの以外の弱点、握っておいて損はない


そういえば山はあるんだが

火山活動とか地震とか

プレートテクトニクスとかはあるのだろうか?


あれば温泉が見つかるかもしれない


壁の向こうからは阿部ちゃんが注意する声が聞こえる


「お風呂で泳いではいけません!」


「シャンプーの泡はたべるものじゃありません!!」


「飛んで男湯をのぞこうとしない!!!」


最後は明らかにルカに向かってだな

引率お疲れさまだから、後で労ってあげよう


さくっと風呂を上がりさっぱりした状態で休憩を取る

既に休んでいたニールに、水出し緑茶を出す


ニールはひと啜りして


「紅茶とも違うものですね

しかも冷たいからとても飲みやすいですな」


気に入ってくれたようだ


ゆっくりしていると女性陣が上がってきたのか

隣の脱衣所から声が聞こえた


ニールにはもう少し休んでおくように指示して

外に出る


先に出て、休憩用にテーブルセットを作って

準備をしていたら、女性陣が出てきた


最後尾にぐったりした阿部ちゃんが見える


アウラムに指示して

マイカのリードを装甲車の牽引フックに固定させた後

椅子を持って行って座らせる


「なにを飲んでいるのじゃ?」


ルカが興味津々で駆け寄ってきた


「水出し緑茶、って言うんだよ

どうぞ」


グラスを差し出す


「綺麗な入れ物じゃのぅ」


初めてのグラスを物珍しそうに眺めている


口を付けて第一声


「つ、冷たいのじゃーーーー」


「マイカにも持って行ってやって」


「阿部ちゃん、おつかれさん

声が聞こえてたけど大変だったね」


グラスを置いたテーブルに

突っ伏したままの彼女に声をかける


「そうですよー

みんな幼稚園児かと思うくらいでしたもの」


あれ?


「アウラムは3回目のはずだけど?」


ぶんぶんと首を振り


「泳いでたのはアウラムですよ

てか、海とか川ないのに何で泳げたんでしょうかね?彼女」


確かに


可哀そうなので、装甲車の保冷庫から

おやつを持ってきてお出しする


「きなこ棒じゃないですか!それも皿いっぱい!

あったんですか?」


キラキラした目で聞いてくる

大好きだもんね、こういうシンプルなおやつ


「いや、作った」


「作ったー??」


本当に驚いてる


「JC女神はさ、食材はいっぱい置いてくれてるけど

完成品は殆どないんだよ

野菜以外はほぼ何かしら手を加える必要あるけどね」


「ふんふん」


あれ?君、喰い始めてるね?


「乾燥大豆があったからグラインダー作って

粗いきな粉にして、更に製粉機でさらさらにした


そこに蜂蜜加えて、ひたすら練って形を整えて

余ったきな粉をかけて出来たのがこれ


少し柔らかかったから

保冷庫で少し温度下げておいたんだ」


「へー、普通にきなこ棒ですよ、これ」


「知識と経験があれば、昔ながらのもち麦とか

大麦で糖化させた水飴作ってまぜると

もう少し甘さも軽くて

蜂蜜だけより柔らかくて食感よくなると思うけどね


流石に水飴も調味料としてはなかったんだよ

砂糖と水でも似たものは作れなくはないけど

やっぱこういうのって風味も大事だからね

次、作る時には考えておくよ」


「凄い、改良品も期待できそうですね!」


にこにこしながら食べてる

そういうのを見てると作り甲斐あるよね


「なんじゃなんじゃ、我も食べてみたいのじゃが?」


寄ってくる


「これは阿部ちゃんが

君たちのお風呂の世話をしたご褒美なの」


「ぶーなのじゃ」


「えー、食べられないんですわ?」


「香ばしい匂いがして美味しそうです・・・」


数個残った皿を見て残念そうに見る女の子3人


「食べてもいいですよ、その代わり一人1個です」


阿部ちゃんがおすそ分けしてる

ニールとマイカにも


まあ、マイカは食べるときに

吸い込んでしまったきな粉でむせて

文句言ってたけどね


「なんじゃこれ!甘くて旨いのじゃ!」


「これがいつもの豆?嘘ですわ!違うもので出来てるはずですわ」


「豆なんか青臭いだけで我慢して食べてるのに

これは凄く美味しいです!」


みんなにも高評価だ

モノを作らないのだからおやつなどもないんだろうからね

気持ちはわかる


「ふむ、これが豆からできているとは信じられませんな

神の食べ物でしょうか」


ニールは口の周りをきな粉だらけにして、なにかのたまってる


「も、もっと食べたいのじゃ」


「私ももう一つ頂きたいです」


「もっと欲しいですわ!」


懇願する3人だが、皿の上にはなにもなかった


「ごちそうさまでした」


無情にも阿部ちゃんがそう言って手を合わせた


結果

何か役に立ったらご褒美としてきなこ棒を1つ貰える

というシステムを確約させられた


言うこと聞いた時のワンコか?君たち

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ