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この世界、モノづくりも名前もお風呂もありません。だから後輩といっしょに、魔術開発と現代知識で雑貨から兵器まで作り放題の3年間をのんびり送ります【連載改稿版】  作者: 菜乃花 薫
異世界道中の、はじまりはじまり

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第66話「二人からの求婚?」

お怒りの表情になり、走り寄ってくるルカ


―ルカ??

明らかにシルエットがおかしいんだけど?


「阿部ちゃん?

君、また趣味全開で服をクリエイトしたね?」


諦めを込めた目で彼女を見る


「だって彼女、ツンデレっぽいじゃないですか

ツンデレでかつお嬢様!

そうなれば、中世っぽいドレスが

お似合いかと思った次第ですよ」


うん

同じイメージを私も持ったけど

それを実現しようとは思わなかったぞ


薄いパステル調の青で出来た生地

ドレープっていうの?

ひらひらしたレースのようなものが多数


スカートはランプシェードのように骨が入ってる感じで

布だけではないカーブを描いて持ち上がってる

おまけに髪型はツインテール


更にドリルのように

最上部がでっかく下に行くほど細くなる縦ロールだ


頭が痛いよ


「誰か、止めなかったの?

特にアウラム

君、最初に自分の服作られたときに半泣きだったよね?」


当の本人はキョトンとしている

瞬きを1つ、2つしてから


「あれはなんだか直感的に嫌な感じがしたのですわ

あれを着ていると、

長い間よろしくないことが続きそうな感じがしたのですわ」


なるほど

のちのち着せ替え人形にされる可能性を直感的に感じたわけだ

予知能力でもあるのかな?


カホルやフレイアは明後日を向いている


「ヴェルーリアは?」


「え?初めて見ましたがルカに似合っていて

可愛いと思いましたよ」


だって


ちなみに本人は


「権力者の娘が着るものだ、と伺ったのじゃ

それならば我が着るのは当然じゃろう

旦那様はなにが気に入らないのじゃ?」


「旦那様ちゃうわ!」


思わず返してしまった


「それじゃそれ!我が輿入れするのが不満かや?」


「その通り!」


続けよう


「さっき降りてきたときに聞こえたんだろ?

会ったばかり戦ったばかりで力関係で輿入れだとか

契りだとか短絡的すぎる


ニールにも言ったが

問題だらけの現状で君とどうこうするつもりは毛頭ないよ」


ここに至って、女子軍団からいくつかの殺気を感じた


『緊急警告

室内に高レベルの殺意を複数感知しました

数は4、ヴェルーリア、フレイア、アウラム

カホルの順で殺意が高いです』


止める間もなくあっという間に取り囲まれる

・・・シャールカーニが、だが


「なんですって?()()()()に輿入れする?

誰が許したのでしょう?」


「やはり先ほど首を落としておいたほうがよかったでしょうかね」


「いつそんな話になったか、教えてほしいですわ」


「逢ったばかりでよくもまあ、無礼千万ですよ」


殺意の高い順におっしゃってます

戦闘後、着替えていないのもあって

全員獲物を持つなり装着しての脅しだ


あまりの速さで、姪っ子への助太刀すらできず

固まっているニールが隣にいる


「ど、ドラゴンの掟じゃ

我はカホル様とヴェルーリア様にも負け、〈契約〉をしたじゃろう?

その前に二人の長である旦那様にも負けているのじゃ

群れで一番強い旦那様に付き従うのが我のすべきこと

これはドラゴンの本能なのじゃ」


「私の方が先に契りを申し入れているのですよ、ルカ」


ヴェルーリアが強い口調で告げる


「貴女は後から出てきたのですよ

私がまだなのに、あなたが先に主張するのはどうかと思います」


「ヴェルーリア様も輿入れを申し入れてるのじゃ?」


ルカが驚きを見せた


「二人に求婚されてるって、先輩モテモテですねぇ

ぱちぱち」


手を叩いて喜んでいるように見えるが、目が笑ってない

別の意味で、怖いよ


よし、流れを変えよう


「ルカ!」


「なんじゃ?」


「さっき言った通り現状ではお断りする、以上」


「な、なんじゃと?」


「ヴェルーリア!」


「はい!」


「君も似たようなことを言ってたけど

君だって今朝逢って戦ったばかりだろ?

ルカ同様、現状ではお断りする、以上!」


「えぇええ~~」


「二人のおかげで、今朝から全然予定が進んでないんだよ

遅れをどうするか、さっさと考えるよ!」

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