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第5話&第6話「3人娘と現状把握」

光が勢いよくはじけ

生じた逆光で3つの人型らしきシルエットが現れた

徐々に明度が落ち全体像がはっきり見える


一人目はすらっとした女性

赤のロングヘアーを、ポニーテールのように纏めている


その顔はめっちゃ小さく

まるで8頭身モデルのごときスレンダー美女

虹彩は金色なのか?少し光って見える


二人目は結構小柄な女性、150cmくらいか?


身長に比べ、手足の筋肉がかなり発達して見え

アスリートというよりボディビルダー顔負けの

陰影はっきりメリハリボディだ


髪は、肩くらいまでの金髪を、サイドで留めてる

虹彩は赤く、目自体が大きい


打って変わって三人目はすらっとした男性だ

一人目のような細身で、ぱっと見には女性にも見えるほど


ウェーブがかって、ボリュームのあるショートヘアーは

深い藍色に見えるか

銀の虹彩だが瞳孔は、猫のように見える金色だ


3人とも地球上の人間ではまず見ないであろう組み合わせで

それこそ異世界なんだと改めて納得する


―いや、ここでは私ら二人が異世界人か


JCが口を開く


『髪の長いのが賢者だよぉ

知識量と思考力はずば抜けているからさぁ

君らに教える人材として最適だろうねぇ


背が小さく金髪は元妖精王さぁ

地勢や社会的常識は彼女のほうが得意さぁ

それでぇ、魔法関係もできるしこの二人で分担かなぁ』


説明に後輩と頷いた

しかし、ここまで身長やプロポーションが

真逆な二人が並んでいると、つい見比べてしまう


「見すぎですよ、先輩」


台詞と同時に軽く、肘鉄がわき腹に入れられた


『髪の短いのが、執事だねぇ

生活全般についてだけでなくぅ

先の二人と違う分野の知識もあるから頼りになると思うよぉ

しっかし、見事にみんな、女性だねぇ?』


は?

執事も女性?


・・・・・

口に出したり、自己紹介とかする前に知れてよかったわぁ

男性だと思い込んで話しかけていたらどうなったことか

想像するだけでぞっとする


思い込みはトラブルの元

くわばらくわばら


でも、JCには筒抜けなのか

彼女はこっちを見て、少しニヤついた気がする


「どういうのイメージしたの?」

後輩に聞いてみる


「えっと、異世界物って、

【ハーレム】なのがまずはお約束じゃないですか?

だから、ちょびっと考えただけ、だったんですけどね


いえいえ

男女比率が偏ってるからってこちらの生活で

男性である先輩を軽んじるつもりなんて

全くありませんよ?・・・・・ええ」


なんか怪しいと思うのは気のせいか?

というか、ハーレムがお約束なんて誰が決めたんだ?


確かに女性が嫌いではないし、余程でなければ楽しいだろう

同時にトラブルの種でもあるわけなんだけど、大丈夫かな


それより、ぱぱっと手配して作ってくれたのは良いのだが

3人とも、まるでマネキンのように動かないのだけれど?

よ~く見ると、呼吸もしてなくない??


『ここはどんな形であってもぉ

神の関係者以外はぁ居るべき所では無いんだよねぇ

君たちは事情も伝える必要があるから問題ないだけどさぁ

本来、普通の人間はぁ、ただじゃすまない所なんだよぉ』


さらっと物騒なことを、今更言われてもねぇ


『だからぁ、こちらの【世界】の魂を持ってる人にはぁ

活動を休止もらってるんだよねぇ


ちゃぁんと君らのサポートってこと、とかはぁ

女神のボクからの依頼ってことで伝わってるから大丈夫ぅ』


本当かねぇ?


『細かいことは抜きにしてぇ君たちのイメージ通りぃ

生体としてはかなり強度のある体にしておいたよぉ


いろんな能力はさておきぃ

君らがこっちにいてくれる3年間はぁ

トラブルなく過ごせるくらいにいろんな意味でぇ

強くなってるはずだかねぇ


それとぉ、彼女らはぁ、能力や魂、性別もそのままだけどぉ

体を新生した形になるからさぁ

魂と体、魔法体の3つが馴染むまではぁ

不自由があるかもねぇ』


JCは立て板に水のように、すらすらと説明したが


―魔法体?

魂とか、新生した体はまだしも魔法体、ってなんだ?


『生物ってぇ、肉体とぉ、生物の個として統括する魂とぉ

肉体と魂の形を同じくして繋ぎ留める役割の魔法体

これら3つで構成されてるんだよぉ


生まれてすぐはぁどんな生物でもぉ、すぐにはぁ

親と同じ能力、出せないよねぇ?


君ら人間はぁ、個体差はあるけどぉ

10数年でぇ、大人になるよねぇ?

それが馴染んだ、ってことなんだよぉ』


わかるような・・・・・

わからないような・・・・・


隣の後輩は腕組みして首を何度も捻っている


『そうそう、君ら二人にはぁ魔法体じゃあなくってぇ

幽体ってのがあるんだけどさぁ

それだと魔法が使えないんだよねぇ』


「そういえばおねえさんも言ってました

魔法、使えるようにして貰えるんですよね?」

そう聞いた隣で、後輩が頷く


「私、魔法使えないのは困ります」

・・・・・どんだけ魔法少女になりたかったのやら


『それはねぇ、少しだけ変換作業すればぁいいんだけどぉ

大丈夫かなぁ?』


少し考えて、JCに訊く


「変換した場合、って元の世界に戻る時

問題にならないですかね?

帰る時に再度変換する必要は?」


JCは、掌を上下に振りながら答えた


『大丈夫だよぉ

君らの世界にはサポートシステムがないからぁ

魔法も魔術も使えないんだよねぇ?

特にデメリットもないからぁ

そのまま帰っても大丈夫さぁ』


「その手の動き、なんとなく怪しいんですけど?

というか、魔素ってのはなんです?」


「魔素、ってのは魔法や魔術の燃料

と言えばわかりやすいかなぁ

必要量なければ魔法も魔術も発動しないのさぁ」


なるほどねぇ

まあ、デメリットがなければ問題なし、か


ってより、魔法などが使えないほうが

明らかなデメリットじゃない?


「魔法は必須だよね?」

後輩に聞いてみた


「折角3年も異世界行くのに

何が悲しくて無能力で

生きて行かなきゃいけないんですか!」


「随分気合い入ってない?」


「当然です!」

後輩は腕組みして仁王立ちになり、こう言った


「私は!!!」

胸をそらし、力強く言葉を続ける


「魔法少女に憧れてたんですから!」


JCも含めて思わず黙ってしまった

ツッコミすらできない勢いで言い切られた


・・・・・気を取り直そう


「ところで」

思考を読まれてはいるけど、念押しで問いかける


「こっちでやるべき事とか雇用条件、勤務形態などについて

改めて確認させて欲しいんですよね

ちゃんとして、できるなら書類に起こして

齟齬がないようにもしたいです

口頭での約束なんて

トラブルの元どころじゃないですから」


「そうですよね

私も衣食住含め、条件が劣悪なら流石に嫌です!」


後輩は腕組みして、強い口調で主張した


『実はねぇ』


そう言うJCだけど、何かしら・・・・・

目が泳いでる?

・・・・・あまりいい予感がしないのだが


『条件提示とかぁ、契約するにもぉ

紙どころか羊皮紙すら無いんだよねぇ』


羊皮紙も無い?

と言うことは、もっと古い文化レベルなのか?


「それってペトログリフとか線刻画みたいに石に刻む文化

ってことですか?」

私より早く後輩が聞き返していた


JCは首を振った

『文字という概念すらないんだよぉ』


「「そこから??」」


おっ、打合せもないのに綺麗にハモったねぇ

後輩はこちらを見て、Vサインを出していた


気が合ったことに少しばかり温かい気持ちになったが・・・・・


そんな場合じゃない

同時に後輩も身体ごと向き直った


私らが口を開くより先に、JCが口を開いた


『だってさぁ』

少し声が震えてない?


『君たちの世界と比べたらぁ、文化レベルが大分低いしぃ

仕方ないんだよぉ』

もしかして、JC、泣きそう?


『食べ物に至ってはぁ、魔法で火が熾せるからってぇ

獲物の肉を焼くだけだよぉ?


君たちの世界で言う【料理】っていう概念もぉ

壊滅的なのさぁ

料理道具だってぇ、包丁程度しか無いんだからねぇ』


JCの声が、更に涙声っぽく聞こえる


『君ら2人はぁ、甘いものツアーとか言ってぇ

仲良くしてるらしいけどさぁ

こっちには料理ですら無くってぇ

おまけに味付けもないからぁ

ただ焼いた肉だよ、肉ぅ!』


ウェットな声は世界の現状への嘆きだったか


「それって、野生動物とほとんど変わらなくないですか?

もしかして、服や生活道具もかなり原始的だったり?」


『そうだよぉ

包丁なんかぁ、そっちだと黒曜石とかで

作ってるのと変わらないしぃ

服だってぇ、魔術で作ったごわごわした布をさぁ

結んで着てるくらいなんだよぉ』


縄文時代かよ!


―待てよ、おねえさん確か

「産業革命前」って、言ってた筈


確かに言葉通り、産業革命「前」ではあるけど

・・・・・そう言えば、西暦何年とか

何時代とまでは明示していなかったよな


―肝心かなめのそこ、精度悪いのは致命的過ぎだよ

地球の管理者として


さて、どこからどうツッコめばいいのやら

5話と6話を統合の上再編集しました

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