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想像力皆無な世界で私と後輩、二人で現代知識を駆使してのんびり3年間を過ごしたいだけなんだけど!?【連載改稿版】  作者: 菜乃花 薫
引っ越し先を内見しただけなのに

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第4話「あっという間に知らない世界」

光が徐々に収まってくると、今度もまた白い世界

見た感じや環境その他はなんら変わらないように感じる


ただ一つ違うのは、目線の先に私や後輩より若い

いや、もしかすれば中学生くらいの女の子が

すでに居るところ


それもソファーに寝転がって、だ


『すー、すー、すー』


・・・・・もしかして、寝てる?

規則正しい呼吸音だけ聞こえるが、まったく動く気配はない


そうだ、後輩は無事?

と思ったが腕にしっかりしがみついて、まだ目を瞑っていた

柔らかな感触からもちゃんと実体があるみたいで

なるべく悟られないよう気を付けながら、ほっと一息つく


しかし、おねえさんもおねえさんだよな

転移はいいけど、たびたび真っ白な風景だけの所に出れば

所謂【あの世】って奴みたいで、ちょっとドキドキするよ


やんわりと後輩の腕を揺すると、ようやく目を開けた


私の顔を確認すると、続いてキョロキョロあたりを見廻し

ソファーに横たわっている女の子をじっと見つめていた


「起こしたほうがいいかな?」


聞いてみた


「彼女が管理者、ですよね?

寝ているなら起こして確認しないと

多分説明も進まないんじゃないですかね?」


少々思案してから、後輩に声を掛ける


「寝込みに声掛けってのは

絵面的にあまりよろしくなさそうだからね

お願いできる?」


後輩はそれを聞いて薄く笑い、頷いた


ソファーに近づき、女の子の肩を優しく揺する


「すみません、起きていただけますか?」


・・・・・起きないね


「あのー、起きてください」


・・・・・やっぱり起きない


計5回繰り返したがピクリともしないので

とうとうしびれを切らしたのか


()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


この子、こんなに声張れるんだね

流石に起きた


長ぁいプラチナの髪が肩から滑り落ちる様はすっごく綺麗

同性の後輩が思わずため息をつくほどだった


なのに、煌びやかな髪とは裏腹に

何故か不貞腐れた顔をしていた


『誰だい、君たちは?なんで起こしたんだいぃ?』


声まであからさまに不満っぽい

かわいい声なのに、ドスを効かせてしゃべってるからか

更にとげとげしさまで増して聞こえる


改めて観察しても、年齢はJCくらいにしか見えない

しかし見た目に反して、ただ美人だとか綺麗なだけじゃない

どことなく人とは違う雰囲気が伝わってくる


「おやすみのところ、起こして申し訳ありません

白い世界でおねえさんから

【選定者】に選ばれたから行ってこい

と言われて送り出され、こちらに来ました


あなたが、こちらの管理者さんでいいんでしょうか?」


謝罪も兼ねて端的に伝えてみる


ぱぁっと顔が明るくなり

さっきまでが嘘のように声までが軽く明るく変わった

寝起きの不機嫌さが治ったならなにより


『そっか

君の言うおねえさんは多分

君たちの【世界】の管理者のことだねぇ?

あの方が決めた選定方法で選ばれたなら

こっちの世界でいろいろしてくれそうだねぇ

期待してるよぉー』


明るく言うけど、こっちはまず確認しなきゃいけないことが

山ほどあるんだよね


「結局、細かい話やこちらの世界の諸々は

こちらで確認してくれってことでしたので

一通り教えていただけますか?」


『えー、面倒だよぉ~~~~』


即答でそれかよ!!!


『そういうことは、黙っていたって

サポートシステムがやってくれるよぉ』


「サポートシステム?

じゃあそれ、使えるようにしてください」


『え?もう使えてるはずだろぉ?

だめならサポートシステムを再起動してごらぁん?』


「再起動?」


『ええ?君ら、サポートシステム使ってないのかぁい?』


「そもそもサポートシステムって、なんですか?」


『・・・・・君たち、普段

どうやって魔法や魔術使ってるんだぁい?』


「あのー、私らの世界じゃ、魔法ってないんですけど?」


JCはキョトンとした後

大げさなくらいの驚愕を表情に出してきた


『そんな!!魔法が使えない世界??

あっちには魔法ないのかぁい??』


聞いてないよー!って伝統芸が

後ろに見え隠れするようなうろたえ方をしている

明らかに挙動不審


「えっと、なにかまずいことでも??」


未だ不思議な踊りを踊っているJCを見つめ、返事を待つ


そのあと数分ほど踊り続けて、ようやく落ち着いたのか

早口で一気にまくし立てる

『まずいというか、そこまでベースシステムが違うんだと

基本概念から合わせていく必要があるよねぇ


その上で世界観をはじめに言語とか自然環境とか

教えないといけないけど時間もかかるし

更に魔法と魔術を基礎からじゃ

教える範囲が広すぎるよねぇ』


3年で世界を変えてと言われてるのに

覚えるだけでどんだけ時間食うんだか


『そうなんだよねぇ

君ら二人に、基礎知識教えるだけで

1年くらいかかっちゃいそうだねぇ』


あ、JCも心が読めるのね


『そうそう、衛生環境とかなんとかもそうだよぉ

君らの世界レベルには、まだ届いてないからねぇ』


後輩の心も読んだのか


「でしたら、すべてを知ってて私らに教えてくれる師匠

みたいな人をつけて貰えたりしませんかね?」


JCの返答を聞いて、後輩はすぐに要求を明示した

判断が早いねぇ


「実務もできる人をそれぞれ1名ずつ

その下に実働部隊として必要人数が欲しいですね


そうでもないと、現場どころか世界観すら無知のままだから

あっという間に期限来ちゃう気がします」


そこで一息ついたと思ったら、思い出したように続けた


「あ!

内訳ですが高レベルのモノづくりができる人!

言語を複数使える人!交渉力が高い人!

一般常識からなにからわかる人!

ついでに女性でそういうのができる人も!」

後輩が、矢継ぎ早に追加要求する


本当はちゃんと業務分掌やって

それぞれに決めてくんだけどね


でも

その業務範囲すら果てが見えていないんだよな、今現在


後輩の要求が重かったのか

少々思案顔をしたJCがようやく声を出す


『だったら、まずは知識と知恵がある人を、創ろうかねぇ』


・・・・・作る?

いや、JCの声のニュアンスはそれと違う感じに聞こえたが?


『君の「作る」じゃなくって

文字通りの「創造する」んだよぉ』


・・・・・創造する?

それって、知識人をどこからか連れて来るとかじゃなく

新たに【人を創る】ってこと、だよな?


『一応この世界の管理者だからねぇ

ゼロから世界は創れないけど

世界さえあればアイテムは創れるんだよぉ』


そう言うと、両手を軽く合わせ、少しだけ開いた

次の瞬間、掌の間に不思議な光を放つ

ゴルフボールくらいの球体が2つ現れた


『これはそれぞれ

【賢者】と【妖精王】って呼ばれた人の魂だよぉ

君たちを導くようにお願いしてみたら了承してくれたから

来てもらったんだよねぇ


この二人で分担、でどうかなぁ?』


え?

賢者はわかる、けど・・・・・妖精王?


『そうかぁ、あっちの世界には妖精もいないみたいだねぇ

魔法や魔術も教えてもらって身につけないとぉ

そもそもこっちで生きていけないよぉ?』


思ったよりハードモードじゃないか!

それでも、サポートが万全に近いなら何とかなる

・・・・・・か?


『とりあえず、この二人をサポートとしてつける

ってことでいいかなぁ?』


「もう一人!生活そのものをサポートできる人

ってお願いできませんか??」

私が口を開くより早く、後輩がものすごい威勢で申し入れた


『生活ってぇ??』


JCが小首をかしげる


「食材の選び方、洗濯、お風呂・・・・・

仕事以外で必要なことを手伝ってくれる人が欲しいです!」


私も後輩の案に首を縦に振る

洗濯、風呂は大事だよねぇ、日本人だもの


そして、食べ物は生きる上で必須だけど

見た目からなにから

日本の知識が役に立たないかもしれないからね


『じゃあ』


再度、手を合わせる

今度は黒い球体が、さっきまでと違い禍々しく現れた


『これはねぇ、とある権力者の執事だよぉ

生活全般サポートなら

十分以上にできるんじゃないかなぁ?』


3人がかりでサポートしてくれる、と

後輩も満足そうにうなずいてるから良しか?


『ちなみにモノづくりができる人、ってのは

ほぼ無意味なんだよねぇ

この【世界】には【作る】って概念そのものが

ほぼ欠落してるからさぁ』


さらっと言っていいほど軽微な問題点じゃないよね?

びっくりして隣で後輩が口、あんぐりさせてしまってるよ


作る概念がない?

おねえさんは産業革命以前と言ってたはずだけど

それよりも低レベルか?

いや、もっと原始的な石器文化、とか?


まさか、それ以前ってことは・・・・・ないよねぇ?


『こればかりは歴史の積み上げだからどうしようもないねぇ

現状を見たうえで、君達になんとかして貰いたいんだよぉ』


「最終目標はわかったけど

どこまでするか改めて相談しないといけないですよね」


JCは頷いてこう続けた

『そこは改めて、かなぁ』


軽く咳ばらいをして、こう続けた


『さて、この3人でよければ魂をこの世に復活させるよぉ

どういう体にするかは二人に任せるから

それぞれ想像してみてくれるかなぁ?』


想像するって、賢者と妖精、執事だよねぇ


おじいさんに小さくて喧しい女の子、ダンディなおじさま

定番っぽいのはそんな感じ?


そんな風に想像していると

隣の後輩が真剣な顔で考え込んでいた


いや、君さっきまで呆気に取られて口、空けてたよね?

変わり身の早さに驚いたわ


『そろそろ、イメージができたみたいだねぇ?』

後輩がどういう姿をイメージしてたかわからないけど

すり合わせもしないうちにJCが言い出した


「ちょっと、二人で話あってもいい?」

と、言ったのだが


『二人の考えを読み取るからさ

イメージの強いほうが、能力にも反映されるから

話し合っても意味ないよぉ?』

だそうだ


仕方ない、そのままお任せにしよう


『では創造するねぇ』

JCはそう言うと、両手を前に突き出した

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